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コンサル大手、DEI施策を縮小—政治的変化が影響

米国の主要コンサルティング企業が、ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン(DEI)施策を縮小または撤廃する動きが広がっている。特にトランプ政権の政治的圧力や連邦政府の多様性プログラム廃止に関する大統領令の影響を受けたものと考えられる。

アクセンチュアは、2017年に設定したグローバルDEI目標を廃止すると発表した。CEOのジュリー・スウィート氏は社内向けメモで、米国の政治環境の変化や最近の大統領令を踏まえた決定であると説明。同社は今後、特定の人種や性別を対象としたキャリア開発プログラムを段階的に終了し、外部の多様性ベンチマーク調査への参加を見送る。一方で、インクルーシブで能力重視の職場環境の維持に引き続き取り組むと強調した。

デロイトUSは、政府契約関連のコンサルタントに対し、電子メール署名から性別代名詞を削除するよう指示。これは政府機関の新たな方針に準拠するための措置とされる。また、同社はDEI目標や年次報告書、関連プログラムの廃止も決定。これらの変更は、連邦政府のコミュニケーションから「ジェンダー・イデオロギー」を排除する方針に沿ったものとみられる。ただし、同社は一部のDEI施策は継続する意向を示している。

コンサル業界にとどまらず、メタ(旧フェイスブック)、グーグル、ウォルマート、ターゲットなどの企業もDEI施策を縮小している。

しかし、ワシントン・ポストとイプソスの調査によると、米国民の61%がDEI施策を支持しており、企業の方針転換には批判的な意見も多い。人権擁護団体「ヒューマン・ライツ・キャンペーン」は、DEI施策の縮小が職場の平等に悪影響を及ぼすと警鐘を鳴らしている。

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