8月27日 帰りがけの挨拶を見ておくように
「1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書」より,船井総研ホールディングス社長の高嶋栄さんです。
※肩書は掲載当時のもの。2021年3月より代表取締役会長,グループCEOに就任されています。
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船井総研グループの創業者である船井幸雄は,日本を代表する経営コンサルタント。現在CEOを務められている高嶋栄さんは,入社した年の12月に船井さんに呼び出され,「1月から俺の運転手をやるように」と指示を受けます。
「コンサルタントの仕事はその会社を深く分析してみないと分からないところがあるが,瞬間的に分かる部分もある。
それはそこの社長を見ること,社長の研究をするんだ」
このように言っていた船井さん。これを聞いた高嶋さんは「自分の入った会社を深く理解するには,社長の船井幸雄を研究するのが一番効果的」と考え,運転手研修から始まって,船井さんの生身の姿や膨大な著書を通して,「船井幸雄研究をやってきた」と振り返っていらっしゃいます。
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そんな高嶋さんが,船井さんから学んだこととして。
船井幸雄を訪問企業まで送っていく際,「これから行く会社はいい経営をしている。社長さんも素晴らしい。だから帰りがけの挨拶を見ておくように」
と言われることがありました。
すると,ほとんどの会社は私が車を出した後でも姿が見えなくなるまで見送ってくださるのです。
(中略)
社長の人間性や考え方の一部がそういう行動に表れて,経営に浸透してしまう。
そのことをコンサルタントの卵であった私に教えてくれたのだと思います。
「姿が見えなくなるまで,見送る」という行動は,心に余裕がないとできないことだと私は思う。
「見送る時間がもったいない」
「見送ったからといって,成績が伸びるわけじゃない」
など,しない理由はいくらでも挙げられるだろう。
「姿が見えなくなるまで,見送る」という行動は,相手への思いやりから生まれると思う。思いやりが生まれるには,心に余裕が必要だ。そんな心の余裕がある人は,きっと仕事でもお客様に対して向き合うことができると思う。
また,どんなに素晴らしいことを言っていても,ふとした瞬間の些細な動作によって一気に印象が変わることはある。
高校3年生の受験に向けた面接指導を思い出した。
普段から丁寧な話し言葉を使っている子。
元気な挨拶をする子。
部活や勉強を,コツコツ頑張ってきた子。
面接の場面でも,ひとつひとつの行動に普段の様子がにじみ出てくる気がする。その子の人間性や考え方が行動に表れている気がする。
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相手に気づかれないところでも,相手を思いやる行動ができているか?
人と会うときに,あなたが心がけていることは何ですか?
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