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国連安全保障理事会、世界の安全保障課題を協議—中国議長の下で多国間主義を強調

国連安全保障理事会(UNSC)は2025年2月18日、中国の議長国の下で「多国間主義の実践とグローバル・ガバナンスの改革・改善」をテーマに公開討論を実施した。会議を主導した中国の王毅外相は、国際協力の重要性を強調し、国連の枠組みを通じた課題解決の必要性を訴えた。アントニオ・グテーレス国連事務総長も出席し、公平かつ公正なグローバル・ガバナンスの構築が不可欠であると述べた。

また、安全保障理事会はコンゴ民主共和国(DRC)の情勢悪化についても協議した。特に、2025年2月初旬に武装勢力「3月23日運動(M23)」が南キブ州で攻勢を強め、州都ブカブを制圧したことが大きな懸念事項となっている。これにより多数の民間人が避難を余儀なくされ、地域の不安定化が進んでいる。国連は即時停戦を求めるとともに、紛争のさらなる激化を防ぐため、関係各国に対話を促した。

スーダンに関しては、安保理が2025年2月17日に決議2772(2025)を採択し、スーダン制裁委員会を支援する専門家パネルの任務を2026年3月12日まで延長することを決定した。この決議は賛成13、棄権2(中国、ロシア)で可決され、専門家パネルには2025年8月12日までの中間報告と2026年1月13日までの最終報告の提出が求められている。理事会は、スーダンの制裁監視と和平努力を支援する専門家パネルの活動が重要であることを強調した。

さらに、シリアの治安問題も議題となり、特にイスラム国(IS)関連の人物を収容するキャンプの管理が焦点となった。米国のドロシー・シェイ臨時大使は、アル・ホールおよびロジキャンプに対する米国の財政支援が無期限に継続することは困難であると発言。他国に対し、自国民の本国送還を進めるよう求め、米国への負担軽減を訴えた。

これらの議論を通じて、安全保障理事会は国際的な安全保障問題に対する多国間の協力と対応を重視する姿勢を示した。

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