01:購入の目的(動機)
マイホームの購入にあたっては、購入の目的(動機)を整理しておくことが大事だと思います。マイホーム購入は人生の一大イベントですので、本当に購入すべきなのか悩む場面が実際に何度もありました。
買った後で後悔しないためにも、マイホーム購入の動機を何度も確認し、強い気持ちを作り上げることは大切だと思います。
1.賃貸派の言い分
我が家(私)は、長らく賃貸派でした。
まず、大きな理由としては、会社の「家賃補助」があったことが大きかったです。
家賃補助がなくなると、単純計算で月額約3万円、年間約36万円の減収となります。この家賃補助という“特権”を自ら捨ててまで、マイホームを購入することに、インセンティブを見い出すことは私には中々できませんでした。
また、「ローンを組むことへの抵抗感」も大きな理由でした。
ローンを組むということは、将来を固めるということにも繋がります。たとえば、ローン返済のために安定した給料を放棄するような転職は難しくなりますし、離婚も易々とはできなくなります。実際にやる、やらないはともかく、そういった「人生の選択肢」が無くなっていくというのは、壮年期の人間にとっては中々苦しいものがあるのです。
その他にもマイホーム購入には「絶対に間違えられない選択肢を選び抜かなければいけない」というプレッシャーがあるということも、私が長らく賃貸派となっていた理由の一つでした。
もしも家が欠陥住宅だったら、もしもお隣さんがヤバい人だったら、もしも住環境が思ったものと違っていたら…。賃貸であればやり直しがききますが、マイホーム購入では基本的にやり直しがききません。(買い替えは中々できるものではないですもんね、)そういったリスクをあえて取りに行くというのは、それなりに覚悟が要ることだと思うのです。
2.購入派への転身
そのような中、なぜ私がマイホーム購入に至ったのか、言い換えれば、なぜ賃貸派を抜け出し、購入派に鞍替えしたのか。その最も大きな理由は「環境の変化」です。
具体的には、3人目の子供が生まれて5人家族となったことから、選べる賃貸住宅物件の幅がとても狭くなってしまったことがキッカケです。幸いなことに、それまでは駅近で50平米程度の賃貸マンションで不満なく生活できていたのですが、さすがに遊び盛りの子供3人になってしまうと、これまで不自由のなかった住環境でも、もう耐えられなくなってしまったのです。
また、今より広い賃貸物件を探してみましたが、そもそも物件数が少ないうえに、物件が見つかったところで家賃が今の1.5倍以上となってしまい「この家賃なら買った方がお得じゃないの?」と思うようになりました。
3.購入派の言い分
さて、ここで徐々に賃貸派から購入派に傾いてきました。マイホーム購入のメリットはなにか。
まず、「物件の所有者になれること」。賃貸物件だと物件に傷付けてはいけない(本当は直せば問題ないはずなのですが…)、物件をカスタマイズできない、家賃を払い続けても資産は何も残らない、など賃貸特有の不満はマイホーム購入で全て解決されます。とりわけ、最後の資産性については、購入派として強力に後押しする動機になってきました。
次に「物件の選択肢が多い」というのも、私にとっては大きなメリットでした。先にも説明しましたが、ウチの周りでは広い賃貸物件は数が少ないうえにあったとしても駅から遠い築古物件ばかりでした。築年数が最も若くても築15年くらい、平均だと築25年くらいの物件しかありません。(2021年時点)そうなると、子供が大きくなる20年後には築45年、そこから更に30年近く住まなければいけないわけですから、そう考えるとちょっと現実的に住める物件は見つからないわけです。
それに対して、購入であれば新築、中古、戸建、マンションなど様々な選択肢があるわけです。ただ、別の回で説明しますが、それでも我が家の財務大臣のお眼鏡に適う物件は中々見つかりませんでした。購入派ですら中々見つけられない自身に合った住宅を、賃貸派が見つけるのはまさに至難の業といえるでしょう。
また、メリットというより「新築物件が次々と売れていく危機感」があったというのも大きな要因だったようにも思えます。
ただでさえ希望物件があまり見つからないのに、良さげな物件はたちまち売れてしまう、絶対に買わないと思っている物件は残ったまま。このままでは良い物件は無くなってしまうのではないか、そんな危機感が購入を促したのも事実です。
「住宅ローン金利の上昇」も購入を急かす要因となりました。ここまで来たら完全に購入前提の思想ですが、2022年初頭に米国の金利政策や国際情勢により、しばらく続いていた歴史的低金利が急騰し出しました。日本は低金利政策を続けていますが、そのために円安が進みインフレが起きつつあるため、日本がいつまで低金利政策を維持できるかは不透明な情勢と思っています。
我々庶民にとってマイホーム購入に住宅ローンは必須であるため、住宅ローン金利は死活問題です。住宅ローン金利が低いうちにマイホーム購入をした方が良いという想いもマイホーム購入へ拍車をかけました。
4.まとめ
私の場合は、もう賃貸環境では耐えられないと感じたことがマイホーム購入の動機になりました。
可能であれば賃貸を継続していたかった。しかし、今の生活や今後を見据えてQOLを維持しようとすると賃貸では限界がきた。(それを満たす賃貸物件を借りるくらいであれば購入した方がマシと思うようになった。)
以上が、賃貸派vs.購入派への私のアンサーになります。当然、人によって環境はさまざまで、私の場合はそうなったということなので、どちらが正しいという話ではないと思います。
ただ、賃貸派とは違って、購入派になるにはそれなりの覚悟が必要そうだということだけは言えると思います。
次回は、マイホーム購入を決断した人が事前に検討すべきことをご紹介したいと思います。