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日米首脳共同声明(和文)

本日、石破茂内閣総理大臣とドナルド・J・トランプ大統領は、ワシントンDCで最初の公式会談を行い、自由で開かれたインド太平洋を堅持するとともに、暴力の続く混乱した世界に平和と繁栄をもたらす、日米関係の新たな黄金時代を追求する決意を確認した。

平和のための日米協力

両首脳は、日米安全保障条約の下での二国間の安全保障・防衛協力が、かつてないほ
ど強固になっていくことへの共通の願望を表明し、日米同盟が、インド太平洋及びそれを超えた地域の平和、安全及び繁栄の礎であり続けることを強調した。

日本は、日本の防衛力の抜本的強化への揺るぎないコミットメントを改めて表明し、米国はこれを歓迎した。

米国は、核を含むあらゆる能力を用いた、日本の防衛に対する米国の揺るぎないコミ
ットメントを強調した。

両首脳は、日米安全保障条約第5条が尖閣諸島に適用されることを改めて確認し、尖閣諸島に対する日本の長きにわたり、かつ、平穏な施政を損なおうとするあらゆる行為への強い反対を改めて表明した。

日本は日米安全保障条約及び日米防衛協力のための指針に沿って、平時から緊急事態
に至るあらゆる状況への切れ目のない対応により、インド太平洋地域の平和及び安全を維持していく上での自らの役割を再確認した。これは、2015年の平和安全法制により一層可能となり、日米同盟の抑止力と対処力を強化している。

両首脳は、一層厳しく複雑な安全保障環境に対処すべく、自衛隊及び米軍のそれぞれ
の指揮・統制枠組みの向上、日本の南西諸島における二国間のプレゼンスの向上、より実践的な訓練及び演習を通じた即応性の向上、拡大抑止の更なる強化並びに同盟のサプライチェーン及び海洋を含む日米の防衛産業力を強化する共同生産、共同開発及び共同維持整備を含む防衛装備・技術協力の推進によるものを含む防衛・安全保障協力の向上を通じ、日米同盟の抑止力・対処力を更に強化していく意図を有することを確認した。

日米は、民生宇宙並びに航空、科学及び両国の宇宙飛行士が参加する国際宇宙ステーション(ISS)へのクルー10ミッションや、アルテミス計画の将来のミッションでの月面探査を含む有人探査に係る強力なパートナーシップを継続する意図を有する。

日米はまた、AI及び情報共有を深化するための安全かつ強靱なクラウドサービス等の新技術の活用によるものを含む、サイバー空間の分野における二国間の安全保障協力を拡大する意図を有する。

米国は、日本の防衛予算増加の好ましい傾向により下支えされた、2027年度までに日本を防衛する主たる責任を確固たるものとする能力を構築すること、そして、この重要な基盤の上に、2027年度より後も抜本的に防衛力を強化していくことに対する日本のコミットメントを歓迎した。

両首脳は、抑止力を維持し、地元への影響を軽減するため、辺野古における普天間飛
行場代替施設の建設及び同飛行場の返還を含む、沖縄統合計画に従った在日米軍再編の着実な実施が極めて重要であることを確認した。

両首脳は、上記で言及した協力を速やかに実施するため、それぞれの外務・防衛担当
閣僚に対して、日米安全保障協議委員会(SCC:「2+2」)を早期に開催するように指示した。

成長と繁栄をもたらす日米協力

両首脳は、経済安全保障に関するものを含む二国間の経済協力が同盟協力の不可欠な
一部を成すことを確認した。緊密な経済パートナーとして、日米は、互いの国において最大規模の海外直接投資と質の高い雇用を創出している。両国の産業は、相互のサプライチェーンにおいて極めて重要な役割を果たし続ける。

経済関係の強化に向けた揺るぎない進路を示し、この経済パートナーシップを新たな
次元に引き上げるため、両首脳は、二国間のビジネス機会の促進並びに二国間の投資及び雇用の大幅な増加、産業基盤の強化及びAI、量子コンピューティング、先端半導体といった重要技術開発において世界を牽引するための協力、経済的威圧への対抗及び強靭性構築のための取組の強化、自由で公正な経済秩序に支えられるインド太平洋地域の成長の共同での促進を追求する。

両首脳はまた、輸出管理を通じたものも含む重要機微技術の一層の促進及び保護並びにサプライチェーンの強靭性の強化のため、政策を整合させるための議論を継続することを決意した。

両首脳は、経済的繁栄を支える渡航制度の完全性へのコミットメントを共有し、技術窃取、犯罪者による渡航及び不法移民に対処するため、渡航者の審査及び日常的かつ安全な情報共有に関する取組を強化する意図を有する。

両首脳は、米国の低廉で信頼できるエネルギー及び天然資源を解き放ち、双方に利の
ある形で、米国から日本への液化天然ガス輸出を増加することにより、エネルギー安全保障を強化する意図を発表した。

両首脳はまた、重要鉱物のサプライチェーンの多角化並びに先進的な小型モジュール炉及びその他の革新炉に係る技術の開発及び導入に関する協力の取組を歓迎した。

両首脳は、担当の関係閣僚に対し、これらの共通の目標を達成するための日米経済協
力を強化するよう指示を出した。

インド太平洋地域における日米連携両首脳は、厳しく複雑な安全保障環境に関する情勢認識を共有し、自由で開かれたイ
ンド太平洋の実現に向け、絶え間なく協力していく決意を表明した。

そうした協力の一環として、両首脳は、日米豪印(クアッド)、日米韓、日米豪、日米比といった多層的で共同歩調のとれた協力を推進する意図を有する。これらの関係を通じ、日米及び同志国は、第三国におけるオープンRAN展開を含む地域への質の高いインフラ投資をもたらすことができる。

両首脳は、中国による東シナ海における力又は威圧によるあらゆる現状変更の試みへ
の強い反対の意を改めて表明した。

両首脳は、南シナ海における中国による不法な海洋権益に関する主張、埋立地形の軍事化及び威嚇的で挑発的な活動に対する強い反対を改めて確認した。

両首脳は、国際社会の安全と繁栄に不可欠な要素である台湾海峡の平和と安定を維持
することの重要性を強調した。

両首脳は、両岸問題の平和的解決を促し、力又は威圧によるあらゆる一方的な現状変更の試みに反対した。

また、両首脳は、国際機関への台湾の意味ある参加への支持を表明した。

両首脳は、北朝鮮の核及びミサイル計画の進展への深刻な懸念及びこれらに対処する
ことの必要性を表明するとともに、北朝鮮の完全な非核化に対する確固たるコミットメントを改めて確認した。

日米はまた、北朝鮮の悪意のあるサイバー活動や、拡大する北朝鮮とロシアとの間の軍事協力を抑止し、これらに対処する必要性を強調した。

日米はさらに、北朝鮮に対応し、地域の平和と繁栄を堅持する上での日米韓の三か国パートナーシップの重要性を確認した。

日本は、拉致問題の即時解決を実現するとの決意を改めて表明し、米国はそれを支持した。

訪日の招待

トランプ大統領は、石破総理大臣からの近い将来における公式訪問の招待を受け入れ
た。

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