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ほ・ほ・ほーたる来いコッチのミューズはこーわいぞー、な話。

ポップで・身近な・等身大
コレらの単語の真逆に居るのがフローレンス・アンド・ザ・マシーンだと思う。

女性ボーカルの中で1番好きなんだよなあ、フローレンス・ウェルチ。
「女性」と言い切るとなんか今は問題起きそうだけど、ここは敢えて付けたい。だって(ちょっと極端な話だけど)このヒト女性じゃなかったらこんな表情の声出せるのかな?って思う。勿論男性に生まれていたとしても絶対ひと角のアーティストになってるだろうけど。

荘厳な楽曲・神々しい歌声・威風堂々たる佇まい。
正にソレはミューズそのもの。

基本的にはキリッと凛々しい理知的な声なんだけどソコに感情的な膨らみもあって。何処までも伸びていきそうなハイトーンは軽やかなのに、細やかな鈴の音のよーな繊細なビブラート。また低音が迫力あって不安を掻き立てられるとかホント完璧。いつ怒り出すか分からん神をおっかなびっくり相手してる情緒になる。
バックを支える伴奏も楽器の種類が豊富でオーケストラみが強く、それがスケールのデカさを強調するんよね。太陽は専用のスポットライトで風もいい塩梅で髪をたなびかせる。全て引っくるめた降臨の為の舞台装置。

腹の底に怒りを隠してるよーな声なんだよ。海底火山さながら普段はそんな素振り一片も見せないのにひとたびキレると大洪水起こす、そー言う静かな怒り。

(神話っぽいPV選んでみた。ちょっと俗っぽいシーンが含まれるのは神の恋愛が実は奔放で嫉妬に塗れて意外に人間臭いからだと思ってる。こじ付けが過ぎる?いやいや神様と人の関係はいつでも人間側の一方的なこじ付けからだから。)

ついでだから言っちゃうけど神話に出て来る女神って結構DQNじゃね?
たまたま水浴びしてるトコに出会しただけの未来有る若者を「のび太さんのエッチ!」位のノリで鹿に変えちゃうんだぜ?
見られんの嫌なら家で入れ家で!しずかちゃんだって家風呂だからのび太に水掛けてんの!!


20代の頃、め組の大吾(作者は「昴」の作者でもある曽田正人先生)って漫画が好きで読んでたんだけど、その中でも特別鮮烈に頭に残ってる登場人物が居て、ソレが平一馬っちゅうアクの強いキャラクター。

ある日主人公の勤める消防署に出た欠員を埋める為に移動してきた平。彼は出火に対して燃え広がり方を予測して効果的に仕事をする。感情的になりやすい主人公に対して「消火はココ(自分の頭を指差し)やで」と余裕綽々な態度。仕事が出来る人なんだけど、それだけじゃ無い。
ある夜に主人公が平を訪ねると、彼は部屋を真っ暗にしてローソクを並べて揺れる炎を水鉄砲で打ち消すと言うトラウマになりそうな奇行に勤しんでいる「こっちに撃てば炎がコッチに逃げる、そこを狙って‥」主人公の訪問を気にせず暗闇で楽しげにミニ消火活動ゲームに興じる平姿に主人公のモノローグが重なる。
「この人は、消防官になっていなかったら、放火魔になっていたんじゃないか‥?!」

就職や離職のドタバタがあって物語を追いきれなくなってしまったのだけど、平さんのそのシーンは今だに頭に染み付いてる。(改めて調べてみると私が読んでいたのはシリーズ1であって、最新シリーズが現在も連載中のようです。)
こう言う極端で危うい一面を持ったキャラクターが昔から好きで憧れだったから、このバンドに惹きつけられたのも必然だったんだろな。


さっき等身大とは真逆のって書いたけど祟るって神の等身大の行為だから。もうしゃーない。覚悟決めて祟られるしかない。
少し間を置いてしまったな、と思って久々にアルバムを聞くとヒステリックとも取れる強い歌声に毎回背筋がゾッと泡立ってしまう。
そして、しまった生贄が足りなかったかと、慌てて自分の時間を捧げてしまうのだ。

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