
Goldman Sachs、取締役会の多様性要件を撤廃—企業のDEI方針見直しが加速
米投資銀行ゴールドマン・サックスは、企業が新規株式公開(IPO)を行う際に取締役会の多様性要件を満たすことを求める方針を撤廃した。同社は2020年にこの方針を導入し、米国および西欧の企業に対し、少なくとも1名の多様性のある取締役を含めることを条件としていた。2021年には基準を引き上げ、取締役会に2名の多様性のあるメンバーを求め、そのうち1名は女性であることを義務付けた。しかし、最近の法的動向を受け、この要件を廃止する決定を下した。特に、米国の裁判所がナスダックの企業に対する取締役会の多様性開示要件を無効とした判決が影響を与えたとみられる。
ゴールドマン・サックスは今回の方針変更について、「取締役会の多様性を引き続き支援する」としており、社内の多様性目標を維持しながら、企業の多様性ある取締役の選任を支援する方針を示している。
この動きは、企業がダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DEI)に関する方針を見直す広範な流れの一環とみられる。例えば、大手コンサルティング会社デロイトも、米国政府との契約業務に従事する従業員に対し、メールの署名から代名詞の使用を削除するよう指示するとともに、政府顧客の方針に合わせる形でDEIプログラムの終了を発表した。