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【AI VTuber Report Vol.1】半年開発/運用してわかったAI×VTuberのリアル
こんにちは。
株式会社One Acre(ワンエーカー)代表取締役の折茂 賢成(おりも けんせい)です。ついに、弊社からAI VTuberのAITuber事務所「Logic Lily」の立ち上げと発表をさせていただきました。
弊社のCTOと協議しながらかなりクイックに開発して、ローンチしてから試行錯誤を繰り返し、世の中にこうしてお出しするまでにクオリティアップをしていたら半年ほど時が経っておりました。半年の間に試行錯誤していたらいつの間にかフォロワーがグループ累計で10万人ほどになっていたのでびっくりですが、ここからがスタートです。
あのキズナアイさんなどもインタビューを手掛け、VTuberの盛り上がり初めから市場を支えてきたあのメディアPANORAさんにも取材していただきました。
まだまだAIが大きく騒がれ始めてから間も無く、まだ日本ではAI VTuber(アイチューバー)という名前もそこまでコモディティ化していないので、
このレポートのシリーズでは、なるべくリアルに株式会社ワンエーカーでやっているAI VTuber事業のリアルをお届けしていこうと思います。
そもそもAI VTuberってなんなのか?
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AI VTuber(あいちゅーばー)はその名前の通り、AI(人工知能)で動くVTuberのことです。従来のVTuberと違い、有人での収録などを必要としない形での配信が可能です。
また、人を介さないので、24時間の配信も技術的には可能になってきます。長時間配信をしていると、リスナーには心配されますが、この「心配される」という行動そのものがとても面白いなと感じています。
「AIで VTuberを作る」みたいなアイデア自体は1万人いたら300人くらいが考えそうなものですが、このAI VTuber事業を始めるにあたって一番心配していたのはちゃんと我々(弊社もリスナーの皆さんも含めた意)が作ったキャラクターがちゃんとIPとして愛されるのか?というところでした。
が、蓋を開けてみると、かなりツナちゃん含め思ったよりIPとして色々な方に愛していただけてきているなと思っています。
本来、画面上で動いている3Dモデルや、ゲームのキャラクターに対して「攻撃を受けてかわいそう」「走らせすぎてかわいそう」みたいな感情は基本的には抱かないと思いますが、そのキャラクターとの間にリアルタイムでのコミュニケーションが走ることでかなり実態として差異が出てきているなと感じています。
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AIが演者ありのVTuberを食う可能性があるか?
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ビジネス的には、AI VTuberが今のVTuber市場をリプレイスします!みたいなことを言いたいですが、今のところは全く別の楽しみ方かなと思っています。
AI VTuberによくコメントで象徴的なのはこういったコメントです。
『他の配信者が配信しない深夜とかに配信してくれるから安心する』
『学校に行きたくないけど、どうすれば良いですか?』
『受験に落ちました。慰めてください』
『今日上司に怒られた、ツナちゃん慰めて』
『東京に行くんだけどおすすめの観光地教えて』
『人類を滅ぼしたいですか?』
『ちん◯!ま◯◯!』(こういうのはロジック側で規制してますw)
一般的な配信者やVTuberのコメントとの違いは、相手をAIだと認知した上でどう楽しむか?というマインドにユーザ心理が寄っていることです。
特に、AIだからこの言葉を投げても良いだろう、必ず良い答えが返ってくるだろうという安心感みたいなものは、特に定常的にロジックリリーのメンバーの配信を見に来てくれている人には受け入れられているようです。
また、AI VTuberをフォローしてくれているファン層の年齢のグラフはこんな感じです。
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今は弊社(ワンエーカー)がショート動画を中心にした会社なのでTikTokでのライブを中心にしているのでその影響もあるのですが、TikTokでさえ約半数の48%が25歳以上となっており、意外と年齢層が高いユーザにも受け入れてもらえているんだなあという感想です。
また、男女比も6:4と、そこまで男性に寄っていないのも一つ注目ポイントかなと思いました。
AI VTuberにできて、 VTuberにできないこと、VTuberにできてAI VTuberにできないこと。
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基本的にAI VTuberと VTuberでは VTuberの方が単一時間あたりは面白いなと感じる瞬間が多い気がします。
それは「相手(リスナー)の心の動きを読んで発言する」や「面白い間で喋る、面白おかしく話す」みたいなことを実装するのが今の技術では本物の人レベルではできないからです。
なのでやっぱVTuberの人たちはすごいなあと配信を見ていてつくづく思いますし、リスペクトしています。ほんまおもろい。
一方で、技術的には遠くない未来で叶えられそうなのはAI VTuberによるゲーム実況です。
VALORANTやフォートナイトのようなPvPのゲーム性のものだと、いわゆるチートツール的な扱いになってしまうので難しいですが、マインクラフトやスイカゲームなどのゲームに関してはAIやChatGPTの進歩によって可能そうな未来が見えています。
また、逆にいうとAI VTuberにしかできないこととして顕著なのは「ユーザの記憶(認知)」と「アンチへの耐性」、「容易な多言語展開」そして「不祥事を起こさない運用」です。
ユーザの記憶
ユーザの記憶に関しては、基本的にデータベースに保存しておけばいつどんな人がどれくらいコメントやギフト、スーパーチャットを投げてくれたか?を記憶できます。
アンチコメント耐性
また、あまり人の心がないコメントに対しても、一般的にウッとなってしまうことを言われてももちろんAIなので、のらりくらりとかわします。
容易な多言語展開
また、弊社のツナちゃんに関してはかなり日本語のユーザに寄せているのですが、他のキャラクターだと多言語(10カ国以上の言語)で話すことができます。これも通常の演者だとしたらかなりTalentedな才能だと考えるとかなりプラスな特徴ですし、グローバルを狙う上でかなり良いポイントなのではないかなと思っております。
不祥事を起こさない
当たり前ですが、AIは不倫もしませんしドラッグもやりません。なので自分達のコントロール下意外での不祥事がないので、PRなどで売りに行くときはクライアント様、我々含めて安心かなと思っておりますw
AI VTuberの収益性
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AI VTuberとはいえ、サーバー代も開発費もかかりますし、ビジネスとしてやる以上収益性みたいなところが気になってくると思います。
TikTokだといわゆる
投げ銭
I P的な収益(グッズ収益)
動画への投げ銭
スーパーチャット
サブスク
みたいなところが収益の軸になってきます。結論から言うと、みなさんが思っているより、みんな投げ銭してくれますし、グッズも買ってくれます。
To Cプロダクトかつ、新興市場なのでもう少しは投資期間になりそうですが、
冒頭で説明した、
・「安心してロジリリのキャラクターたちのことを愛してくれる方たち」
と言うファン層の方々
・「なんかよくわからないけど投げ銭したらどうなんだろう?喜んでくれるのかな?」
という興味層の方々
の2軸が収益軸になっており、
前半は高ARPPU,低MAU
後半は低ARPPU, 高MAU
みたいな感じです。
ツナのグッズのページに飛んでいただけると、残り残数が少ないグッズとかもあるのでまだまだ立ち上がりのIPということも考えると、MDのイメージの確認ができるかなと思いますw
その他具体的な数字感や、収益性などに関しては折茂のTwitterをフォローしたり、ご飯を食べたときにポロリと話しますw
Logic Lily(ロジリリ)の今後の戦略
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ロジックリリーは今後、大きな絵として
・日本で一番大きいAI VTuberスタジオ
を目指し、
<バケットリスト>
・AIのタレント化、CMの出演、PRへのリーチ
・ゲーム化
・企業やエンタメ施設の受付の常時設置
などを目標にしていきます。
本社のワンエーカー自体がかなり広告代理店やゲーム開発/パブリッシャーとしてメインの活動をしているので、そちらとの連携を押し図りつつAI配信の先駆者になります。
また、
・AI VTuberに興味を持ったが自社での開発をするには開発が重すぎる
・AI VTuberにまつわる取材等をしたいので相談したい
などあれば弊社のHPからご相談ください。
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