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「高畑勲展」に見る、日本アニメの素晴らしさと機会損失

*24/6/9追記 タイトルのみ変更。(本文の変更無し。)
       変更前タイトル:「高畑勲展」に行ってきました。
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先日、静岡市美術館で開催されていた、「高畑勲展 -日本のアニメーションに遺したもの」を観に行ってきました。


1.展覧会概要

 以下、静岡市美術館のサイトから引用させていただきます。

日本のアニメーションの礎を築いた
スタジオジブリ・高畑アニメーション創造の軌跡
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1960年代から日本のアニメーションを牽引し続けた高畑勲(1935-2018)。『アルプスの少女ハイジ』や『火垂るの墓』、『かぐや姫の物語』などの監督(演出)を務め、それまで映画化は不可能とされてきた題材や新しい表現に次々と挑戦し、国内外の制作者にも大きな影響を与えました。本展では宮﨑駿や大塚康生、小田部羊一など、初期から高畑作品を支えたスタッフによる絵コンテやレイアウト、原画、背景画とともに、高畑直筆の制作ノートや企画書、音楽設定など、1300件超の作品や資料をとおして名作アニメーション誕生の裏側を展観します。また、絵を描かない高畑の「演出術」というポイントに注目し、多数の未公開資料も紹介しながら多面的な作品世界の秘密に迫ります。

静岡市美術館のサイトより

2.所感

 どれも素晴らしい展示だったのですが、特に印象に残ったのが、「アルプスの少女ハイジ」に関連する展示。主人公ハイジのデザインスケッチやアルプスの背景画、セル画が展示されていましたが、どれも息を呑むほど美しかったです。
 背景画(風景)については、ロケハン(現地取材)することで、リアルな背景(スイスの山並み)が生み出されているとのこと。これらの展示を観て、(このようなくくり方は適切でないかもしれませんが)「日本人って、本当に器用だよな...」と感銘しました。わざわざ海外まで出かけていって現地を取材し、その結果として、あの美しいアニメーションが生み出されているなんて、感動以外のなにものでもありません!!!
(他の国でこんなことが出来る人、いないですよね???)

 今回の展示では、「アルプスの少女ハイジ」の主題歌の場面も映像で流れていたのですが、ついつい何度も観てしまいました。アニメーションもさることながら、またあの音楽(「♪ くちぶえはなぜ~とおくまできこえるの あのくもはなぜ~ わたしをっているの」)が美しいです...
 惚れ惚れして、時間が許せばもうエンドレスに観て(聴いて)いたいくらいでした。(子供が音楽再生等をエンドレスにリピート要求するのとは少し違うのかもしれませんが、それに近しいものがあるように思いました。)

3.思ったこと

 アニメーションコンテンツは、日本が世界に誇れる宝(芸術的価値の極めて高いもの)だと思いますが、これが常設展示でないのが、非常にもったいないように思います。常設展示にすれば、海外からも人を呼び込んで、かなりの収入につながると思うのですが...商売下手ですね。

 少し話がそれますが、先日、サウジアラビアにドラゴンボールのテーマパークが建設される、というニュースを観て、こちらもなんだかなと思いました。

 日本で建設して、日本に海外からの観光客を呼び込めれば、テーマパークの収入だけでなく、ホテルや飲食店をはじめ、国内の観光関連産業の収入につなげることもできたのに、つくづく残念です。

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