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Blackstone、AI Fireを11億ドルで買収 安全インフラ投資を強化

米投資会社Blackstone Inc.は、消火器や火災警報システムを提供するAI Fireを約11億ドルで買収する。この買収は、Blackstoneの安全インフラおよび重要サービスへの投資戦略の一環として位置付けられる。

Blackstoneは2021年にBlackstone Fire Control、FESS Fire Protection、TEC Control Systems、BCI Technologiesを買収し、サービスの幅を広げるとともに地理的な展開を強化した。

米国では近年、気候変動起因の自然災害が多発している。2024年には1件あたりの被害額が10億ドルを超える災害が27件発生した。これには、激しい暴風、熱帯性低気圧、干ばつ、洪水、山火事、冬の嵐が含まれ、全米で568人の死者を出した。また2024年は、観測史上最も暑い年と確認され、地球の気温は産業革命前から1.5℃の上昇というパリ協定の目標を超えた。

2025年初頭には、南カリフォルニアで過去に例を見ない大規模な山火事が発生し、ロサンゼルスでは1万棟以上の住宅が焼失、28人が死亡した。これらの火災は、地球温暖化の進行、降水量の減少、高い火災リスクが続く期間の延長といった要因が重なり、被害を拡大させた。

さらに、2025年1月は観測史上最も暑い1月となり、地球の平均地表気温は13.23℃に達し、産業革命前と比べて1.75℃上昇した。この記録は、通常冷却効果をもたらすラニーニャ現象の期間中に達成された点で特に注目される。

世界規模の不動産ファンドであるBlackstoneにとって、防災関連のポートフォリオを拡充させることはビジネスの拡大と既存ビジネスを補完する上で重要な役割がある。

気候変動リスクに対するヘッジは今後も高まることが予想され、Blackstoneの動きはこれに先行するものと考えられる。

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