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10月14日 かくて奇跡のりんごは実った

「1日1話,読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書」より,りんご農家の木村秋則さんです。

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「絶対不可能」と言われていたりんごの無農薬・無肥料栽培。それを世界で初めて成功させたのが木村秋則さんです。地域の人や親戚から反対され,「かまど消し(家を潰す)」と陰口を言われ,約10年間,無収穫無収入という壮絶な苦悩の先に「奇跡のりんご」が実ります。

致知出版社のWebサイトはこちら。
りんご畑に奇跡の花が咲いた——木村秋則さんの初志貫徹の精神
UR都市機構のこちらの記事も是非読んでほしい。
「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則氏に学ぶ、奇跡を起こすためのヒント

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 しばらくさまよい歩いて,この辺がいいなと思い定めてロープを投げたら,見事に外れて草の中に埋もれてしまいました。(中略)りんごの木だと思ったのは,実はドングリの木だったんですが,虫はほとんど付いていないし,葉の一枚一枚の厚みが違う。人が手を加えない山奥で,どうしてこんなに元気に育っているんだろうと不思議に思いましてね。辺りを見ると,草が自由に伸びていて,根元から何ともいえない土のいい匂いがするんです。そこの土をほじくってみて「これだ」って直感しました。

 このドングリの木の元気の源が土であることに気が付いた木村さんは,山の土と同じ匂いを目指して土壌改良を進めます。それから2年後,たった1本だけど7つの花を付けました。

 そしてその翌年でした。隣の畑の主人がやって来て言うんです。「木村,見たか。早く畑に行ってみろ」って。すぐに女房と家を飛び出しましたが,畑には怖くて行けません。隣の畑の小屋から恐る恐るのぞいた途端,真っ白な色が目に飛び込んできました。りんごの木たちが競うように花を咲かせ,畑は白一色に覆い尽くされていたんです。

 木村さんが無農薬・無肥料の栽培に取り組んで10年目。この年に初めて摘果することができたのです。

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 これだけだと「りんごが元気になるには,土が大事だった」ということなので,「人間も,土台とか根っこが大事」という話で終わってしまいそうなのがもったいない。それだけではないので,是非上で紹介した致知の記事だけではなくUR都市機構の記事を読んでほしい!

 なぜ,木村さんは10年間,信念を持ち続けることができたのか。UR都市機構の記事の中で,

『やらなきゃ失敗なのか、答えなのかわからない』

と木村さんは述べている。「いろんなことを試行錯誤してやったけど、すべてが失敗だった。でも初めから答えが無いものだから、やらなきゃ失敗なのか、成功するのかわからないわけよ。失敗しても、去年失敗したところをいろいろ反省すれば、またいろいろなアイデアが出てくるんだ。」とある。
 木村さんは「必ず答えはある」という信念を持って取り組んでいた。たくさんの失敗の先に答えがあることを知っている。だから,失敗を恐れないのかもしれない。

「必ず答えはある」
 コーチングの「答えはクライアントの中にある」と一緒だと思った。
 「必ずりんごのなかに,答えはある」。この姿勢が,りんごの木に起こった小さな変化を見逃さず,小さな良い変化に気づかせてくれたのだと思う。自分の思い込みや決めつけではなく,クライアント(=りんごの木)の言葉や様子をしっかり観察する。そのうえで,良いと思うことを実行していく。

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ちなみに,木村さんの「奇跡のりんご」は,腐らずにしぼんでいくそうだ。本当に不思議。

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