【冷凍加熱食品 国内初! 】1,000万食突破の「nosh」成長の秘密は?
こんにちは、思考力特訓中の恩田です。
本日は、冷凍加熱食品1,000万食突破の「nosh」を取り上げます。
noshの特徴は、
「一流シェフと管理栄養士が開発した低糖質・低塩分の食事をご自宅までお届け」
「レンジで温めるだけで食べられる」
「環境に優しい紙素材の容器に入れてお届け。ご家庭の燃えるゴミとして廃棄できるので、後片付けに手間がかからない」
「価格は1食499円~599円で継続すればするほどお得」
などなど。
要は、中食の宅配で保存が効く冷凍加熱食品。
その中でも低糖質・低塩分といった健康に特化したデリバリーフーズといったところでしょうか?
そんな同社ですが、プレリリースを見ると、
2020年8月:450万食達成
2020年9月:500万食(サービス開始から2年)
2021年5月:1000万食
成長スピードが急加速。
2年を要した500万食を8ヶ月で達成してます。
なぜ、倍以上の勢いで食べられているのか?
その成長の理由を分析していきたいと思います。
このような自分にとって全く未知な業界・サービスを分析する際は「3C」で見ていくと何となくアタリをつけられます。
というわけで、以下の流れで考察していきます。
1.市場・顧客
市場でみるとnoshのサービスは、大枠では中食・宅配市場、もう少し細分化すると宅配弁当に該当するかと思います。
中食・宅配はここ数年、拡大を続けておりました。
この背景にあるのは、
高齢化や共働き、単身世帯増、家事の時短などなど。
そこに昨年来の
「テレワーク、外食自粛」
時代・社会背景はこの市場は追い風と言えます。
2.競合
宅配弁当といえば、メジャーどころは老舗の「タイヘイファミリーセット」、高齢者向けの「ワタミの宅食」などが思い浮かびます。
noshはこれらとは対象顧客が異なりそうで、同社の去年8月のリリースでも、
「20~40代の女性の利用が中心でしたが、新型コロナの感染拡大を受けて、一人暮らしのサラリーマンなど『自宅待機ユーザー』からの注文が増加しています」
メイン顧客は現役世代の女性や単身の一人暮らし。
そうすると、この層向けの競合他社はどこか?
以下サイトには
①健康三彩
②美健倶楽部
③わんまいる
④彩りダイニング
⑤ウェルネスダイニング
この中から、割と情報量が多い①③⑤社を取り上げ、
「noshは競合と何が違うのか?」
を比較してみます。
以下の図をご覧ください。
マーケティングの4P「Price」「Product」「Promortion・Place」に当てはめてみると、
それぞれの項目で赤字にしている所が他と差別化されているかなと感じた箇所です。
ちなみに差別化はnoshのメイン顧客である20~40歳の働く女性にとってという視点で見ています。
価格は僅差ですが、noshが一番割安です。
1食600円以内、続けたら500円を切る。
継続するためには払い続けられる価格であることが条件ですから、ここは大事ですね。
次に、商品。
栄養はどこも低カロリー・低糖質・低塩分・高タンパクなど大差は感じません。
コースは「わんまいる」が1種類しかなく選べない以外、他の3社は同じようなコースを揃えています。noshがトレーニングなど若い人向けになっている点が若干違うところでしょうか。
容器はnoshが他社に勝ってますかね。
スタイリッシュさと、利便性(そのまま温めて、食べて、捨てる)は女性受け良さそうです。
※nosh容器
最後の販促・販売ですが、
noshは会員製です。
登録しないと買えません。
購入は自社サイトもしくはアプリ。
宅配弁当でアプリがあるのは恐らくnoshだけではないでしょうか。
以上4社を比較すると、健康三彩とわんまいるは特徴が感じられず、ウェルネスダイニングは生活習慣病予防といった予防食と感じられました。
対するnoshは、
・メニュー(60種類でサイトを見る限り美味しそう)
・HP(他社よりも数百倍スタイリッシュ)
・容器(おしゃれ且つ利便性良し・地球に優しい)
・コース(ダイエットやトレーニング)
・アプリ(発注しやすい仕組み)
などは若年女性や単身一人暮らしのニーズを捉まえていると感じました。
ただ、今回分析を進めているとnoshと酷似しているサービスもいくつか散見されました。
恐らく、noshの成功を見て後発で参入してきたのでしょう。
今後は競争過多になると想像します。
3.自社
強みは2つあります。
一つ目は、対象顧客のニーズに合致したサービス展開していること。
noshは会員制であり、アプリがあります。
これにより顧客の声を収集し、それをサービスに即反映している様子がうかがえます。
noshのアプリです。
ここにユーザーからの9,041件の評価・レビューがあるのですが、高評価もあれば低評価もあり、賛否両論といった感じです。
注目はここでの意見、
「容器の改良」や「メニュー数を増やして欲しい」「アプリの使い勝手」「UIの改善」
などなど。
最近、パッケージ(容器)が改良されましたが、これなどはまさにアプリに挙がっている顧客の声。
このような顧客の声をサービスにつなげることは顧客満足度を高める上でとてもよい取り組みと言えるでしょう。
二つ目は、会員にならなければ購入できない。
つまり、一度でも購入した人は個人情報が全て登録され、同社のリストになります。
このリストに対して、継続に向けたアプローチをしていることは想像がつきます。
新規顧客獲得ともども、既存顧客にアプローチできる仕組み(リスト化)も同社の強みと言えるのではないでしょうか。
4.まとめ
ここまで3Cで見てきました。
分析結果として成功要因は、
「現段階で想定顧客に対してのライバルが不在」
「想定顧客のニーズを反映している(その仕組みがある)」
「会員制によりリスト保持」
といったことが挙げられると思います。
あと、私が個人的に思ったのは、女性が好みそうな食、例えば
「低糖質や低塩分」
「自然食材」
「ヘルシー」
「カラダに良い」
「(そこそこ)美味しい」
「(オシャレ感があり)食べていることで優越感を感じられる」
「調理は簡単(温めるだけ)」
「(そんなに金額は)高くない」
これらって外食先もそう多くなく、売っているところも限られたり、割高だったり。
それが、noshによりある程度実現してしまった。
わざわざ買いにいかなくても、食べに行かなくても、
「カラダに良くて、美味しくて、手間暇かける必要がない食事」
が家まで届く。
これって普通に考えると結構凄いことですよね。
5.今回の学び
①顧客ありき、顧客は誰か決める。
②その顧客のニーズを満たすにはどうすればよいかを考える
(今回の事例だと、何を食べたい?どこで食べたい?調理されている?自分で調理?買いに行く?運ばれてくる?価格は?続けたくなるには?)
③顧客とコミュニケーションを取り、その不を一つ一つ解決する
④リスト化
以上になります。
最後までお読みいただきありがとうございました。