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9月20日 小売業がうまくいくかの指標はただ一つ

「1日1話,読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書」より,成城石井社長の大久保恒夫さんです。
※肩書は『致知』掲載当時のものです。

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今日は先に結論から。

小売業がうまくいくかどうかの指標はただ一つ。売り場がどれだけお客様に満足されているか。それ以外にありません。売り場がよくなれば,売り上げと利益は上がるというのは,私が何十社もコンサルタントをやって辿り着いた結論なんです。

 「そんなの当たり前じゃん」と思うなかれ。景気が良くない時季は,お客様の満足度ではなく別のところに目が向いてしまう。別のところを調整して利益を出そうとしてしまう。経費を削減すれば,書類上は利益が出るかもしれない。しかし。

 苦心して経費を削減して,その分,利益が出たとする。でも結局,売り場が乱れたり,働く人のモチベーションが下がったりして売り上げと利益は落ちていくんですよ。

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 学生時代にアルバイトしていた飲食店を思い出した。
 幹部社員が仰っていたことが今でも印象に残っている。

「アルバイトが,自分の友達を呼びたいと思う店にしたい」

 これは学校にも通じることだと思う。
 例えば,友達の子どもが勤務校に進学したいと言ってきたときに「いい学校だよ。是非,おいで!」と言えるかどうか。
 自分が働いている組織でなくてもいい。
 そのお店を薦められるか。
 その商品を薦められるか。
 このように考えたときにどこか抵抗を感じるのであれば,もしかすると何か十分でないことに気が付いていて,見て見ぬふりをしているのかもしれない。

品揃えだの値段だのというよりも,お客様に,あの店が好きだと思ってもらえることが,商売にとって一番重要なことだと思っています。

 学校は,やっぱり卒業生の様子だと思う。
 長期休みに学校に遊びに来てくれる子。
 就職,結婚,出産など,人生の節目を迎えて恩師に会いに来る子。
 遊びに来てくれる子の卒業時の成績は様々だ。現役で合格した子もいれば,浪人した子もいる。決して,成績が優秀な子だけが遊びに来るわけではない。学校が好きだった子が遊びに来てくれる。

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今あなたが提供しているサービスを,身近な人にも薦められますか?
私は,今やっている授業を,大切な友人にも見せられるか?

どこかで妥協していないかを確認するセルフコーチングになりそうです。

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