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作業療法の発展に必要なこと-起業して保険外に出るだけじゃダメ-

 今まで起業を志したきっかけに触れる際に、医療保険・介護保険における支援の限界やその限界を感じるからこそ起業に舵を切ったことなどを書いてきました。
 もちろんそれが一番良いと思ってやっているわけです。しかし、それが必ず”正しい”と問われると答えは”いいえ”です。私は必ず正しいことはこの世の中非常に少ないと思っています。例えば、進学でもそう。東大に行けば必ず将来が約束されるから他の大学に行くより正しいかと言われればそうではないと思います。その人その人にあった答えがあっていいと思っています。
 社会的にも多様性を受け入れる方向に動いています。色々なかたちがあっていいんです。

 そして本題。保険外に飛び出すという方法を選択する私ですが、作業療法にとって一番大事なことは医療分野での発展だと思っています。理由はいくつかあります。

 一つは、作業療法は”医療職”であるからです。
 作業療法はルーツをたどっても精神病患者への作業活動の提供、職能訓練にあります。つまり元来医療の領域でここまで発展してきた職業なのです。作業療法は医療領域以外でも活躍できることは近年の色々な方々の頑張りによって証明され始めています。建設関係やファッション、今では活躍の場は多岐に渡っています。
 そういった様々な場で活躍する人たちも作業療法士であり根本は医療職なのです。なので医療以外で作業療法に興味を持ってくれる方がいたとしても、蓋を開けてみて医療現場では実績が薄くてはそれこそ他領域でも発言力は小さくなりますし、説得力も無くなってしまいます。

 私は大学院の修士課程を修了しました。それを通して研究の難しさ、作業療法の時を進めることの労力を学びました。しかし同時にすばらしい作業療法士がこの世の中にたくさんいること、そしてその方達が凄い勢いで研究を進めていることも知ることができました。なので私は本業を研究にはせず(もちろん研究も続けますが)、起業に邁進することを選択しました。


 医療領域での発展が大事である二つ目の理由はマンパワーの問題です。前述しましたが作業療法士は医療職であり、つまり作業療法士になるということは医療領域で働くことを考える人が圧倒的に多いということです。
 そこで医療領域で十分成熟していないクラスターであった場合、せっかくの作業療法士のマンパワーを無駄にしてしまいます。もしかしたらそこから新しい可能性が世の中に出ていたかもしれない、そんな可能性の芽を育てられる環境が必要です。そういった環境作りが結果的に作業療法の医療以外での発展につながると考えます。


 本日は結局作業療法は医療職というお話をしました。この考えも数年後には全く変わっているかもしれないし、すでに医療の壁を超えた考えをお持ちの方もいると思います。両方の立場から作業療法の発展に尽力できると素晴らしいですね。

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