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「まだ初日なのに満足しちゃうことってあるよね」~奄美大島ボランティア②~

※前回の内容の続きのため「奄美大島ボランティア①」を見るといいかも


全員集合?

砂利道を走る車の音が聞こえた。



外にでてみると車からぞろぞろとボランティア参加者の学生がおりてきた。おとなしそうな人から、怖そうな人、難しそうな人など色々いた。

楠田さんはなんかきいたことあるようなないような歌をうたいながら、トランクから荷物をだしている。


これはツッコミ待ちなのか?と思いながらもその作業を薫と手伝った。
「フゥー、女のコの荷物もってあげるなんて優しいなヤマト〜」


彼は楠田さんに対して、無意識で歌を歌っているので、根本的に陽気な方だと感じていた。初対面から、そんな姿を見せる人はいるだろうか。

きっとこの方は、ガンガン距離を詰めたほうが喜んでもらえるだろうと思う。




いつも通りしょうもない冗談をおもいついたら発泡していこうと彼はこのとき決断した。


楠田さんから
「ヤマト、あとから来た人たちに施設のルールとか、鍵とか荷物とかもろもろ教えといて」
と言われ、彼は自分のことを信頼されているのだと感じた。



なんかリーダー感のようなものを任された気がして嬉しかった。





まあルール等を同じ説明するのがめんどいからかもしれないが。。。。





人数を数えてみると全員で10人で、あと1人は3日目から合流するらしい。

彼らはみんな宿に入り、楠田さんは
「ほいじゃ、明日9じにくるから準備しといて~」とだけ言って、車で自宅へ。

さあ、いよいよボランティア学生10人だけになった。


自己紹介


楠田さんが出て行ったあと、10人のメンバーはしばらく無言でお互いの顔を見回した。

とりあえずの苦笑い。

誰か何か話してくれという空気を感じた。

この状況を打開すべく、彼から話そうとしたとき
彼ではなく、この沈黙を破る人がいた



「とりあえず自己紹介しん?」


とカリスマ性とオーラあふれる男の人から提案があった。





こいつ、できる。。。。。



とりあえず自己紹介しますかという流れになって、タイマーで5分くらいはかりながら1対1か、3人グルで話した。

最初にあった3人ふくめ、彼の会った9人のそれぞれの印象を書いてく。



・プライド高そう→そっち系か。。
・声がいい
・愛知出身



Mっちい
・めちゃ経験者なのに大人しい
・一人が好きそう
・関西弁



Sちゃん
・おとなしそうだけどよく笑う。彼のギャグでも笑うから相当笑いのツボが浅いだろう。
・愛知出身


Mーちゃん
・おとなしそう
・ゆっくり話す
・浦和出身で、地元を誇りに思っている
→埼玉の人=キャラ濃いという偏見が彼にはあったのでちょっと楽しみ。


Sう
・何考えているのかわからん。謎人間。
・東京出身らしい。そうはみえんかった。


KD
・なんか彼と同じ大学らしい
・大人しそう
・天然そう →これはビンゴ
・出身は忘れた


MO×22
・KDと似ている。間違えて一緒の大学出身って誰かに紹介した。
・しっかりしてそうだからふざけてたらおこられそう
・まじめそう →天然でした


TK
・カリスマ性とオーラがある男
・ポッドキャストが趣味って言ってて大物感あった
・ふざけてたら「は?」って冷たく言ってきそう。注意しよう。
・リーダー感ある


すず姉さん
・強い軸がありそう
・絶対にこの人がこの集団のリーダーだと確信。もしなんかあったら雰囲気作り譲ろうと思った。



それぞれが自己紹介したところで、あとから来たメンバーはまだ海を見ていないことから海辺へ散歩しにいった。


TKのとった写真。凄腕写真撮りマンと、容姿の優れたお方たちと、奄美の良い景気。


TKは写真が撮るのがうまかった。
自然体をとるのが特に。


夕暮れの奄美の海辺はさっききたときとは違う魅力があった。



夕食のために買い出しにいくことになった。お世話人の協力者である小池さんが車でむかえに来てくれたのでそこからスーパーにいく。



そっち系の薫、ポッドキャスターTKと彼の男3人で買い出しにいき、カレーの具材をかってくることになった。

奄美北部のスーパー=ビッグツーである。


帰り道の車の中、小池さんが突然聞いてきた。
「男子3人しかいないから聞くけど、かわいいと思う女のコだれよ??」


はええよ、まだ1日目だぞ。

彼の印象に残ったのは怖そうなすず姉さんと、同じ大学だと勘違いしていたMO×22だ。しかし雰囲気とか、ステータスを覚えていたが、顔までは覚えていない。。
詰まった彼が話そうとすると、、、




そっち系薫「いや、まだわかんないっすね。。。」






お前はたぶんそっち系だもんな。。。。

するとまたこの男が状況を変える。


ポッドキャスターTK「みんなカワイイっす」







こいつ、できる。。。。


そして彼はわかっていた。
ポッドキャスターTKのかわいいっすの言葉と同時に

いや、だれの顔も覚えていないっすの表情がでていた。明らかに。

しかしこの局面をだれも傷つけることなく打開したTKを彼は心のなかで称賛した。

小池さんが男3人、女のコ8人だから2、3人アプローチしても問題ないよと冗談のお言葉をいただいた。

そして、男女で固まらず、男女の壁をのりこえて交流してほしいとのこと。



TKも、3人で固まらずなるべくバラバラで過ごして女のコたちと仲良くなって、お互いが懸け橋となって繋げ合おうと話した。


この後実際になるべくバラバラに行動することになる。



彼らはこの時からすでに仲が良かったのかもしれない。


はじめての10人での食事


「ただいま帰ったよん」

彼の求められていない愛嬌の挨拶を言いながら、宿に帰ってきた。


宿に帰りみんなでカレーをつくることにした。






ここでアナタに問いたい。


初対面の10人でカレーを作るとなったとき。
あなたはどのようなポジションにつくだろうか。



①初動はやくし、主導して野菜等の準備をする

②主導した人の動きをみて空いているポジションをとる

③トークでの盛り上げ、写真撮影など料理以外の面でもりあげる

④貢献したい気持ちはあるが、料理が得意ではないのでみんなのためにやらない

⑤やりたくないのでやらない





人によって回答があるし、何番が良い、悪いを議論をするつもりはない。



彼は一人暮らしを4年し、自炊もやっていたこともあり①か②で貢献できると思った。


おそらく女の子達はメインのカレーをつくるだろうから、彼は
②のムーブ「米を炊く」を選択した。




まあ米といで炊飯器のボタンおすだけだが、、、



ただ10人分なので、5合しかたけない炊飯器を2回たかなければいけない。スピードコース的なので、1つたき、別皿に寄せ、もう5合炊くことにした。

料理は複数人でやっていたのでこのとき誰がやっていたのかは覚えていないが、MO×22は際だっていた。


彼女はのちに料理長というポジションを得る。




他の人もみんなが何かしらの準備をし、
サラダや味噌汁も出来上がり、1日目からいいスタートだった。


気になったのは浦和のMーちゃんと謎人間Sう。


ある程度彼の米炊きの準備が終わりすることもないとき、
二人で会話もせず、ヨギボー(ピンク色の柔らかいクッション)で座っていた。

貢献したい気持ちがあっても動けないのではないかと思い、軽く声をかけたら、

「私は明日やるからまかせるよ〜」

とのこと。

ああ、何か困っているわけでなくて良かった(Mーちゃんは実は料理めちゃできます)。

それにしても初日からみんなとは一歩ひいて見ていられる二人は冷静だなと思った。



まあSうはこんときも謎だったけど。



みんなで作ったカレーとか

10人で食事をするとなると、たくさんの量の料理だけでなく、
たくさんの皿やコップが必要になる。


写真を見るとわかるが、みそ汁の器の大きさは違うし、
コップはジョッキグラスにお茶が注がれている。


たしか、はしの本数もが足りなかった気がする。


10人揃っていない器の形や量、食器の不足感や普段と違う不自由さのあるこの空間。

10人の価値観の違いを認められるのか、受け入れられるのかを試されていると思った。


わざと足りないように作ったのかと彼は思えた。

そして彼はこの不足感がとても好きだった。


彼はキャンプが趣味だが
このような不足感で生きていくというおもしろさを求めているのかもしれない。





「いただきます」

T字のローテーブルに座り
すず姉さんのいただきますの声でみんなが食べ始めた。

カレーは自分が普段つくるものよりも、
やさしさ、やわらかさ、安心感に包まれた感じがした。

母の味とかではないが、実家に帰ったときのあの安心感だ。


おいしい、うまい。
そんな言葉が飛び交う中



「幸せ、、、、」


とMーちゃんの言葉がこぼれた。


そのへんのグルメリポーターの発言や、
インスタにあげる写真をとるときだけ笑顔になるあの表情とは違う

自然なこの言葉と表情があふれていた。


みんなこの子の笑顔を守りたいと思った。



みんな同じことを思えた気がしたがゆえ、


俺らはもう仲良しなのかもしれないと彼自身は思った。

まだ初日なのかと思ったし、これからがほんとに楽しみに思えた。




食事のあとは風呂に入って、何しろ人数が多い。

風呂を一人10分としても10人×10分で1時間40分だ。


時間的にもみんながみんな食事後に風呂にはいれるわけではないので、
食事の準備中や、食後の皿洗いをしているとき交代で使った。


「皿洗いするから風呂はいってこりん!」
「風呂あがったから○○入ってきたら?それ変わるよ。」

といい感じに連携していた。


10日間通して、食事の準備に関しても
「昨日やったから今日やるよ」
「皿洗いするね」

と率先してみんなやっていた。


皿洗いも分割して仲良くやっている

こういったことからとても貢献心と主体性がある人の集まりであったのはいうまでもない。




食事後には、みんなで夜の海辺の散歩をした。


彼は眠そうだが違う。ズボンが緩くて下がってくるのがやや不満なのである。



夜の海辺は暗い。KDのヘッドライトを借りてつけてご満足そうだ。

初日を終了、明日のボランティア先は?


1日目が終わり、明日がすごくワクワクした。

1日目をの彼の日記。「いつかまた戻りたい」って書いてある。まだ1日目である。

このメンバーで最高の10日間にしたいし、俺らならできると彼は感じていた。


そして大学4年生だった彼はもっと早くからこのような活動をしておけばよかったと思った。


明日から10人が一時的に分かれて各場所にボランティアをする。
受け入れ先ボランティア先は農家だけでなく、飲食店、ラジオ局などがある。

受け入れ先については以下


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・くすだファームさん
https://icchiba.com/f/kusudafarm

・まるか農園さん
https://amantropico.amamin.jp/

・栄農園さん
http://www.ryukyujima.net/shop_info.php?ShopCode=020168&

・あまおと農園
https://dwave.amamin.jp/e657223.html

・エフエムたつごう (ラジオ局。ListenRadioというアプリでどこでも配信聴ける)
https://tatsugo.fm-s.org/

・オステリアフィオーレ (奄美大島の食材を使った地元に愛されるレストラン)
https://fioreamami.thebase.in/

※URLに深い意味はありません。検索したらでてきたってだけです。
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あくまでも受け入れ先であり、これ以外にもたくさんの現地の方にお世話になった。


この受け入れ先にローテーションして2~3人でいくのだが、
最終的に全部の受け入れ先にいくからこそ、
彼らは特に最初にここに行きたいなどはなかった。


ラインのあみだくじ機能を使って決めることにした。


あみだくじの結果






彼は強い軸がありそうなすず姉さんと二人で

まるか農園にいくことになった。




おお、、、、、、、



お ぉ 、 、 、 、


次の日、まるか農園でまさかの経験をすることになる。
こんな経験人生ではじめてなんだが。。。。。




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