《元MTGガチ勢がポケカのシールドを本気でやり込んでみた》
初めまして、ワンチャンスと申します。今回はポケモンカード(以下ポケカ)のミュウツーHR争奪戦に向けて、シールドの練習を友人と二人でやり込みました(5BOX計10セット分を検討しました)。その結果、友人はトップ4、私は準優勝と惜しくもミュウツーのHRは獲得できませんでしたが、二人ともSRを獲得することができました。また、翌週にも運良く当日枠で大会に再び参加でき、そこでもミュウツーをかくとくできましたそして、大会やTwitter等を見たところ、我々が練習で得た情報は有用だと思いましたので記事にすることにしました。よろしければ最後までお付き合い頂けると幸いです。よろしくお願いします。
今回の記事は次のような構成となっております。
0.自己紹介
私はポケカの大会参加は構築戦を含めて今回の争奪戦が3回目であり、ハッキリ言って初心者です。一方で、Magic The Gathering(以下MTG)は長年本気で取り組んで来まして、プロツアーという世界大会へ参加したり、2000人規模のグランプリと呼ばれる大会で何度も賞金を獲得しました。MTGはポケカよりもシールド戦が盛んに行われており、私はそのシールド戦を最も得意としています。そんな私ですが友人であり今回のシールド戦練習のパートナーであるガバ氏に、MTGで培ったシールドのテクニックを生かしてポケカのシールド戦をやってみないか、と誘われてポケカのシールド戦にガチで挑戦することにしました。
1. 環境定義
初めに環境の定義をします。環境の定義とはこのシールド戦における共通認識を定めることです。例えばどんなカードやデッキが強いのか、どのようなゲーム展開になるのか等です。環境定義が無いとカードを絶対的に評価するしかなく、実践的な評価ができません。
このシールド戦の定義は非常に簡単です。フシギバナ&ツタージャGX、リザードン&テールナーGX、カメックス&ポッチャマGXの3種類のTAG TEAMです。
環境を定義するポケモンたち
彼らはほとんど全ての非GXポケモンを一撃で倒せるだけの打点を持ちつつ、弱点抜きでは一撃で倒されないだけのHPを持ちます。もちろん倒された場合はサイドカードを3枚取られるというデメリットはありますが、弱点抜きで倒しきることは至難の技です。基本的に大会に参加される人全員が、パックから出たTAG TEAMを中心にデッキをくみ上げます。したがって、相手のTAG TEAMに対抗できるデッキを組み上げる必要があります。つまり、個々のカード評価は相手のTAG TEAMに有効かどうかが非常に大きなポイントとなります。相手のTAG TEAMに対抗する方法は主に2つあります。
<方法1 相手の弱点を突く>
弱点を突けば相手のTAG TEAMを処理することは可能です。特に、TAG TEAM同士は弱点を突くと一撃で倒せるようにデザインされているため、簡単に倒すことができます。また、非GXポケモンであっても弱点を突ければどうにか相手のTAG TEAMに対抗することができます。したがって、相手のTAG TEAMの弱点を突ける可能性のある草、炎、水タイプのポケモンの評価は高く、相手のTAG TEAMの弱点を突けない超、闘、悪のポケモンの評価は低く見積もることになります。
<方法2 アローラペルシアンGXを使う>
アローラペルシアンGXは特性ドヤがおによってTAG TEAM、ウルトラビースト、特殊エネルギー付きのポケモンから、わざのダメージや効果を受けません。そのため、TAG TEAMに対しては強烈なカウンターとして環境に存在します。また、相手が非TAG TEAMだったとしてもアローラペルシアンGXは一撃で沈むこともほとんど無く、逆に多くの非GXポケモンを一撃で倒せます。このように、アローラペルシアンGXは対策してないと簡単に負けてしまうため、アローラペルシアンGXはパックから出れば基本的に採用し、アローラペルシアンGXに対抗できるカードの評価も高く見積もることになります。
ところで、環境定義にもう一点付け加えたいことがあります。それは環境のエネルギー加速です。この環境はエネルギー加速が少ないことが特徴なので、エネルギーをつけるポケモンは慎重に選ばなければなりません。実際の試合では5ターンもあれば大勢が決してしまうことがほとんどなので、合計5枚分のエネルギーを効率的に使用する必要があります。優先してエネルギーを付けたいポケモンは当然GXポケモンになりますので、非GXポケモンの中では少ないエネルギーで高いパフォーマンスをもつカードの評価は非常に高く、逆に多くのエネルギーを必要とするポケモンの評価は非常に低くなります。また、当然ながらエネルギー加速関係のカードの評価はとても高くなります。
少ないエネルギーで高火力
わざやにげるためのエネルギーが多いカードは厳しい
エネルギー加速は強力
以上で環境定義は終わりです。まとめますと、TAG TEAMに対抗し得る草、炎、水ポケモンやアローラペルシアンGXの評価は高く、アクションに必要なエネルギーの少ないポケモンやエネルギー加速は重宝されます。本当は一撃で出せる技のダメージの分布や逃げるためのエネルギー(以下逃げエネ)等も検討したのですが、記事として長くなりすぎるため省略します(ちなみに一撃出せる技の基準は120までで、逃げエネは中堅のポケモンでは2個以上が多いです)。
2.全カード評価
それでは、環境定義を行ったことで強いカードの定義もできました。これに従って各タイプのカードの中から有用なカードを見ていくことにします。一応カードの強さの目安としてS、A、B、C、Dの5段階評価をつけていますが、他に採用されているカードによって評価は上下します。あくまで参考程度に留めてください(評価の高い順にカードを入れればデッキになるというわけではないです)。
S:デッキ構築において大きく影響します。極端な話、全タイプの中からS評価のカードが多い色を選べば大丈夫です。
A:デッキ構築に影響するほどではないが、タイプがあっていれば必ずデッキに入るライン
B:デッキのバランスを考慮して採用するかどうか選ぶライン
C:なるべく採用したくないが他のカードとの噛み合いで採用することもあるライン
D:採用することは稀
それでは早速順に見ていきます。
<環境の王者 草タイプ>
全ポケモン中最強のモジャンボとお手軽エネルギー加速であるトロピウスを有する草タイプは環境の王者と言っても過言ではないでしょう。
No.1 フシギバナ&ツタージャGX 評価S
3種のTAG TEAMの中でも特性「かがやくつる」のおかげで器用に立ち回ることが可能です。フシギバナ&ツタージャGXを育ててる間は逃げエネや、わざに必要なエネルギーが多いポケモンをバトル場に引きずり出し、育ちきったら相手が育ててるポケモンを引きずり出して倒す。多少のダメージもわざ「ソーラープラントGX」で回復できるため非常に強いカードとなっています。そして見逃せないのがメインわざであるわざ「フォレストダンプ」の要求草エネルギーが一つということです。これは、フシギバナ&ツタージャGXを炎メインや水メインのデッキに組み込むことが容易であることを示します。
注:以下この記事では、メインのタイプ以外のカードを少しだけ(2,3枚)デッキに混ぜることをMTG用語である「タッチする」と表現します。例えば炎タッチ草という表現をすると炎メインのデッキに2、3枚と少しの草エネルギーを加えることを示します。
No.2モンジャラ、No.3モジャンボ 評価S
個人的にGXまで含めた全ポケモン中最強なのがこのモジャンボだと考えています。進化前のモンジャラですら、相手の逃げエネが低くないことと相まってそれなりの打点を見込めます。そして、モジャンボに進化すれば本領発揮です。わざ「くさむずび」はたったの1エネルギーで70、100ダメージが見込めます。さらに、HPが140とアローラペルシアンGXのわざ「つめできりさく」すら耐えます。まさに最強の名にふさわしいポケモンだと思います。ちなみに、強烈なカウンターカードとしてキテルグマが居ることは忘れないようにしましょう。
No.4 ヘラクロス 草デッキなら評価C それ以外は評価B
タイプは草ながらも注目すべきわざであるわざ「なにくそホーン」は無色だけで使用できるためどんなデッキにも採用可能です。弱点込みでもカメックス&ポッチャマGXを一撃で倒せない点に不満が残りますが十分な打点が見込めます。ただ、わざに必要なエネルギー、逃げエネがともに3個と非常に重いので気軽に使用することはできません。デッキに草タイプが無いかつ、なにかしらエネルギー加速が可能であるという条件なら採用を検討してみてください。
No.5 トロピウス 評価S
お手軽にエネルギー加速が可能なわざ「こうごうせい」を持っています。HPが120と壁役としては十分であり、その補助能力を長く使用できます。ヘラクロスやゴロンダのような無色エネルギーを大量に要求するカードを育てるのに最適です。弱点を突ければ打点も十分なので、水ポケモンには攻め札としてカウントすることも可能です。トロピウスを採用するときはデッキ内に十分な草エネルギーを用意する必要があります。少なくとも5枚、できれば6枚以上採用するようにしましょう。
No.6シキジカ No.7メブキジカ 草デッキなら評価C それ以外は評価D
優秀なドローサポート能力を有するメブキジカですが評価は辛めです。理由はドローしたカードを盤面に還元する手段が乏しい環境であることと進化ポケモンであることです。ポケカはカードを引いても盤面に還元することが難しいゲームです。そのため、ドローサポートによる恩恵はデッキが安定するという点がほとんどを占めています。しかし、メブキジカは進化ポケモンであり、揃えるためにドローやサーチを使用することになりがちです。安定化のためにドローやサーチを使用することは本末転倒です。一応、わざが打てるならトリッキーな動きは可能なので草デッキなら採用することもあるかもしれません。
<王者へのカウンター 炎タイプ>
環境王者草タイプにマウントを取れるのが炎タイプの一番のメリットです。草タイプが流行ることを見越して積極的に使用するのもよいでしょう。
No.8 リザードン&テールナーGX 評価S
リザードン&テールナーGXの最大の特徴はわざ「ぐれんのひばしらGX」にあります。序盤からローラースケーターなどでトラッシュに送ったエネルギーを使って無理やり加速したり、ゲーム中盤に出てきていきなり育つなどいつ引いても強いです。また、わざ「シャイニーフレア」でカードをサーチできるため、一度わざを放つとゲーム終了までのプランを容易に立てることが可能です。ちなみにフィオネと合わせることでアローラペルシアンGXと対峙しても戦えることも特徴です。
No.9ポニータ、No10ギャロップ 評価A
ポニータはわざ「ちいさなおつかい」によってデッキの安定化に寄与します。タッチも容易になることでしょう。また、進化したギャロップは環境唯一の逃げエネ0なので非常に使いやすく、わざ「かけぬける」はバトル場に壁を立ててベンチを育てるという戦略に対して有効に働きます。
No.110月 エンテイ 評価A
エンテイはHPが130あるため一撃で落ちにくいという特徴をもちつつ中堅クラスの火力をだせるのが特徴です。基本的にベンチにエネルギーを一つ付けて待機させておき、わざ「まきかえす」でにらみを利かせる形になります。一応、わざ「ほのおのたてがみ」があるので先手をとれればアローラペルシアンGXを倒すことも可能です。
No.12 ビクティニ 評価D
ベンチのポケモンを回復させる能力を持つポケモンですが、環境にあるポケモンの逃げエネが重く気軽にベンチに戻せないので、有効に使える場面はほとんどありません。
No.13ポカブ、No.14チャオブー、No.15エンブオー 評価C
エンブオーは特性「ばくねつえんぶ」によって貴重なエネルギー加速が可能なポケモンなのですが、残念ながら2進化ポケモンは現実的ではありません。また、特性「ばくねつえんぶ」もランダム要素なので事前にいくらかエンブオーにエネルギーを付けておかないとすぐにわざを打つことはできません。総じて使いにくいカードですが、爆発力は凄いのでドローサポートやサーチがたくさんあるプールなら採用することもあるかもしれません。
<風向きは向かい風 水タイプ>
水タイプは王者草タイプに弱点を突かれるだけでなくGX以外も使いにくいカードが多いです。全体的にメインに据えづらくなっています。
No.16 カメックス&ポッチャマGX 評価S
TAG TEAMの中では唯一エネルギー3つでわざを打てるつのが最大の利点です。一度わざを打つと回復とエネルギー加速を同時に行えるため多少弱点を突かれても戦えますし、ベンチに第二陣を準備できます。そのためにも、カメックス&ポッチャマGXを採用する際には多めに水エネルギーを採用するようにしましょう。
No.17コダック、No.18ゴルダック 評価B
ゴルダックはわざ「エネループ」がエネルギー2つで80ダメージと中々の高火力なのが利点ですが、連打することは難しいので使いにくいです。炎タイプには滅法強いので必要に応じてサーチするようにしましょう。
No.19ホエルコ、No.20ホエルオー 評価D
GX並みのHPがありますが、逃げエネ、わざに必要なエネルギーともに重く非常に使いづらいです。メリットのHPも草相手には一瞬で吹き飛びます。一応リザードン&テールナーGXをわざ「ハイドロスプラッシュ」で一撃で倒せますが、水タイプ相手にリザードン&テールナーGXを出す人はあまりいないので限定的すぎるでしょう。
No.21カイオーガ 評価A
水タイプのエネルギー加速担当です。リザードン&テールナーGXのように墓地からエネルギーを拾うタイプなので、中盤以降は倒されたポケモンのエネルギーを回収できるため有用です。
No.22フィオネ 評価A
水タイプですが特性「ひきよせのうず」が強力なので全てのデッキに入ります。環境のポケモンの逃げエネが重めに設定されている関係で、意識していないとフィオネが致命的に刺さる場面も多くあります。最低でも1枚は採用したいです。
<超タイプ>
非常に高性能のズガドーンとロトムを有する超タイプですが、他のカードは採用に耐えないものばかりなのが厳しいです。また、環境定義で述べたようにTAG TEAMの弱点を突けないので超、闘、悪をメインに据えるのはやめたほうがよいでしょう。
No.23ヨマワル、No.24サマヨール、No.25ヨノワール 評価C
2進化ポケモンですがヨマワルの特性「ひとだましんか」のおかげで実質1進化ポケモンとして扱えます。ヨノワールは非常に強力に見えるのですが、フィオネで簡単に対策されてしまうこと、サマヨールがサイド落ちしていた場合を考えると採用しないほうが無難でしょう。ただ、リザードン&テールナーGXやカイオーガが2枚以上あれば、エネルギーをトラッシュする手段としてヨマワルを単体で採用することがあります。
No.26ロトム 超デッキなら評価A、それ以外は評価C
エネルギー加速を行えるわざ「エネアシスト」が使用できるなら十分強力なカードです。カイオーガと同様に中盤の加速に役立ちます。ただ、わざ「サイクルドロー」を期待して超デッキ以外で使用するのは力不足です。
No.27ボクレー、No.28オーロット 評価D
オーロットのわざ「シャドーインパクト」は多くの非GXポケモンを一撃で倒せるため強力なのです。しかし、TAG TEAMに対しては力不足なので、進化ポケモン、要求エネルギーが多いということを加味すると使用するのは難しいでしょう。
No.29ダダリン 評価D
非GX種ポケモンとしては中々の打点を出せますが、オーロットと同様にTAG TEAMに対抗できないのは厳しいです。
No.30マーシャドー 評価D
トリッキーなわざ「かげまね」を持っていますが、必要エネルギーが多く相手依存のカードであり、HPも低いことから使用することは難しいでしょう。
No.31ズガドーン 評価S
バトル場とベンチ関係なくダメージを割り振れるわざ「デプスボム」は非常に強力です。これで相手のTAG TEAMにダメージを乗せておき、後から弱点を突くことで一撃で倒す動きはプランを立てやすく強力です。普段はベンチにエネルギーを1つ付けておくことで、相手は簡単にバトル場のポケモンを倒せずに主導権を握りやすくなります。忘れやすい注意点としてアローラペルシアンGXには完全に無力なので気を付けましょう。
<闘タイプ>
アローラペルシアンGXの弱点を突けるのが闘タイプの最大の利点ですが、単純に強力なカードが少ないのでデッキのメインに据えることは難しいでしょう。
No.32グラードン 評価C
少し使いづらいですがエネルギー加速できるわざ「ひでり」は強力です。しかし、他の闘タイプのポケモンに強力なカードが少ないため、デッキに闘エネルギーをたくさん採用できずわざ「ひでり」も十分な力を発揮できません。また、弱点が草タイプなのが致命的です。
No.33ナゲキ 評価C
エネルギー2つで120のダメージを出せるわざ「ぎゃくぜおい」は中々強力ですが、環境の逃げエネが重いので条件は厳しめです。アローラペルシアンGXを一撃で倒せそうに見えますが、先手を取られた場合アローラペルシアンGXのわざ「ストーククローGX」でベンチにいても一撃で倒されるため注意が必要です。
No.34ヤンチャム、No.35ゴロンダ 評価B
最大の特徴はわざに闘エネルギーが必要無いことです。つまりどのようなデッキにも採用可能です。特にアローラペルシアンGXに対抗する術を持たないデッキでは採用を検討しましょう。
No.36マケンカニ、No.37ケケンカニ 評価B
ケケンカニは特性「かたいこうら」のおかげで実質のHPは200以上とホエルオー以上の硬さを有しています。わざ「ひょうけつパンチ」も条件は厳しいながら一度打てるようになると非常に強力です。ただ、環境の水タイプ、闘タイプが弱いためこれら2種類をメインに据えたデッキを組みづらく他のエネルギー加速の恩恵も受けづらいことからデッキに組み込むことは容易ではありません。一度育ち切ると凄まじい強さを発揮するのでパックによっては狙っても良いでしょう。環境が違っていれば最強の座についていたかもしれないだけに惜しいです。
No.38ナゲツケサル 評価B
ドローサポートであるわざ「スパイクドロー」は強力です。カード性能としては十分強力なのですが、如何せん闘タイプが弱いためメインに据えづらくデッキから抜けることもしばしばあります。
<悪タイプ>
環境を定義するレベルのアローラペルシアンGXを有する悪タイプです。中々優秀なカードもあるのですが、カードパワーがもう少し欲しいところです。
No.39アローラニャース、No.40アローラペルシアンGX 評価S
既にこのカードの強さは環境定義で述べたため詳しくは書きませんが、環境を定義するTAG TEAMに対する強烈なカウンターです。対策も容易ではなくタッチもしやすいのでパックから出たら基本的に採用しましょう。ちなみにアローラニャースのわざ「いばる」は、ゲームの勝敗を決めるほど重要な場面もあるので忘れないようにしましょう。
No.41アローラベトベター、No.42アローラベトベトン 評価A
アローラベトベトンはわざ「パニックどく」が相手に50ダメージを与えつつ状態異常にするため非常に強力です。特に、こんらんはどれほど負けてる場面も1/2で逆転できる可能性も秘めています。アローラペルシアンGXのお供に最適です。
No.43アブソル 評価A
このカードは基本的に相手のウィークガードエネルギーをはがすためのサポート用ポケモンとして使用します。相手のTAG TEAMにウィークガードエネルギーが付くと倒すのが非常に困難となるので1枚は採用したほうがいいでしょう。
No.44コマタナ、No.45キリキザン 評価D
特筆すべき点もなく採用することは無いでしょう。
No.46アクジキング 評価D
わざ「レッドバイキング」は非常に夢あふれるカードですが現実は非情です。逃げエネも重くうまく使うのは難しいでしょう。
<ノーマルタイプ>
数は少ないですがどれも優秀なので積極的に採用していきましょう。
No.47ザングース 評価A
わざ「ざんこくなやいば」が非常に優秀でアローラペルシアンGXを倒すときによく使います。とりあえず1エネルギーだけつけてベンチに待機させることで相手にプレッシャーを与えます。優秀なのですが序盤は使わないため2枚以上パックから出ても1枚だけ採用すれば十分です。
No.48ヌイコグマ、No.49キテルグマ 評価A
サポート用ポケモンとしての評価です。キテルグマの特性「キャリーラン」は逃げエネが重たいという環境定義を覆します。これがあるだけで場とベンチの入れ替えがスムーズになりゲームの主導権を握ることができます。また、最強ポケモンモジャンボに対する強烈なカウンターにもなります。
<トレーナーズ>
トレーナーズカードはほとんどが優秀なので積極的に採用していきます。また、ここからの評価は強い順にS~Dとしています。
No.50エネルギー回収 評価C
トラッシュからエネルギー加速するカードと相性が悪くカード自体も中盤以降しか使えないため効果的に使用できる場面は限られています。カメックス&ポッチャマGXとの相性は良いので、カメックス&ポッチャマGXとセットなら採用することもあります。
No.51エネルギーつけかえ 評価A
バトル場のポケモンに付けることで疑似エネルギー加速をしてわざを打ったり逃げエネを供給する奇襲用のカードです。使えた場合の効果はかなり高いので積極的に採用したいところですが、使える場面を少々選ぶため2枚目以降の採用は慎重に検討しましょう。
No.52グレートキャッチャー 評価A
相手のGXポケモンをバトル場に引きずり出して先手を取るためのカードです。非常に高い奇襲効果を持っていますが、慣れてくるとGXポケモンを安易にベンチに置かないというプレイングが共通認識となってきますので手札で腐ることも多いです。1枚目は無条件に採用しても良いですが、2枚目以降はしっかりと検討しましょう。
No.53ポケモンいれかえ 評価S
逃げエネが重いという環境定義からもこのカードの有用性がわかります。状態異常回復にも一役買いますし、腐る場面がほとんどありません。いつでも手札に置いておきたいので複数枚出ても全部採用して良いでしょう。
No.54ポケモン通信 評価S
数少ないサーチカードです。このカードがあるか無いかでデッキ内に採用できる進化ポケモンの数も変わってきます。進化ポケモンが少なくともフィオネやアブソルをサーチするなど、いつでも有用です。あるだけ採用しましょう。
No.55アンズ 評価S
非常に使いやすいサポートカードです。難しく考えずに出たら出ただけ採用しましょう。
No.56オーキド博士のセッティング 評価S
メインアタッカーとサポート用のポケモンを一度にサーチできる優れもの。ゲーム後半でもフィオネをサーチする機会は多いので積極的に採用しましょう。
No.57ジャッジマン 評価S
手札をあらかた使い終えたら再び引き直しましょう。先手でうつと相手の動きが鈍くなることもあります。ジャッジマンについては5.プレイングのコツでもう少し解説します。
No.58 ローラースケーター 評価S
貴重なエネルギーをトラッシュに送る手段です。そうでなくともドローサポートして優秀なので積極的に採用しましょう。
No.59ウィークガードエネルギー 評価S
TAG TEAMが一撃で倒されなくなると勝利は目前です。このカードがあるか無いかでゲーム展開が大きく変わります。
No.60ドローエネルギー 評価B
一見採用したほうがよさそうに見えますがアブソルやアローラペルシアンGXといった明確な裏目もあり、特定のエネルギーを要求するカードが多いデッキの場合は採用しないことも多いです。見た目よりも採用は慎重に検討しましょう。
No.61ダートじてんしゃ 評価S
デッキを掘りつつエネルギーをトラッシュに送れるかもしれないカードです。採用しない理由も無いので喜んで採用しましょう。
No.62エスケープボード 評価S
基本的にはポケモン入れ替えの少し弱い版です。とは言っても十分強力なので是非採用しましょう。
No.63おじょうさま 評価A
ケケンカニやカメックス&ポッチャマGXなど特定のエネルギーを要求するカードと相性がいいです。それらのカードが無くともそれなりに有用なのでデッキから抜けることは少ないでしょう。
No.64溶接工 評価S
他の評価Sのサポートカードよりも1ランク上のカードです。炎エネルギーが無いと使用できませんが、これほど簡単にエネルギーを加速しつつドローも進めるのは非常に強力です。パックから出た場合はタッチでもいいので炎エネルギーを採用するプランを考えてみましょう。
その他1 格闘道場 評価C
URでしか登場しないため滅多にお目にかかれませんが、闘タイプのポケモンが弱いので評価は低いです。ポニータがありデッキの要求エネルギーが薄い場合は数枚の闘エネルギーと一緒に採用してもいいかもしれません。
その他2 エリカ 評価A
ミュウツーGX争奪戦の参加プロモとして配布され、ゲーム内で使用可能です。相手にも恩恵があるとはいえ貴重なドローサポートです。5.プレイングのコツでもう少し解説します。
3.デッキ構築のコツ
ここではデッキ構築の際に気を付けるべき点をまとめていきます。
<①自分のメインタイプの弱点を突いてくる相手を意識する>
デッキ構築ではあたったTAG TEAMを主軸にデッキ構築を進めることになります。しかし、メインのタイプを一つに絞ると相手のデッキが自分の弱点を突いてくる場合、非常に不利な戦いを強いられます。そこで、自分のメインタイプに対して、弱点を突いてくるカードの弱点を突けるカードをデッキに組み込むことをお勧めします。つまり、炎メインのデッキを構築した場合、水タイプに苦戦することになるので草タイプのカードを足しましょう。
<②アローラペルシアンGXに対するプランを持つ>
アローラペルシアンGXは対抗手段を持っていないと苦戦します。一応、フシギバナ&ツタージャGXは特性「かがやくつる」でベンチに引っ込めることができますし、リザードン&テールナーGXとフィオネでも同様のことができます。しかし、これらの対処法では相手のベンチに十分な数のポケモンが居ないと勝ちきれませんし、カメックス&ポッチャマGXではそもそも対抗するプランを持ちません。
対抗する方法としては一撃で100ダメージ以上出せるカードをザングースを含めて複数枚採用する、ゴロンダを採用するの2つがあります。構築時にはアローラペルシアンGXを出されても勝てるか考えて、難しそうならゴロンダを採用すると考えればよいでしょう。
<③各カードの配分>
デッキを作る際に気になる各カードの配分ですが次のように決めていきます。
ⅰ アタッカーとなるポケモンとトレーナーズを入れる。
ⅱ サポート用ポケモンを入れて残りを基本エネルギーで埋める。
ここで、エネルギーの総数が15枚を下回るようならサポート用ポケモンから削っていきます。また、ポニータやおじょうさまなどエネルギーをサーチできるカードを採用する場合、エネルギーの総数を14枚までなら減らせます。とはいえ無理に減らすことはないので15枚が下限と覚えて問題無いでしょう。一方でエネルギーの上限はありません。無理に追加した弱いポケモンよりもエネルギーの方が強い事がほとんどです。
<④3つ目のタイプを採用する場合は慎重に>
ロトム、ズガドーンやアローラペルシアンGXを採用する場合、3種類目のエネルギーを採用するケースが多いです。その場合、デッキ内の要求エネルギーに注意する必要があります。例えば、リザードン&テールナーGXとカメックス&ポッチャマGXを同居させるのはそれだけで容易ではなく、それに3タイプ目足すのは非常に難しいです。ポニータやおじょうさまによるサポートを入れるなど工夫しましょう。
4.デッキ構築の例
それでは実際のミュウツーHR争奪戦で私とガバ氏が使用したカードプールを例にとってデッキ構築例をお見せします。
<私のプール>
私のプールは次のようなものでした。
プールを見た第一印象としては
・リザードン&テールナーGXが2枚ありギャロップ、エンテイがある炎をメインに据える
・炎タイプに弱点を突いてくる水タイプに対抗するために草タイプからモジャンボ、トロピウスは採用したい
・リザードン&テールナーGXが2枚あることからリザードン&テールナーGXとヨマワルのコンボを狙うのも良さそう
ということでした。リザードン&テールナーGXしかないのなら、そこを生かす方向で考えました。次に注目したのは豊富なサポートカードに対して進化ポケモンが少ない点でした。これならメブキジカをサーチする余裕もありそうなのでメブキジカを採用することにしました。また、草タイプのダメージ原が少ないと感じていたのでメブキジカには打点も少し期待してました。最後にサポート用のポケモンからリザードン&テールナーGXと相性の良いフィオネを加えてデッキとしました。アブソルを入れるかどうか悩みましたが、他に削れる枠が無かったので今回は採用しませんでした。出来上がったデッキは次のようなものでした。
基本エネルギーは炎9草5です。デッキの評価としては、ウィークガードエネルギーがなく草タイプのダメージ原が少ないことからもカメックス&ポッチャマGXに非常に苦戦することが予想されるため、対戦相手次第では予選抜けも危ういというものでした。
実際の対戦では決勝までの6戦中5人にカメックス&ポッチャマGXを出されるという不運に見舞われましたが、モジャンボやリザードン&テールナーGXのわざ「ぐれんのひばしらGX」でこんらんにして貴重なターンを稼いで勝つなど、なんとか4勝1敗に留めることができました。他の1戦はフシギバナ&ツタージャGXとアローラペルシアンGX相手に、ヨマワルを絡めたリザードン&テールナーGXのブン周りで勝利を収めました。
デッキ構築の反省点としてはやはりメブキジカを採用すべきではなかったことです。これだけサーチを用いても安定して運用することは難しく打点も大きく出せないため、草タイプはモジャンボとトロピウスに絞ってもよかったのかなと思いました。代わりにサポート用ポケモンが多すぎるため採用を断念していたアブソルを採用すべきでした。
<ガバ氏のプール>
続いてガバ氏のプールです。なお、構築についてガバ氏から話を聞いて私がまとめました。
※本番ではカメックスがSRでした
今回のプールの第一印象は
・全てのGXがあり相手に合わせた動きが可能かもしれない。
・モジャンボ等の進化ラインが薄い上にポケモン通信が無いため進化ポケモンはなるべく絞る必要がある。
このことから、オーキド博士のセッティングと3枚のポニータで相手に合わせたタイプのGXポケモンを育てて戦うというコンセプトでのデッキ構築を目指しました。タッチのしやすいフシギバナ&ツタージャGXをメインアタッカーに据え、トロピウスでサポートします。炎タイプからはタッチ用エネルギーを調達するためのポニータとエンテイを、水タイプからはカメックス&ポッチャマGXを採用しました。今回のデッキでは水エネルギーの採用枚数が少ないためカメックス&ポッチャマGXは対リザードン&テールナーGX専用カードです。最後に、サーチが少ないため進化ラインを増やすか悩みましたが、アローラペルシアンGXとアローラペルシアンGX対策にゴロンダを採用しました。
実際に本番で使ったデッキがこちらになります。
エネルギーは草6水4炎2悪2です。このデッキの短所は進化ポケモンを絞ったため、GXポケモン以外で打点を出すことが難しく、グレートキャッチャーもなかったため先手を取りづらいことでした。デッキの強さとしては予選はどうにか突破できるが優勝までは難しそうという評価でした。
実際の対戦では5戦中4戦が草デッキだったため、カメックス&ポッチャマGXはあまり活躍しませんでした。勝った試合はトロピウスで加速したフシギバナ&ツタージャGXやアローラペルシアンGXを用いて、負け筋を潰しつつ攻め切りました。また、負けた試合は相手の先手ジャッジマンで手札が回らなくなり、ベンチにいたフシギバナ&ツタージャGXを引きずり出されて負けてしまいました。
反省点としては、今回のプールではポケモン通信が無く進化ポケモンを運用することが非常に難しかったので、アローラペルシアンGXを諦めるべきでした。代わりに、ロトムと超エネルギーを採用した方がデッキの上振れ値が上がるため良かったかもしれません。
5.プレイングのコツ
最後にプレイングのコツについていくつかまとめます。これらを意識するだけでも勝率はぐっと上がるので是非実践してみてください。
<①TAG TEAMを出す場合は慎重に>
TAG TEAMは非常に強力ですが、倒された場合のデメリットは致命的です。適当に出したTAG TEAMに対して弱点を突けるTAG TEAMを出されると常にグレートキャッチャーに怯えてプレイすることになります。相手のデッキタイプがわかるまでは手札に残しておくほうが無難です。
<②フィオネ、フシギバナ&ツタージャGXを意識する>
相手のフィオネで弱いポケモンを前に出すことになるとかなりのテンポロスになるため、逃げエネの軽いポケモンを1枚ベンチに置くようにしましょう。また、フシギバナ&ツタージャGXのケアは難しいですが、使う予定のない逃げエネが重いポケモンをベンチに出さないようにするだけでも違います。相手が草タイプの場合は場に無くとも、フシギバナ&ツタージャGXは意識しましょう。
<③ジャッジマンを意識する>
後手の際は先手でジャッジマンを打たれる可能性を考慮してベンチに出しそうな非GXポケモンは先に並べましょう。また、フィオネを手札に隠し持っていて奇襲を狙う際もジャッジマンが裏目になります。裏目のある奇襲効果はお勧めしないので、基本的にフィオネは使いそうなら先に出してしまいましょう。
<④ジャッジマン、エリカを打つ場合は直前の相手の動きを思い出す>
前のターンに相手の動きが弱かった場合、相手の手札にはエネルギーがダブついてる場合や進化ラインがうまく揃っていないことと予想されます。そこでジャッジマンやエリカを使用すると、相手に塩を送ることになりかねません。自分が引きたいカードが明確で無い場合は無理に打たないようにしましょう。
今回の記事は以上になります。元MTGガチ勢としてMTGの練習方法を生かして、ポケカのシールド戦を実践と理詰めの両方から練習しましたが、二人で練習してポケカ初心者である私を含めた二人ともSRを獲得できたことからも、調整結果の精度は高いのではないかと考えています。この記事が皆さんのミュウツーGX獲得に貢献できればこれ上なく嬉しく思います。ここまで記事を読んで頂き誠にありがとうございました。もし、質問等があれば対応いたしますので是非お願いします。ミュウツーGX獲得報告も待っています。それでは、また機会がありましたらどうぞよろしくお願い致します。
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