9月19日 祈らない祈り 仕事は祈り
「1日1話,読めば心が熱くなる 365人の仕事の教科書」より,河井寛次郎記念館学芸員の鷺珠江さんです。
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陶芸家の河井寛次郎さん。陶芸だけでなく,彫刻,書や随筆などもたくさん残していらっしゃいます。今日は河井寛次郎さんの孫で,河井寛次郎金年間の学芸員を勤める鷺珠江さんのお話です。
河井寛次郎記念館
河井寬次郎の言葉と生き方 暮しが仕事。仕事が暮し。(DiscoverJapan)
河井寛次郎が残した言葉(致知出版社)
戦時中に灯火管制が敷かれ,一時作陶を中断せざるを得なくなった時,寛次郎はろくろを筆に持ち替えてたくさんの詞句を書き記しました。これによって寛次郎の精神性は一層深まりました。例えば,
「祈らない祈り 仕事は祈り」
という言葉には,寛次郎にとっての祈りは日々の仕事であり,仕事を通じて生かされていることへの感謝を表現していたことが窺えます。
「饗応不尽」という最後の詞句には,寛次郎の到達した人生観が如実に表現されています。
「無数のつっかい棒で支えられている生命
時間の上を歩いている生命
自分に会い度い吾等
顧り見ればあらゆるものから歓待を受けている吾等
この世へお客様に招かれて来ている吾等
見つくせない程のもの
食べきれないご馳走
ここままが往生でなかったら
寂光浄土なんか何処にあるだろう」
鷺珠江さんは,次のように述べています。
人生には困難がつきものですが,大局的に見ればすべてのことに意味があり,喜びをもたらしてくれることを寛次郎は教えてくれています。
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みなさんにとって,「祈り」とは何ですか?
「○○でありますように」「○○になりますように」といった「願い」という意味もあるけれど,ここで言う「祈り」は違うと思う。
適切な言葉が見つからないけれど,「願い」ではない気がする。
いや,「願い」だけではない,というのが近いかも?
生かされていることへの感謝。
毎日への感謝。
そしてそれが続くようにと願えることへの感謝。
河井寛次郎記念館には,陶芸以外の様々な作品を見ることができるようです。記念館に行って作品を見れば,寛次郎の「祈り」の意味がもっとわかりそうな気がしています。
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