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【ドラパルト研究①】環境随一の破壊力! デッキの強み編

こんにちは。へる(@onaka_heru3_pcg)です。

今回からは長い間一定の人気がある【ドラパルト】の研究をしていきます。

《ドラパルトex》は《リザードンex》と共に2進化exポケモンの双璧として、長くTier1に居座り続けていたカードです。最近のシティリーグでは入賞率が若干落ちたかな?と思いますが、それでも意識せずに大会に参加することはあまりないでしょう。

今日の記事は【ドラパルト】のデッキの強みについて解説します。

※文中では以下のカードを略称で表記します。
《ドラパルトex》→《ドラパルト》
《レジドラゴVSTAR》→《レジドラゴ》
《ワザマシン エヴォリューション》→《エヴォリューション》
《ワザマシン デヴォリューション》→《デヴォリューション》


■サンプルリスト

「超電ブレイカー」環境(11/2〜11/15)の優勝・準優勝リストを集計したところ、デッキの型が複数に分かれていました。(全12件)

・《ネイティオ》型:5
・《ヨノワール》型:4
・《ピジョットex》型:2
・ロスト型:1

なので今回は使用率ツートップの《ネイティオ》型と《ヨノワール》型に絞って考察していきます。

なお初動を《テツノイバラex》を採用している通称【イバラドラパルト】に関しては今回除外しています。リストを見るとまるで内容が違いますし、一つのアーキタイプとして存在しているように思えました。なので別の機会があればその時に記事しようと思っています。


《ネイティオ》型

cYxx8x-tDTvPO-48c4Kx

前述の集計を元に、採用数の多かった割合でまとめたリストです。概ね想定通りといった感じで、《デヴォリューション》の不採用が多かったり、スタジアムの枠を各々の仮想敵に応じて入れ替えるくらいで落ち着いている気がします。


《ヨノワール》型

cxYx8J-GNXUzI-44xx8x

2025 Pokémon Dortmund Regional Championshipsで優勝したオカダ リュウキ選手のリストをそのまま使用しています。集計リストとも比較してみましたが、《ハイパーボール》が1枚《テラスタルオーブ》に変わっている傾向があるくらいで、ベースは同じでした。


■ファントムダイブの破壊力

「ファントムダイブ」は2エネでバトル場に200、ベンチにダメカン6個の合計260ダメージを場に蓄積できます。使用条件なしの2エネワザとして破格のダメージ効率です。

特にベンチに好きなようにダメカンを乗せる効果が肝で、ワザの強さのほぼ全てを担っていると言っても過言ではありません。


HP60以下のポケモンの存在を否定する

HP60までのポケモンなら、ワザを使うだけでついでに倒せます。なので《ポッポ》や《ヨマワル》を擁する【リザードン】に強く出られますね。

そもそも、現環境の進化デッキの大半はHP70以上のたねポケモンを採用していますが、これはドラパルトが登場した影響でしょう。

たねポケモンの採用基準がワザ・特性の性能から、HP70以上かどうかに切り替わっていることを考えると、それだけ「ファントムダイブ」が脅威だったことが分かります。進化できなかった場合、ワザを使われただけで盤面が焼け野原になってしまいますからね…


一度の攻撃でサイドが複数枚取れる

複数箇所にダメージを与えられるので、特定のポケモンにダメージを蓄積し続けて倒せば、攻撃回数以上のサイド獲得が見込めます。これはサイド1ポケモンを主体とするデッキ相手に大きなメリットです。

本来サイドを1枚ずつ取らせて、その間にサイドレースを追い抜くのがそれ等のデッキのコンセプトなのですが、高耐久と複数箇所への攻撃により、追い抜くための時間が与えられません。


また複数箇所にダメージを与える際、あえてサイドを取らないように調整する選択肢があります。

サイドを取らないようにダメージを調整することで《キチキギスex》や《アンフェアスタンプ》を使わせず、必要な攻撃回数は変わらない動きが可能です。

手札干渉だけでは簡単に復帰されてしまう要因

特に《キチキギスex》は強力な分多くのデッキで採用されていますし、リソースの確保をする際に依存しがちです。それを使わせずに手札干渉とドラパルトの耐久力を押し付け、突破するためのハードルを著しく高くできます。

加えて、一度に取れるサイド数をある程度コントロールできるということは、相手のサイド数に応じたカード・効果を強く使わせない利点にもなります。

ここでも【リザードン】への優位性が出ており、「バーニングダーク」のダメージが思うように増えなかったり、《カウンターキャッチャー》や《ブライア》が使いづらくなったりします。


“ダメカンを乗せる”効果

盤面を複数攻撃するだけなら「げっこうしゅりけん」や「トライフロスト」のように、より使いやすい、あるいは強力なワザの選択肢があります。

しかしこれ等は“ダメージを与える”効果なので、《マナフィ》を置かれるとベンチにダメージを与えられなくなってしまいます。ポケモンがメタカードなのでボール系カードなどでアクセスされやすいのも難点です。ベンチが対象だと『テラスタル』相手にも効果がありませんね。

その点「ファントムダイブ」は“ダメカンを乗せる”効果なので関係ありません。汎用的に搭載できる対策も《ベラカス》か《ミストエネルギー》くらいと、手間がかかったり、アクセスに難があったりする手段です。当然『テラスタル』相手にも問題なく通ります。


以上、いくつかワザの強みを挙げました。

このカードが登場以降《レジドラゴ》が一線級で活躍するようになり、ポケモンの採用基準が変化したことを考えると、環境随一の破壊力を持つワザと言っても差し支えないでしょう。


■《レジドラゴ》にはない利点

「ファントムダイブ」を使うだけなら、より安定しつつ色々なワザを使い分けられる《レジドラゴ》でもいいのではないかと思いましたが、《ドラパルト》を使っているうちにこちらにしかない強みが分かってきました。


《ドラパルト》の性能

《ドラパルト》は2進化exポケモンとしての耐久力があり、弱点も存在しません。一撃でHP320を倒せるポケモンは現環境においても限られています。なので複数回の攻撃を前提としたプランを組みやすく、崩しと待ちのどちらも選べるのがいいなと感じました。

一方、《レジドラゴ》のHPである280ダメージまで行くと、一気に出せる範囲が広がります。倒されない安心感は《ドラパルト》の方が上でしょう。

また『テラスタル』なので、《ブライア》や《テラスタルオーブ》といったカードの恩恵を受けられます。今後カードが増えればそれだけ可能性も広がっていきますよね。ベンチにいてダメージを受けない効果もないよりはあったほうがいいですし。


《ドロンチ》の存在

《ドロンチ》は優れた1進化ポケモンです。《ふしぎなアメ》を使わずに《ドラパルト》に進化する土台を作りながら、「ていさつしれい」で手札の質を高めてくれます。【サーナイト】における《キルリア》のようなポジションが近いでしょう。

ドローソースなら《レジドラゴ》にも《オーガポン》が存在していますが、《ドロンチ》は非ルールの1進化ポケモンなので、流行の特性メタカードから影響を受けづらいです。


他のダメージ調整要素と組み合わせやすい

「ファントムダイブ」だけでも十分強力ですが、それに

  • 《かがやくフーディン》の「ペインスプーン」

  • 《ヨノワール》ラインの「カースドボム」

などを組み合わせることで、より効率良くダメージの割り振りや盤面崩しが狙えます。

一方《レジドラゴ》はデッキの固定スロットが多いので、動きに全く関与しない《ヨノワール》ラインは採用しづらいです。かがやく枠もエネルギー面での弱点、アグロデッキ相手への役割を考えると、《かがやくリザードン》が手堅いですしね。


《デヴォリューション》を採用しやすい

「ファントムダイブ」は《デヴォリューション》との組み合わせが好相性です。一度の攻撃で複数のカードにダメージを蓄積できるので、退化で一気にサイドを取りやすくなります。少ない攻撃回数で大きな影響を与えられるというわけですね。

しかし《レジドラゴ》は以下の問題から、進んで採用しづらいです。

  • 《ジャミングタワー》の採用率が高く、アンチシナジーである

  • 縦引きのドローソースが主軸で、1枚採用の《デヴォリューション》を任意のタイミングでアクセスしづらい

その点《ドラパルト》は《ペパー》を動きの中心に据えたデッキなので、欲しいグッズのサーチついでに触りやすいのがいいと思います。


■デッキの型によって強みが異なる

前述の通り、このデッキは集計期間だけでも複数の型が入賞しており、それぞれに異なる強みがあります。今回は使用率ツートップの強みを挙げてみましょう。


《ネイティオ》型

  • 《エヴォリューション》で堅実に《ドロンチ》や《ネイティオ》を用意できる。

  • 《ドラパルト》以外をサイド1ポケモンで盤面を統一できる。

  • エネ加速手段を搭載しているので、手貼りできないターンがあってもカバーしやすい。

  • 《ドロンチ》に加え、《ネイティオ》も非ルールの1進化ドローエンジンとして扱える。


《ヨノワール》型

  • 「ファントムダイブ」までのスピードが速く、盤面破壊性能を活かしやすい。

  • 「カースドボム」により、「ファントムダイブ」だけでは倒せなかった高耐久ポケモンを1ターンで倒せる。

  • 相手の盤面次第では、「ファントムダイブ」の使用回数が少なくても「カースドボム」と合わせてサイドを取り切れる可能性がある。

  • サイドコントロールがうまく、手札干渉サポートをより強力に使いやすい。(本来想定していないタイミングでの《ツツジ》、サイドを取らされて引ける枚数が減った《ナンジャモ》など)


この2つは両極端なので分かりやすく差がありますが、ロスト型や《テツノイバラex》型も加わるといよいよ複雑なことになってきます。これだけ多くの型が分かれているアーキタイプは現環境だとそんなにない気がしますね。

強みのベクトルがそれぞれ異なるのはかなり厄介です。片方に対して有効な戦術がもう片方にはあまり通用しない、あるいは対処方法を間違えてしまったなんてことになりかねません。

ただ一方で《ドラパルト》に共通する弱みそのものは存在していますし、型を変えてもカバーしきれないものがあるからこそ、入賞率が少しずつ落ちているのではないかなと思います。次回はそこら辺を深堀りしていきます。


「デッキの弱み編」に続く。

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へる@平日ポケカ解説
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