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マーダーミステリーにロールプレイは必要か否か

2021年に入ってからいくつかマーダーミステリー(以降、マダミス)をオンラインメインで遊んできたんですが、ちょっと思ったことがあるので書かせてもらおうかな、と。それはマダミスにおいてのロールプレイについてです。遊ぶ際にはあまり気にせず、遊ぶメンバーにある程度合わせつつ楽しんできたのですが、少しだけ言語化してみようかなと思いまして、ここに綴ります。まぁ、最終的に「こうしろ!」っていう主張があるわけではない駄文なので、こういう考えもあるよってことで見て頂ければ幸いです。

■ロールプレイとは

とりあえずこの話をしたいと思います。そもそもTRPGという文化が育っている中でマダミスにおいてのロールプレイというものがどのような認識になっているかを考えてみたいです。
ここで先日に呟かれた中村誠氏のツイートを引用させて頂きます。

https://twitter.com/macogame/status/1358683248553938946?s=20
マーダーミステリーの「ロールプレイ」は、キャラクターシートに書かれている「犯人を見つける」とかの使命に従うだけで十分「ロールプレイ」になっていて、演技しなくても、声色を変えなくても、機知に富む行動をしなくて、しゃれたセリフを言わなくてもいいと思っています(もちろんしてもよい)。

https://twitter.com/macogame/status/1358683251095687171?s=20
人によって、できるロールプレイの「程度」はちがうんだけど、うまくやるコツは、他人の「程度」に無理にあわせたり、相手に要求しないことかな。結果、1つのプレイの中でキャラになりきって熱演する人と、セリフを言わないで「○○します」と言うだけの人が混在しちゃうけど、それでいいと思います。

https://twitter.com/macogame/status/1358683252651823104?s=20
これは私の(製作者としての)理想なんだけど、最初は普通にプレイヤー発言としてプレイをしているんだけど、ゲームが進行するにつれて、キャラクターとプレイヤーがシンクロして、気がついたらキャラクターとして話している、ってのが最高かな。そういうシナリオを作るのは難しいですけど。

キャラクターシートに記載されている記憶や経歴を守り、与えられた指令に対して真摯に望むことを「ロールプレイ」だ、という主張です。自分の考えとしてもそこまで相違はなく、実はこの回答でほぼほぼ正解だと思っているところもあります(その後の健全に遊ぶためのコツも含めて)。とはいえ、そうなるとせっかく書き始めた途端に終わってしまうので、もう少しだけ掘り下げてみようかと思います。
で、ロールプレイをする際にいくつか項目を挙げてみました。

①キャラクター記憶・経歴に従う
②キャラクターの目標に従う
③キャラクターの心情を創作する
④声色を変える
⑤キャラクターになりきる

一般的に「ロールプレイ」とされるのは①②。そして、③④⑤まで満たす場合、基本よりも演技寄りにRPしているのという認識です。

■そもそもロールプレイは必要?

前項で述べた通り、①②をロールプレイと定義づけた場合、ゲーム的要素なため「ロールプレイは必須」と答えられます。ただし、前項の③④⑤までをロールプレイと定義づけてしまうと、この限りではなく、必須ではない場合が往々にしてあるかと思います。
議論の大事な部分として「ロールプレイは必要か議論」に際し、そもそもの「ロールプレイ」の定義をすり合わせないと、水掛け論になってしまうんだと思います。あ、必須ではないと思いますが、③④⑤に関しては、ちゃんとできるのであれば楽しいとは自分も思います。

■演じることの難しさ

やはりキャラクターを演じながら推理ゲームを楽しむということは、かなり敷居が高いです。個人的にはまだオンラインであれば、声だけでなんとかできるのでまぁまぁ……とは思いますが、オフラインになるとビジュアルが視覚情報として認識できるので難しいと考えています。たとえば、女性キャラクターをやるという場合、オンラインであれば(これも厳しいといえば厳しい)一応こなせますが、オフラインになるとさすがに無理があります(おっさんだし)。

また初心者と遊ぼうという場合でも「ロールプレイとは」で挙げた③④⑤を必須とすると、途端にマダミスを遊ぶための敷居が跳ね上がります。まさに反り立つ壁です。参入障壁を下げるのであれば、③④⑤はオプションとして捉え、まずは①②に従いマダミスをキャラクターとして推理ゲームを参加してもらい、慣れてきたらキャラクターになりきって遊ぶというステップアップできれば良いのでは、と思います。

■よいマッチングを目指そう

マダミスはまだまだ産まれたばかりのジャンルです、自分にあった楽しみを見つけるのが一番です。また、マダミス自体が様々な仕組みの複合芸術のようなジャンルです。たとえば楽しむ要素が下記のようにあったとします。

・推理(思考ゲーム/嘘/ディベートなど)
・物語体験(世界観/ストーリー分岐など)
・ジレンマ(行動選択/心理戦など)
・ロールプレイ(なりきり/演出など)

ゲーム自体によってそれぞれの強度が異なります。
ただし、ゲーム的な要素としては「犯人当てゲーム」が主題なのでまずはそこありき。そして、そこに至る物語の道程や自身の行動がどんな物語を紡ぎ、結果的にどんなエンディングになるか、で作品の善し悪しが決まると思うのが自分としての考えです。つまり、ゲームとして用意されるのは、物語設定とシステムになります。
ほぼ多くのマダミスにおいてロールプレイ部分が提供されているわけではないと思っています(例外として、公演型の作品などは没入感を高めるための演出・小道具などが用意されています)。RP重視という作品もありますが、自分としてはあまりよく理解できていません。というのも、前述のとおり、RP自体はマダミスの基本として考えているからです。また、RPに関してはそこでセッションするメンバーがやりたければやればよくて、その結果、没入感を高めることができる要素でもあると思っています。

■結びに

このように書いてきましたが、自分としては下手なりにRPするのは嫌いではありません。とはいえ自信もありません。以前遊んだとあるオフライン公演作品で、自己紹介の時点でバリバリRP入っていた人がいて「おいおい、マジかよ、ひとりだけやる気じゃねーか……」と思っていたら、次の人も負けず劣らずええ声でしゃべりだし、その次の人も、その次も……ということで、自分の番になり、とても緊張してしまった思い出があります(そして、うまくこなせたかは聞かないでください)。
なので、まぁ、世の中には苦手な人もいるのでそのあたりは強制せず楽しんでいければいいんじゃないかな、と。ゲームとしてもマッチングもそうですし、相性の良いプレイヤーとマッチングすることも大切です!

今回、項目として外した内容がありまして……
⑥メタ発言をしない
⑦メタ推理をしない
というのもあったのですが、これは少し根深いので難しいなぁ……と。実は、やり込めばやり込むほど、「メタ発言」を嫌う傾向にあるなぁ、と思いつつ、先日も7人プレイで全員初心者で「九頭竜館の殺人」をGMする機会がありまして。全員が同じ職場ということもあり、キャラクターになりきりつつ、バンバンとメタ発言も飛び交っていたのですが、それはそれで成立したエンタメになっていたんですよね。なので、ケースバイケースなところもあるので、「プレイする作品」「プレイするメンバー」次第で選択肢が変化するというのを実感しました。また何かあれば記事書きます。

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