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インド・プラヤーグラージの「マハー・クンブ・メーラ」、将棋倒し事故の翌日も数百万人が集結

【プラヤーグラージ(インド)=2025年1月31日】
世界最大級の宗教祭典「マハー・クンブ・メーラ」が、インド北部ウッタルプラデーシュ州プラヤーグラージで開催されている。1月31日、祭典のピーク時に将棋倒し事故が発生し、数十人が死亡、さらに多くの負傷者が出た。しかし、事故の翌日にも数百万人の敬虔なヒンドゥー教徒が会場に集まり、聖なる川での沐浴を続けている。

事故は1月31日、水曜日の午前中に発生した。現地メディアの報道によると、大勢の巡礼者が祭典の主要な沐浴場(ガート)へ向かう途中で群衆が密集し、将棋倒しが発生したという。現在のところ、死者数は数十人にのぼり、負傷者も多数報告されている。

インドでは大規模な宗教行事で将棋倒しが発生することがあり、群衆管理の課題がたびたび指摘されてきた。プラヤーグラージでは2013年にも同様の事故が発生し、鉄道駅での混雑によって36人が死亡した。さらに、1954年の同地でのクンブ・メーラでは、史上最悪となる約800人が死亡したと記録されている。

「マハー・クンブ・メーラ」は12年ごとにプラヤーグラージ、ハリドワール、ウッジャイン、ナシックの4都市で開催されるヒンドゥー教最大の祭典である。ヒンドゥー教の神話によれば、「アムリタ(不死の霊薬)」の滴が神々と悪魔の戦いの際にこの4か所に落ちたとされており、ここで沐浴を行うことで罪が清められ、解脱(モークシャ)に至ると信じられている。

特に重要な沐浴日(シュナーン)である「マウニ・アマーヴァシャ(Mauni Amavasya)」には、最大の人出が予想されており、当局の対応が注目されている。

インド政府とウッタルプラデーシュ州当局は、事故を受けて安全対策の強化を急いでいる。

• 群衆管理の改善
• 出入口の整備
• 警察と医療チームの増員

また、最新技術を活用した監視体制も導入されつつある。ドローンやCCTV監視カメラ、AIを活用した群衆モニタリング技術が投入され、安全管理の向上が図られている。

さらに、国家災害対応部隊(NDRF)や地元の救助チームが現場に出動し、負傷者の救助活動を進めている。

今回の事故を受け、今後のマハー・クンブ・メーラにおける群衆管理の在り方が問われることになる。過去にも類似の事故が発生しており、当局は恒久的な安全対策の強化を求められている。

特に、今後の主要な沐浴日に向けたさらなる安全対策の徹底が急務となる。マハー・クンブ・メーラは2025年の開催期間中に数千万人の巡礼者を迎えると予想されており、事故の再発防止が喫緊の課題となっている。

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