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米国証券取引委員会、正式調査の承認プロセスを変更—執行スタッフの権限を制限

米国証券取引委員会(SEC)は、執行スタッフが正式な調査を開始する際、委員会の指導部からの承認を事前に得ることを義務付ける新たな方針を導入した。この変更は、従来の実務からの転換を意味し、これまで下級スタッフに委任されていた権限が制限されることとなる。

この新方針の影響として、調査開始までのプロセスが長期化し、執行の効率性が低下する可能性が指摘されている。また、執行スタッフの自律性が制限されることで、独立した判断による迅速な調査が困難になるとの懸念もある。一方で、この変更により、十分な根拠のある案件のみが正式な調査段階に進むことになり、不必要な調査による影響を抑制できるとの見方もある。

SECの現在の指導部は、共和党指名のマーク・ウイエダ暫定委員長が率い、同じく共和党のヘスター・パース委員、民主党のキャロライン・クレンショー委員が名を連ねる。この指導部体制は、ドナルド・トランプ大統領の就任後の行政変更を反映している。

SECの調査権限の委任方針は歴史的に変遷を経ており、一部の時期では下級スタッフに自律的な調査権限が与えられていたが、別の時期には高官の承認が必要とされた。今回の変更は、より中央集権的な管理への回帰を示唆しており、新指導部による規制執行方針の変化を示す最初の重要な動きとみられる。

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