【寺田てら展】「SensiouS」、徹底リポート。
どうも。生焼けレバーデストロイです。
11/20~12/8まで、銀座松屋で開催の寺田てらの個展、「SensiouS」。
(尚、サムネの画像はこの投稿から引用)
先日、やっとこの展覧会に行ってきた。
行ったはいいものの、もう開催期間が一週間を切っている。
今からリポート書いても間に合わないのでは…?
何としてでも多くの人の目にかかるよう、焦っているので多少の不備は容赦していただきたい。
早速リポートをしていく。
寺田てらについて
※12/4追記
この章ですが、情報が結構アバウトなので信ぴょう性が低いです。後日めっちゃ詳しい年表的なものを書こうと思います…。_|\○_
寺田てらについて最低限の情報を書いておく。知っている自信がある人は読み飛ばしてもらって構わない。
寺田てらは1993/1/6、ドイツで生まれ、幼少期の10年間をドイツで過ごした。いわゆる帰国子女である。
日本に帰国後、中高の学生生活を経て「東京造形大学」に入学。この時期からインターネットでのイラスト活動は始めていたと思われる。(詳細な時期については不明だった。)
大学卒業後はデザイナー職の就職試験を合格し、フリーランスのデザイナーとなる。
フリーランスになった後、ボカロPのナユタン星人との共著、「恋するメダ子さんの侵略計画」、ナナヲアカリの多くのMVのイラストを手がけ、知名度が上昇。
その後もボカロ関連のMVを多く手がけ、主に10代~20代の女性から大きな支持を得ている。
展覧会の概観
次に、展覧会の構成について概観する。
くれぐれもネタバレにはならないように書くので、これから行くつもりの人も安心して読んでもらいたい。
1.「てきとう女子。」の展示
まず最初に見えてくるのが、「てきとう女子。」の展示である。
「てきとう女子。」とは、寺田てらが2015年頃(?)から手がけ始めた、「適当に生きる女子」をテーマにしたキャラクター群。
その圧巻の物量に驚かされる。キャラクターが沢山いるので、自分の好みのキャラクターを探すしてみるのもいいかもしれない。
2.本展覧会の書き下ろし
次のブースでは今回に展覧会に寄せて書き下ろされたイラストを見ることが出来る。
書き下ろしは公式のTwitterなどでも見ることが出来るが、やはりリアルに存在することの素晴らしさたるや。息を飲むほどの迫力があった。
尚、グッズコーナー前のブースでこれらの作品の受注生産商品を申し込むことが出来るので、万が一盗ってしまいたくなっても安心だ。
3.てん死ちゃんゾーン
書き下ろしのブースを抜けるとまず目に入るのが、
ドン!
てん死ちゃんの立体物。
名をドデカてん死ちゃんというらしい。
確かに大きくはあるのだが、全高が可愛らしいサイズで、何とも言えない緊張感がある。
てん死ちゃん周辺には、書き下ろしが続いており、目を見張る作品が多くあった。
4.何て言えばいい?ブース
その次がこのブース。自分の語彙力だと何とも形容できなかったのでイメージ図を載せておく。
言い表せないって言うのも無理は無いと思う。うん。
ここでは色ごとに作品が並んでおり、(おそらく)新旧様々な作品を展示してある。ここも物量が凄まじい。
フォトスポットもあるので是非写真を撮ってみてほしい。
5.企業とのタイアップやボカロ作品群
(一応)最後のブースでは、寺田てらが手がけてきた企業とのタイアップやボカロのMVの原画、さらに過去の展覧会グッズなどが展示されている。
多分寺田てらを知ったきっかけたるものがあるはずなので、探してみると面白いと思う。
超個人的な話だが、11/11まで開催されていた「SIGN展」のヴィーナスの背面のイラストを見れたのがとても嬉しかった。
6.何気に一番見るべき出口
もう出口だ。楽しい時間はあっという間。
しかしここが何気に凄い。
寺田てらが今までに手がけたイラスト、落書き(自分は全然そうと思わないが)が壁いっぱいに貼られている。てきとう女子。の比ではない。
面白いイラストが沢山あったので、注意深く見てみてほしい。
7.グッズやその他
グッズコーナーもかなり充実している。
特にキーホルダーやステッカー、ぬいぐるみが多かった印象がある。
そうした「一般的な」グッズの他にも、展示されていたイラストをそのまま使用したNC帝國とのコラボバッグや、コラボギターの注文が可能。
公式サイト(こちら)からグッズを確認できるので、事前に考えておくのもアリだ。
それに加え、ここまで来て言うのは酷かもしれないが、寺田てらの描いた「今日のひと言」が会場内に巧妙(?)に隠されている。
最終日には全て公開される予定だが、自力で見つけて見てほしい。
(もしわかんなかったら係の人に聞こう。すんなり教えてくれる。自分はそうした。)
本展覧会を主観から考察
ここからは展覧会に行ってから読んでいただきたい。行ってない人・興味ない人は問答無用ブラウザバック。
本展覧会を通して考えたことを完全な主観で述べていく。
寺田てらのデフォルメには3種類ある
一番感じたのがこの点だ。寺田てらのデフォルメは作品によって等身が異なっており、頭身で分けた時、大まかにはなってしまうが、以下の3つの種類があると考える。
・平均的なデフォルメ
・イラスト的なデフォルメ
・デザイン的なデフォルメ
上から見ていこう。まずは平均的なデフォルメ。
頭身としてはだいたい4~6くらい。初期の頃の作品や今回の書き下ろしの多くが当てはまる。
このデフォルメの仕方の特徴としては、「絵画的」であることだと考える。
噛み砕いて言うと、多層な解釈ができる深い意味合いを持っている作品のこと。
寺田てらの作品のほとんどが何らかの意味を孕んでいるのだが、このような作品だけ段違いで多くの意味合いが伝わってくる気がした。
そのような点において、完全に一つの絵画として完成していると言える。
二つ目はイラスト的なデフォルメ。
頭身は3~4前後ほど。半数以上がこのデフォルメに当てはまると思う。
このデフォルメの特徴は、「一枚絵」として完成しているところ。
イラストと絵画の違いだが、個人の考えとしては、絵画が一定の親近感を持ったものがイラストないし一枚絵であると考える。
寺田てらはこの親近感を作品に持たせるのがとても上手く、それこそが多くの共感を呼び、支持を集めてきた理由だと思う。
三つ目がデザイン的デフォルメ。
頭身は1~3ほどでかなりデフォルメが進んでいる状態だ。ドデカてん死ちゃんの立体物が顕著な例だ。
このデフォルメの仕方は、やはり寺田てらがデザイナーであるからこそなせる技であり、とにかく寺田てらの絵の持つデザイン性にフォーカスされている。
このデザイン性は親近感以前に我々が直感的に感じ取れる。
だから、初見で見た時にも大きな拒絶を生まない絵を生み出せているのではないだろうか。
以上のように三区分で分けたが、作品の情報量が多い場合、いやそうでない場合でも、これらのデフォルメが混在しているのである。
そこに寺田てらの魅力こそが詰まっていると思っている。
寺田てら、「Kawaii」の追求
可愛い、って言われたらそんなんわかるわって話なんですが、ここで言う「Kawaii」とは、日本のオタク文化に潜むいじらしさや趣深さを指す。(完全な定義は難しいので、各自で調べてみてほしい。)
今回の展覧会でびっくりしたのが、割と年配の方も見受けられたことだ。
流石に一人二人ではあったものの、寺田てらの描く「Kawaii」は老若男女に通じるのである。
自分も寺田てらの作品に対して、色々考察したり意味をくみ取ったりするが、やはり最終的に先行するのは可愛いの感情なのである。
純粋な「Kawaii」の追求が、寺田てらの作品が多くの人に支持される秘訣なのだと思う。
企業とのタイアップにおいて
寺田てらは、企業とのタイアップが多い。普通このくらいタイアップしていたら、個性が風化していくだろう。
しかし寺田てらは色褪せるどころか表現の洗練度を上げていっている。
親近感を超えて伝わるイラスト。これこそ最大の寺田てらの強みであり、企業からも広告を託される理由であると考える。
あとがき
いかがでしたか。あんま慣れない論文調で書いてみたわけですが。
便宜上ずっと呼び捨てになってしまっているのは謝罪いたします_|\○_
今の自分を半分形成したと言ってもいい人物ですからね。つい熱が入ってしまいました…
思ったより早く書けて満足しています…!こういうのはなるべく早めに書いた方がいいですからね!
いやぁ、ほんと、行ってない人は早く行った方がいいです。絶対後悔します。
読んだ方は是非拡散お願いします!🙏
いつか会ってみたいです。寺田てら大先生。
それじゃ。また。