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9月30日 知識,見識,胆識

「1日1話,読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書」より,コスモ証券元副社長の豊田良平さんです。

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大正9年大分県生まれ。旧制中学校卒業後、安岡正篤先生の著書に出合う。昭和13年大阪屋証券(現・コスモ証券)入社。以来、営業畑を歩き、56年副社長、58年常勤監査役。62年常勤監査役退任。同年コスモファイナンス相談役。平成2年コスモファイナンス相談役退任。関西師友協会副会長として安岡教学の普及に務めた。平成14年10月逝去。

 致知出版社のサイトに,豊田さんの対談記事がありました。「365人の仕事の教科書」とは別の部分の抜粋です。是非。
東洋古典の泰斗・安岡正篤の遺した言葉 / 致知出版社

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 今日は,安岡正篤先生がよく話していたという「牛のけつ」というお話です。

 ある日,偉い禅僧のもとに新進の仏教学者が訪れます。二祖断臂の物語などをまくしたてます。そして「この話はおそらく伝説だ」とか「禅とは学問的にはあやふやな,いい加減なものではないか」などと言います。仏教学者ですから,新しい研究や学説を知っています。
 禅僧は,知らない話だから,感心して聞いています。

 そして,帰るときに。
「あんたは,牛のけつじゃなあ」とひと言。

仏教学者の先生はなんのことかわからず,でも気になって一所懸命に調べます。でも,どこにも「牛のけつ」なんて言葉は載っていない。いよいよ困り抜いて禅僧を訪ね「牛のけつ」とはどういう意味か教えてほしいと言います。

 禅師は呵々大笑して,だから学者は困る,牛は何といって鳴く,モウといって鳴くじゃろ,「けつ」はお尻じゃよ,だからおまえさんは「もうの尻,物知りじゃな」と言ったのじゃ。これを聞いてその学者はがっかりして帰ったという話です。

豊田さんによると安岡正篤先生は,晩年よく「豊田君ねぇ,見識だけでは駄目だよ,判断力だけでも駄目だよ,胆識がなければいけないよ」と繰り返し強調されていたそうです。

胆識とは,

胆識というのは,物事をなす場合に,抵抗,障害を乗り越えて,とにかくどうしても実行して,それを必ず達成する。

知識を持っているだけじゃ駄目。
得られた知識を,見識,胆識にまで高めなければいけないよ,と安岡正篤先生はおっしゃっていたそうです。

もしも,知識,見識,胆識を三角形のチャートで表したら。
一番伸びているのはどれですか? 一番弱そうなのはどれですか?
弱いところをカバーできるのは何ですか?

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