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接続詞

A:最近やけに暑いよな。温暖化の影響かね。
B:さりながら。
A:さりながら……?
B:エアコンをはじめとする文明の進化にも驚きだよね。
A:ああ……でも家涼しい、外暑い、電車涼しい、外暑い、会社涼しいてんで温度差めちゃくちゃよな。
B:けだし。
A:けだし……?
B:今やこのコンクリートジャングル、東京こそが試される大都会と言えるかもね。
A:こう暑いとさ、「すみません、暑くて遅れました」とか「暑いからやめよう」とかいろいろ寛容な社会になって良いようなもんだけどな。
B:かように。
A:かように……?
B:言いたいことはわかるけど、無神経な人が得する社会にならないためのルールは必要だけどね。
A:さっきから何か変じゃない?
B:とりもなおさず、何がさ。
A:さりながらとか、けだしとか、こんにゃくとか。
B:こんにゃく?
A:出だしのワードがちょいちょい不自然。
B:それこそ最近、接続詞にハマっててさ。
A:ハマるものかそれ。
B:いわば接続詞って重要だよ。文章とか会話を方向付ける役割があるっていうか。
A:どゆこと。
B:たとえば。
A:ほう。
B:ほらこの「たとえば」だけで、このあと何か具体例が出てくるとわかるじゃん。
A:おお、なるほど。
B:「しかし」だったら反対のこと言いますよ、てなるし「つまり」だったらまとめ的なこと言いますよてな具合にさ。
A:たしかに接続詞だけで次の話が示さr
B:「たしかに」も相手に同意してるわけで。
A:いま話してるから。接続詞言いたいがために話さえぎるなよ。
B:もっとも、ごめんごめん。
A:さて。
B:おお、いいね早速。さて。
A:接続詞は重要なんだね。
B:……
A:……
B:……話題を変えろ、「さて」ならよ。
A:さてならよ?
B:いやこれは別に接続詞じゃないから。
A:もし。
B:おお、いいよ。もし。
A:接続詞は重要である。
B:……
A:……
B:……仮の話をしろ、「もし」ならさ。
A:もしならさ?
B:接続詞じゃないっての。
A:とにかく。
B:とにかく。
A:安心してくださいの人はなんで「TONIKAKU」だったの?
B:もちろん、知らないよ。
A:パーンツ!てね。
B:それはさておき、いいじゃん盛り上がったなら。
A:パーンツ!
B:言うまでもなくうるさいな。俺は接続詞を正しく使って文章や会話をスマートにしたいんだよ。
A:要するにね。
B:うん。
A:……
B:……
A:え?
B:相槌で「要するに」ておかしいだろ。いろいろ話してから要点をまとめる時に言うだろ。
A:むずかしいわ接続詞。
B:それにつけても何でだよ。今まで普通だったのに意識して変になっちゃってるじゃん。
A:むしろ、この話をしてからおかしくなったよね。
B:だから、それを今言ったの。俺が。
A:いやいや、そうだよね。
B:否定しろよ。
A:ゆえに、温暖化を食い止めるにはどうするべきか。
B:もうめちゃくちゃじゃん。やめてくれ。
A:ところがどっこい。
B:それ接続詞か。とりもなおさず、どういうこと。
A:べらんめえ、合点承知の助でさあ、持ってけ泥棒、てな感じ。
B:もはや接続詞でもない、ただの江戸言葉だろ。
A:からの?
B:やめろそれ。
A:パーンツ!
B:それ言いたいだけだろ。
A:おあとがよろしいようで。

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