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LEO-NiNEの考察 Part.1

10月14日に5枚目のフルアルバム、『LEO-NiNE』(レオナイン)が発売されます。

アルバムのタイトル、『LEO-NiNE』は、"leonine"(日本語読みだと「レオニン」)「ライオンのような;勇猛な」という意味を持つ形容詞が元となっていて、その上で「LiSA9周年」の意味合いを"NiNE"に込めています。

実は4月頃にアルバムのタイトル・形態がリークされており、5月27日に発売予定でした。最近では収録曲や「愛錠」の初ドラマタイアップも公式発表前にリークされているし、管理体制がどうなっているのでしょうか。

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LEO-NiNEのリーク情報(上写真)

本来6月末からアリーナツアーが予定されていたということを考えると、収録曲はすでに決まっていたのではないでしょうか。
それがコロナ禍による某映画の延期に合わせて、17thシングルとの同時発売にした(アルバムを引っ提げたであろうツアーが延期になったから5月にリリースする必要もなくなったから)と考えています。

そういう背景話はさておき、5thフルアルバム『LEO-NiNE』は今までのアルバムと違う点が多くあります。

それについて、まずは現状分かっている『LEO-NiNE』の内容を紹介したうえで、3rdフルアルバム『Launcher』、2ndミニアルバム『LUCKY Hi FiVE!』、4thフルアルバム『LiTTLE DEViL PARADE』と比較していきたいと思います。

なお、私は先行公開されている収録曲をすべて聴いているわけではありません。アルバムの曲は発売日まで聴かない主義なので。

アルバムの情報は以下のリンクを参考にしてください。

『LEO-NiNE』について

まず『LEO-NiNE』とは一体どんなアルバムになっているのか、収録曲や映像特典から見ていきたいと思います。

『LEO-NiNE』には以下の13曲が収録されています。

1. play the world! feat. PABLO BPM 161
作詞:LiSA、田淵智也 作曲・編曲:PABLO a.k.a. WTF!? 
2. 紅蓮華 BPM 135
作詞:LiSA 作曲:草野華余子 編曲:江口 亮
3. 晴レ舞台 BPM N/A
作詞:LiSA 作曲・編曲:高橋浩一郎
4. マコトシヤカ BPM 184
作詞・作曲:田淵智也 編曲:江口 亮
5. cancellation BPM N/A
作詞:LiSA 作曲・編曲:PABLO a.k.a. WTF!?
6. 愛錠 BPM 82
作詞:LiSA 作曲:草野華余子 編曲:江口 亮
7. 赤い罠(who loves it?)BPM 282
作詞:LiSA、田淵智也 作曲:田淵智也 編曲:堀江晶太
8. わがままケット・シー BPM N/A
作詞・作曲:金井政人 (BIGMAMA) 編曲:江口 亮
9. unlasting BPM 170
作詞:LiSA 作曲:草野華余子 編曲:堀江晶太
10. ADAMAS(LEO-NiNE Ver.) (BPM 191)
作詞:LiSA 作曲:カヨコ 編曲:堀江晶太
11. 1センチ BPM N/A
作詞:LiSA 作曲:LiSA、堀江晶太 編曲:堀江晶太
12. ハウル(LEO-NiNE Ver.) (BPM N/A)
作詞:LiSA 作曲:HIDEO NEKOTA 編曲:江口 亮
13. BEAUTIFUL WORLD BPM N/A
作詞:LiSA 作曲:小南泰葉 編曲:江口亮


初回生産限定盤・完全生産限定盤の特典は以下の通りになっています。

play the world! feat.PABLO -MUSiC CLiP-
赤い罠(who loves it?) -MUSiC CLiP-
ADAMAS -MUSiC CLiP-
紅蓮華 -MUSiC CLiP-
unlasting -MUSiC CLiP-
愛錠 -Lyric video-
ハウル -MUSiC CLiP-
unlasting -LiSA special live in AbemaTV-
シルシ -LiSA special live in AbemaTV-
紅蓮華 -THE FIRST TAKE-
THE MAKiNG OF "LEO-NiNE"


『LEO-NiNE』では、14thシングル『赤い罠(who loves it?) / ADAMAS』から16thシングル『unlasting』までの表題曲が収録されています。2018年から2020年までのLiSAをまとめたアルバムとなっています。

しかし、キリンレモントリビュートである『夏、あいつら。』はアルバムにも、同時発売されるシングルにも収録されません。幻の曲になりそう。

このアルバムで異例だと言えるのが、『unlasting』のカップリング曲であった『ハウル』が収録されていることです。
これまでのアルバムでカップリング曲が収録されたのは、『Launcher』での『No More Time Machine』のみです。いずれもタイアップ曲といえばそうですが、タイアップの種類が違います。

仮説ではありますが、『ハウル』には、

枯れるまで吠えてやれ 泣けるまでもっと さぁ、吠えてやれ!

というフレーズがあります。最後から2曲目とあって、leonine(ライオンのような;勇猛な)なイメージを出そうとしているかもしれません。

また、注目すべき点は『ADAMAS』と『ハウル』がLEO-NiNE Ver.となっているところです。
もともと評判の高い曲をアレンジするとなるとハードルが高くなりますが(ROCK-mode→ROCK-mode’18が主たる例)、シングル盤からどのように変貌するのか楽しみです。

限定盤に収録されるビデオについて見ていきましょう。

ベストアルバムに収録されていた『だってアタシのヒーロー。』や『ASH』、デジタルシングル『Thrill, Risk, Heartless』については曲もMUSiC CLiPも収録されていません。
それらも収録すればボリューミーなアルバムになったはずですが・・・。
仮に10周年記念でMV集が発売されるとしたらそれらのBlu-ray盤が収録されるのでしょう。

MUSiC CLiPがある『マコトシヤカ』は限定盤に収録されていません。
ですが、ファーストテイクでの『紅蓮華』はなぜか収録されています。
どういうこと・・・?それなら『unlasting』も収録するのが自然なのに。

『LEO-NiNE』との比較

ここからは、『LEO-NiNE』と過去に発売されたアルバムをいくつかの観点から比較していきたいと思います。

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3rdフルアルバム 『Launcher』

2015年3月4日発売 『Launcher』

1. Mr.Launcher BPM 195
作詞:LiSA 作曲:HIDEO NEKOTA 編曲:akkin
2. Rising Hope BPM 190
作詞:LiSA、田淵智也 作曲:田淵智也 編曲:堀江晶太
3. rapid life シンドローム BPM 185
作詞・作曲:田淵智也 編曲:黒須克彦
4. BPM 181
作詞:LiSA 作曲:カヨコ 編曲:堀江晶太
5. アコガレ望遠鏡 BPM 168
作詞:古屋真 作曲:eba 編曲:akkin
6. BRiGHT FLiGHT BPM 148
作詞:LiSA 作曲・編曲:野間康介(agehasprings)
7. L.Miranic BPM 192
作詞:LiSA 作曲:MAH 編曲:akkin
8. FRAGILE VAMPIRE BPM 186
作詞:古屋真 作曲・編曲:eba
9. ANTIHERO BPM 203
作詞:LiSA 作曲・編曲:じん
10. Bad Sweet Trap BPM 192
作詞:LiSA、田淵智也 作曲:田淵智也 編曲:akkin
11. エレクトリリカル BPM 146
作詞:古屋真 作曲:渡辺翔 編曲:堀江晶太
12. 君にピエロ BPM 177
作詞・作曲:LiSA 編曲:akkin
13. No More Time Machine BPM 137
作詞:古屋真 作曲:野間康介(agehasprings) 編曲:やしきん
14. シルシ BPM 73
作詞:LiSA 作曲:カヨコ 編曲:堀江晶太 ストリングスアレンジ:岡村美央

※初回生産限定盤には「LiVE is Smile Always~LiSAMMERLAND~」の模様「No More Time Machine」の当時未発表のMUSiC CLiPを収録。

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2ndミニアルバム 『LUCKY Hi FiVE!』

2016年4月20日発売 『LUCKY Hi FiVE!』

1. ラブリーデイ BPM 152
作詞:LiSA 作曲:野間康介(agehasprings) 編曲:堀江晶太
2. Hi FiVE! BPM 178
作詞:LiSA・田淵智也 作曲:田淵智也 編曲:akkin
3. Psychedelic Drive BPM 139
作詞:LiSA 作曲:横山直弘 編曲:堀江晶太
4. She BPM 201
作詞:LiSA 作曲・編曲:PABLO a.k.a. WTF!?
5. halo-halo BPM 232
作詞:LiSA 作曲:小南泰葉 編曲:江口亮
6. Get free BPM 190
作詞:LiSA・古屋真 作曲:Ryota Kawamura、Rebecca Hollcraft 編曲:akkin、RIO
7. 終わらない冒険 BPM 154
作詞:LiSA 作曲:高橋浩一郎 編曲:akkin

※初回生産限定盤には「Hi FiVE!」のMUSiC CLiPと、特典映像「Believe in myself, Believe in the dream」を収録。

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4thフルアルバム 『LiTTLE DEViL PARADE』

2017年5月24日発売 『LiTTLE DEViL PARADE』

1. LiTTLE DEViL PARADE BPM 169
作詞:LiSA 作曲・編曲:PABLO a.k.a. WTF!?
2. Catch the Moment BPM 190
作詞:LiSA 作曲:田淵智也 編曲:江口亮
3. LOSER 〜希望と未来に無縁のカタルシス〜 BPM 110
作詞:LiSA 作曲:カヨコ 編曲:江口亮
4. the end of my world BPM 190
作詞:LiSA 作曲:カヨコ 編曲:堀江晶太
5. JUMP!! BPM 157
作詞:古屋 真 作曲・編曲:野間康介(agehasprings)
6. 狼とミサンガ BPM 136
作詞:LiSA 作曲・編曲:野間康介(agehasprings)
7. Rally Go Round BPM 190
作詞:LiSA・古屋真 作曲:じん 編曲:akkin
8. Empty MERMAiD BPM 190
作詞:LiSA 作曲:YOOKEY(from THE MUSMUS) 編曲:akkin
9. Peace Beat Beast BPM 160
作詞:古屋 真 作曲:南田健吾 編曲:江口 亮
10. Blue Moon BPM 87
作詞:LiSA 作曲:カヨコ 編曲:akkin
11. Brave Freak Out BPM 200
作詞:田淵智也 作曲・編曲:高橋浩一郎
12. TODAY BPM 94
作詞:LiSA 作曲:小南泰葉 編曲:akkin
13. そしてパレードは続く BPM 195
作詞・作曲:田淵智也 編曲:東京スカパラダイスオーケストラ、Horn arranged by 北原雅彦

※初回生産限定盤にはLiTTLE DEViL PARADE、Catch the Moment、Brave Freak Out、Hi FiVE!のMUSiC CLiP、完全生産限定盤にはそれらに加え「TODAY in L.A.the movie」を収録。


まず、アルバム初収録の曲が何曲あるのか見ていきましょう。
括弧内の数字はアルバム発売時点で未公開の曲を示しています。

『Launcher』9(8)/14曲
(『Mr.Launcher』は先行リリース&2015武道館で初公開)
『LiTTLE DEViL PARADE』 9(8)/13曲
(『LiTTLE DEViL PARADE』は2017年4月11日「LiSA LOCKS!」内で初公開)
『LEO-NiNE』 8(4)/13曲
(『play the world!』『晴レ舞台』『マコトシヤカ』『愛錠』は先行公開)
※『LUCKY Hi FiVE!』は7曲すべてが新曲。

『LEO-NiNE』は、初収録の曲の割合はこれまでのアルバムは変わりませんが、未公開の曲がたったの4曲しかありません。
未公開曲が少ないのはタイアップ済の曲をこのアルバムに入れたからと思われますが、アルバムを手に取って初めて聴ける曲が少ないというのは少し悲しいものです。

次に作詞・作曲の観点から見ていきましょう。

本人作詞の楽曲が多いというのはデビュー当時から変わらないことですが、『LEO-NiNE』では本人が作曲に携わっているものもあります(『スパイシーワールド』以来)。『ADAMAS』と『ハウル』の間の立ち位置でどのような役割を見せるのでしょうか、注目どころです。

作曲については、どのアルバムでもばらつきがあり(=作曲者に過度な偏りがみられない)、それぞれの作曲者がLiSAの魅力を引き出そうとしています。

一方で、『She』から関わり始めた、サポートバンドのメンバーであるPABLO氏(Pay money To my Pain / Gt.)が『LEO-NiNE』では『play the world! feat. PABLO』という曲名通り、ボーカルまでしています。
これまでらーメンズ、にゅーメンズのメンバーで、このような例はなかったので、なかなかの待遇です。

また、『ONLY≠LONELY』から関わり始めた金井政人氏(BIGMAMA / Vo.&Gt.)が『わがままケット・シー』や17thシングルに収録される『My Friends Forever』に関わっているというのも、『LiTTLE DEViL PARADE』を境目にした作詞・作曲者の変化といえましょう。

さらに、『LEO-NiNE』の最後の曲、『BEAUTIFUL WORLD』『TODAY』と同じ作詞・作曲陣でアルバムの中で同じ立ち位置にあります。
『TODAY』という曲からして、この曲も感動的な曲になるのではないかと予想しています。

最後に、BPMの推移・アルバムの展開を見ていきましょう。
BPMの推移からアルバムの展開が見えてきます。

アルバムの展開として3つのフルアルバムでの共通点としては、
1曲目にアルバムのリード曲を入れて、
2曲目に(アルバムの既出曲で)最も有名な・最も人気のある曲が収録されている
ことがわかります。

BPMの推移から見ると、
『Launcher』では1曲目から12曲目までアップテンポな曲が続き、『No More Time Machine』『シルシ』でうまく落としています。
『LiTTLE DEViL PARADE』ではBPMが高い曲と低い曲が数曲交互に組まれている印象があります。
『LEO-NiNE』で現状分かることは、『愛錠』がアルバムの中で境界線的な役割にあることのみです。
アルバムの展開については発売後に紹介する予定です。

総括

去年より続く「鬼滅の刃」ブームから、『紅蓮華』が予想外に聴かれることとなり、様々な人にカバーされ、歌番組以外のテレビ出演も増え、そして紅白歌合戦にも初出演しました。8月には初のドラマ主題歌も担当しました。それ以来初のアルバムです。

一般的にはこれまでのアルバムよりも格段に売れるはずですが、世の中からすれば1曲しか知らない状態ではないかとも思われます。
今回のアルバムで、このブームの中でLiSAに興味を持ってくれた人がどれだけいたのかがわかるでしょう。

なお2017年・2018年当時と違うのは、音楽のサブスクリプションが急速に普及していることです。
実は、LiSAのOfficial YouTube チャンネルにも変化がありました。今まではMUSiC CLiPはショートバージョンが多かったのですが、『unlasting』頃からフル尺で公開されるようになってきました。
CDを買ってもらうことよりも、(サブスクの普及などから)多くの人に聴いてもらうことに方針転換をしたのでしょうか。
そのためサブスクでどれだけ聴かれているかも注目どころです。
「サブスクで聴くくらいで十分だ」という人と、「LiSAのアルバムをパッケージとして欲しい」という人の差がわかるという点でも。

いま、LiSAというよりむしろ『紅蓮華』が一般にも周知されています。
この状況でのアルバムリリースは、LiSAの様々な一面が広く知られる機会でもあります。アルバム発売前後には、きっとテレビ・ラジオでの出演が多くなりますが、『紅蓮華』を歌うだけでは勿体ないと思います。
決して「LiSAは――の人」と決めつけられるようなアーティストではありません。『LEO-NiNE』のリリースが、LiSAの多面性の認知度が上がり、多方面に飛躍する絶好のチャンスになることを信じています。

それぞれの曲の感想やアルバムの中での役割などは発売後に書きたいと思います。

LEO-NiNEの考察 Part.2に続く。


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