マダミスのエモってさ……
はじめに
マーダーミステリーの「エモ」って言葉は一概にひとつを指すわけではないと思っています。しかし、定期的にマダミスのエモと呼ばれるものに苦言を呈す方がいるのも事実で、そのあたりを少し考えてみようかと。
とはいえ、私もこの世の全てのマダミスを知っているわけではないという前提で、浅薄な知識から紐解いていくので、ちょっと適当です。多めに見てください。
まずはマダミスのタイプをいくつか列挙していこうと思う。異論は認めます。
■全体構造タイプ分け
■ゲーム要素仕組み
それ以外のゲームを構成する形式的なものを見ていきましょう。
●情報獲得方法
●各キャラクターの目標設定
●カード取得情報
他にも、オフライン、オンライン、公演型、パッケージ型、GMありなし、投票、全体議論・密談、カードの扱い、嘘、立体物による仕掛け、オンライン盤面による仕掛け、テキストチャット、エンディング分岐、個別エンド、自由演技など……ゲームとしての細分化はできますし、ゲームごとに趣向が凝らされています。これらを取捨選択し組み合わせられて、マーダーミステリーはできていると思います。
ちなみに、ここで「マーダーミステリーなのか論」を語るつもりはありません。私としては、自分の中で決めたいくつかの要素を抑えている作品が、マーダーミステリーとして好きではあります。かといって、必ずしもその要件を満たしていないといけないとも思ってはいません。
あとはマダミスじゃない、別ジャンルを、という意見について思うことは、純然たる定義(これとこれを満たしたらマダミス、そうでなければ違う)というのがあってから話す議題だと思うんですよね。私はそこが人によって統一されていないからこそ、面白ければ何でもありになっているんだと思います。偉い人が決めてくれたら、それに従うけどなぁ。
■エモについて考える
さて本題。エモという要素を考えてみます。
色々とゲーム形式を挙げてはみたのですが、そこに「エモ」というものが無いと思っているんです。具体的に「エモ」というものを言語化することが難しくないですか? ということです。一般的に皆さんどう思っているか、それを知りたいですね。
ちなみに自分の中でのエモってのは、エモーショナルなわけで「感情が揺さぶられる要素がある」こと、と考えています。これまでにも様々な感情の起伏を自分は体験してきました(もちろんそうではない作品もたくさんあります)。プレイ中、またエンディング中に涙腺が崩壊する事なんてザラではあります(笑)。物語体験として、嬉しいことも悲しいことも涙を誘う場面に直面してきました。でもエモはその限りではないと思っています。マーダーミステリーは複数の要素が絡み合った総合芸術的なゲームです。良いお話だから心が揺さぶられる以外にもたくさんの場面を直面してきました。
皆さんも思い出してください。
物語をひとりの登場人物として体験している高揚感
真相を究明していく中で矛盾を見つけた際に高まる体温
秘匿している情報を交換する罪悪感
自分の投票が正しかったかどうかを待つドキドキ感
プレイ後の物語の余韻が後日、現実世界でも尾を引くこと
などなど。どうですかね、皆さんも胸が高鳴りワクワクする体験ってしてないんですかね……?
このように感情を揺さぶるたくさんの場面は枝葉のように分かれており、それを自分がキャッチした時に心は動きます。もちろん私はそうなわけで、他の人が一緒とは思っていませんし、それぞれが異なるアンテナで、色々な感情の起伏を体験しているのだと思っています。つまり、「エモ=面白い体験」といっても過言ではないくらいの誉め言葉なんですよね、私としては。
■「エモ=ストーリーが良い」なの?
さて一般的には、どちらかというとエモを↑のように捉えている人も多くいると思います。
「エモ寄り」という言葉を紐解くと「推理要素が弱くストーリー体験要素が強い」という趣旨の意見なのかな、と。つまり「推理ゲームを期待していたが、選択肢の少ない読み物を体験させられた」となるわけで、たいへん理解ができます。それが必然的に多くなっている現状というのは、確かに実感できる部分もありますし、それをよくない潮流だという意見が出てくるのも文句はありません。
理想としては、推理ゲームとして面白味があり、物語としても読みごたえ(体験し感動を味わえる)があるのが良いです。要はその、推理要素と物語要素のバランスなわけですよ。どちらかに特化することもできるし、どちらも高水準で制作するということもできます。もちろん成立させるには難しいでしょうし、特化型を作る場合に推理重視よりも物語重視の方が作りやすい人たちが多いということが、現在の状況を作り出してはいそうですね。統計取ってないので実際は分かりません。
自然と、良い作品は噂や話題になってしっかりと遊ばれている印象です(差ゲーム要素以外のプロモーションといった要素も絡んできますね)。ただ、良いものは良いということで地味でも良い作品を広めていくことで、より健全な作品が多くなっていくことを願っています。自分は棚に上げてますが、長々とお読みいただきありがとうございました(笑)