見出し画像

10月15日 トヨタの技術者が繰り返してきた言葉

「1日1話,読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書」より,OJTソリューションズ専務の海稲良光さんです。
※肩書は『致知』掲載当時のものです。

・・・

本に載っているのとほぼ同じ文章が致知のWebサイトにありましたよっと。
トヨタの技術者が繰り返してきた言葉(海稲良光)

こういう言葉が受け継がれているってすごいことだなぁと思うのです。

・者に聞くな,物に聞け
・やってみせ,やらせてみて,フォローする
・あなたは誰から給料をもらうの?
・陸上のバトンリレーのようにやりなさい
https://www.chichi.co.jp/web/kaine_20210104/#

それぞれの言葉の意味や背景についてはリンク先にお任せすることにして,ここからは私がビビッときたところを書いていきます。

「者に聞くな,物に聞け」

監督管理の立場にある人は,部下からの情報に頼り切るのではなく,自分の目で見て,何か起きているかを掴まなければならない。
https://www.chichi.co.jp/web/kaine_20210104/#

私は,生徒の指導も,化学実験も,「自分の目で見たことを信じる」と思っているので素直に共感した。もちろん見に行けないとき,見ることができないこともある。だけど,伝言ゲームのように第三者を挟むことで真実がぼやけてしまったり,第三者のバイアスに染められた情報を受け取ってしまうことが怖い。

私たちは,生徒やクライアントにレッテルを貼っていないだろうか?
そのレッテルが間違っていなかったとして,果たしてその人が持っているのはそのレッテルだけだろうか?
人は複雑で,場面によって出てくる価値観や行動は違う。価値観がひっくり返る人だっている。
だからこそ,自分の目で見て,見たこと感じたことをとおして,人や物事と関わりたいと思う。

「やってみせ,やらせてみて,フォローする」

教えたことを本当に守り,実践するまでフォローすることが重要
https://www.chichi.co.jp/web/kaine_20210104/#

「やってみせ,やらせてみて,𠮟りつける」になっていないだろうか? とふと思った。というか「そういう人がいるよな」と思ってしまった。残念だけど。

例えば,生徒が「冬休みは英語を頑張りたい」という目標を立てたとする。
これを具体的にするために,
・何をどれくらいしたら「頑張った」と思える?
・それを達成するために,どれくらいの時間が必要?
・では,冬休み初日は,何をする?
などなど,計画と達成したイメージをつくる。
そして,冬休み明け。達成できていれば,「達成できたね」と声を掛ける。
もしも,達成できていなかったら…
あなたは何と声をかけますか?
どのような視点で話をしますか?
私だったら,
・100点満点ならば,何点を付ける?
・何ができない状況を作ったと思う?
などなど,出来たことに目を向けて,出来なかった要因を引き出して,次の行動に繋げたいと思う。

ここまで書いて思ったけれど,「叱る」とか「怒鳴る」って何か効果があるのかな。どんな効果があると思ってやっているのか聞いてみたい(怖くて聞けないけど)。

「あなたは誰から給料をもらうの?」

給料はお客様からいただいている,ということを出発点にすることで,品質やコストにも気を配ったお客様第一主義のものづくりが実践できるのです。
https://www.chichi.co.jp/web/kaine_20210104/#

この話を読んだときに思い出したのは,とある自治体の教員採用試験の面接での質問。
面接官「なぜ,教員や警察官は,罪を犯した時にニュースで名前が出ると思いますか?」
その面接官の方は,私たちが答えた後にご自分の考えを教えてくれた。
面接官「生徒は,教師を選ぶことができないからです。」

確かに。そう思った。
お店で売られている商品が気に入らなければ,次は買わなければよい。
返品することができるものもある。
でも,生徒にとっての学校生活は返品できない。
転校という選択肢もあるけれど,それを選ぶには大きなエネルギーが必要。

この質問は本当に印象に残っていて,私の価値観にも影響している。
この行動は,生徒の保護者の目の前でもできるか?
この発言は,生徒の保護者の目の前でも言えるか?
ありのままの感情が溢れそうなときほど,頭の片隅で「この行動/発言が生徒の成長にとって効果的か?」と冷静に考えている自分がいる。

もうひとつ。「子どもは社会からの預かりもの」という言葉がある。
社会や未来から預かった人を育てている。そういう考え方。

「あなたは誰から給料をもらうの?」という言葉は,いま作っている製品やパーツは,最終的にお客様のところに届くということを心がけて仕事をしているかを問うている。
学校ならば「あなたは何のために生徒を育てるの?」かな。
生徒の先にある生徒の家族・保護者や,生徒の未来があることを忘れずにいたい。私たちはそもそも何のために,どんな生徒を育てたいのかを見失わないようにしたい。

「陸上のバトンリレーのようにやりなさい」

バトンゾーンがあることで,自分の範囲を超えて仕事をしたり,アクシデントが起きた時には逆に助けてもらったりできます。お互いに自分の領域を少し超えながら,助け合ってリレーを走ることができるのです。
https://www.chichi.co.jp/web/kaine_20210104/#

複数の分掌で業務を行うとき。
体育祭や文化祭など,大きな学校行事を行うとき。
確かに,他の人のやっていることが見えているときのほうが,スムーズに業務が進むような気がする。というか,私は把握しておきたいタイプ。
本の中では,

ベテランから新人にバトンを渡す場合,ベテランはバトンゾーンのギリギリのところまで走って新人を助けてやればいい。
https://www.chichi.co.jp/web/kaine_20210104/#

バトンパスゾーンでしっかりサポートすることで,減速させない,むしろ加速させるイメージかな。
人事異動でまともな引継ぎもないまま仕事をするより,ベテランがいるうちに若手にバトンタッチして「のれん分け」ほうが安心だと思う。
今年,ベテランが分掌のチーフや学年主任から外れて,若手が任用されているうちの学校は,まさに「バトンパスゾーン」の一年間なのかもしれない。

・・・

というわけで,「トヨタの技術者が繰り返してきた言葉」をとおして私が感じたことを書いてみました。
しばらく更新が止まってしまい,果たして大晦日までに12月31日まで書けるのか怪しくなってきました。でも「終わらせることに意味がある」と開き直って少しずつ更新していきます。

そろそろ「なぜ,学校の先生にコーチングを知ってほしいのか」も書こうと思います。学校の先生でコーチングに興味がある方,コーチングを受けてみたい方はtwitterからご連絡くださいませ。

twitter:https://twitter.com/ko_yuki_unyanya

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?