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2024年の日本不動産市場:都市部の活況と地方の課題が顕在化

東京をはじめとする主要都市では、不動産市場が引き続き活況を呈している。特に商業用不動産市場は堅調で、オフィスの空室率は約3%と低水準を維持。2024年上半期の不動産取引額は236億ドル(約3.5兆円)に達し、2007年以来の高水準となった。

日本銀行は2024年にマイナス金利政策を解除し、国債購入の段階的縮小を決定するなど、金融政策の正常化を進めている。これに伴い長期金利は上昇傾向にあるが、不動産業の景況感は改善しており、金利上昇による市場への影響は限定的との見方が広がっている。

不動産価格の動向には地域差が顕著となっている。都市部では価格上昇が続く一方、郊外や地方では価格の頭打ちや下落が進行。特に地方では人口減少や空き家の増加が要因となり、2025年にかけて不動産価格の下落が拡大する可能性が指摘されている。

2025年には団塊の世代が全員75歳以上となることから、相続物件の増加や空き家問題の深刻化が懸念されている。特に地方では供給過多が進み、不動産価格のさらなる下落要因となる可能性が高い。

2024年の不動産投資額は約5兆円に達する見込みで、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年を上回る水準となると予測されている。2025年も国内外の投資家による関心が高く、多様な投資プレイヤーの参入により、投資需要の拡大が見込まれる。

総じて、日本の不動産市場は都市部と地方で異なる動向を示している。都市部では引き続き堅調な推移が予想される一方、地方では人口動態の変化や相続物件の増加により課題が顕在化している。今後も地域ごとの特性や経済動向を注視することが重要となる。

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