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フジ、広告収益予測を233億円下方修正—元タレント中居正広氏のスキャンダル影響

東京— フジテレビジョン(Fuji Television Network Inc.)は2024年度の広告収益予測を下方修正し、当初見込みから233億円(約151.2百万ドル)減少する見通しを発表した。この修正は、元タレントでテレビ司会者の中居正広氏に関するスキャンダルが発覚し、多くの広告主が撤退したことを受けたものである。

2024年12月、中居正広氏が2023年6月に行われた私的な食事会の席で女性に性的暴行を加えたとする疑惑が浮上した。報道によると、この食事会はフジテレビの社員によって手配されたものだった。中居氏は女性と示談が成立したことを認めたが、暴力行為については否定した。その後、同氏は芸能界からの引退を発表した。

この疑惑が報じられた後、トヨタやマクドナルドを含む70社以上の企業がフジテレビでのCM放送を停止した。フジテレビはこれらの広告枠に対して広告費を免除する対応を取ったため、財務的な負担が一層増大した。

その結果、フジテレビは2025年3月期の広告収益を1,252億円と見込み、当初予測から大幅に引き下げた。また、純利益の見通しも290億円から98億円へと大幅に下方修正された。

スキャンダル対応をめぐる批判が高まる中、フジテレビの湊浩一社長と加納修治会長は辞任を表明した。同社は独立調査を実施し、問題の徹底解明と企業統治の強化を図る方針を示した。この取り組みは、視聴者、広告主、投資家の信頼回復を目的としている。

今回のスキャンダルは、日本のエンターテインメント業界における性的不祥事や企業統治の問題を浮き彫りにしている。特に、ジャニーズ事務所(現SMILE-UP.)が創業者・故ジャニー喜多川氏の性加害問題を受けて解散した事例と並び、業界全体の透明性と説明責任への要求が高まっている。

フジテレビの信頼回復への取り組みは、日本のメディア業界全体が直面するガバナンス強化の動きの中で注目を集めることとなりそうだ。

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