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【コラム】これってどういう意味? ポケカやカードゲーム特有の用語を覚えよう
こんばんは! へる(@onaka_heru3_pcg)です!
最近ポケポケの影響で、実物のポケモンカードに興味を持った方もいると思います。そしてそんな方が実践的な知識を身につけられるよう、デッキや競技環境について詳しく解説する記事を書いてきたつもりです。
ただ、そもそもとして
「僕の書いている記事の用語が分からないのではないか?」
という疑問が生まれてきました。
ポケカはnoteでの解説記事が他のカードゲームと比べて活発な印象がありますから、初心者の方でも参考になる記事も多く存在するでしょう。
しかしポケモンカードにおけるルール用語とは別に、カードゲーム界隈やポケカ界隈特有の言い回し、通称のような用語がそこそこあります。そこで本来の意味が分からないまま記事を読んでいても、すんなり理解できない可能性があるな〜と思ったんですよね。
なので今回の記事では、僕がよく使う・見かける専門用語について、なるべく噛み砕いて解説していきます。
ポケカ用語を言い換えた用語
■ドロー
ポケカの公式用語で言うと「引く」のことです。《博士の研究》は「7枚ドローするサポート」というような形で使います。
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他のカードゲームでもドローは共通用語のような形で使われており、ポケカでも多用されています。あまりに自然すぎて忘れるくらい当たり前のワードとして浸透していますね。
非カードゲーマーの方でも、遊戯王で「俺のターン! ドロー!」というセリフを目にした機会はあるんじゃないでしょうか。あれです。
■ターン
ポケカの公式用語で言うと「番」のことです。自分の番は「自分のターン」と表現します。
ドローと同じく他のカードゲームで共通用語ですし、馴染み深いのでそのままターンと書いている人がほとんどだと思います。
■マリガン
ポケカでは最初の手札にたねポケモンが1枚もなかった時、引き直さなければいけませんが、これを「マリガン」と表現することが多いです。
「マリガン」はカードゲーム全般で使われている用語ですが、厳密に言えば他のカードゲームと意味が異なります。他のカードゲームでは芳しくない手札の時に自分の意思で行使できる権利なことが多いですが、ポケカは強制的に起きる事象ですからね。
とはいえイメージ的には伝わりますし、広く使われている用語なので、基本的には「マリガン」と言っています。
■手貼り
ポケカのルールにおける“自分の番ごとに1回、手札からエネルギーをつける行為”のことを指します。単純に長くて言いづらいですからね。
ちなみに《ナンジャモのハラバリーex》の「エレキストリーマー」のように、カードの効果で手札からエネルギーをつけた場合は、手貼りの権利は失われません。
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■非エク、非ルール
“気絶した時に取られるサイドが1枚のポケモン”という意味で使われることが多いです。
元々僕がポケカを始めたサン・ムーンシリーズの時から存在していた言葉で、当時はポケモンEXがいましたから、それではないポケモンとして区別したかったんですかね。ここらへんは有識者の見解が聞きたいところ。
その後ポケモンGX、ポケモンVとどんどんルール持ちが増えるにつれ、言い換えが面倒なので非ルールの呼びが生まれたような気もします。
ただ非ルールはかがやくポケモンのように、サイド1枚ながらルール持ちポケモンのケースに当てはまらないので、微妙にモヤッとしてしまうんですよね。
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なので僕が記事で書く時は“サイド1ポケモン”と表現することが多いです。
※2/1追記
こういうことを語らせたらピカイチのなにものかさんから、“非エク”呼び発祥の解説記事をいただきました。めちゃくちゃおもしろい歴史の勉強になるので、ぜひどうぞ。
■狙撃、ばらまき
“バトル場ではなく、ベンチのポケモンにダメージを与えるワザ”を狙撃と表現します。最近出た《ホップのザシアンex》の「せつなぎり」は狙撃付きのワザです。
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ちなみに「ばらまき」はベンチのポケモン複数に対して効力があったり、自由に置ける効果持ちの時に使う事が多いですね。《ドラパルトex》の「ファントムダイブ」は、狙撃というよりばらまきという印象です。
■青天井
“ワザのダメージ上限がなく、条件を満たせばいくらでも大ダメージが出せるワザ”を指します。最近だと《タケルライコex》の「きょくらいごう」、《ソウブレイズex》の「しんえんほむら」や、《サーフゴーex》の「ゴールドラッシュ」が該当しますね。
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青天井持ちのポケモンは、どんな相手でも一撃で倒せる分かりやすさ、爽快感から人気が出やすいです。僕も大好きです。
■縦引き
デッキの上から指定枚数ドローする効果を「縦引き」と表現します。《博士の研究》や《ナンジャモ》は縦引きのサポートですね。
「サーチ」と違い、必ずしも欲しいカードが手札に加わるわけではありませんが、その分手札の枚数は増えやすいです。なので他の選択肢が取りやすかったり、その後のゲームが進めやすくなる利点があります。
戦術的な用語
■圧縮
カードの効果でデッキから不要なカードを取り除いておく行為を「圧縮」と表現します。例えば《ハイパーボール》で現状全く不要なポケモンを手札に加える行為はデッキを圧縮してます。
ちなみになぜ圧縮をするのかというと、ドローした時に不要なカードを引く確率を少しでも下げたいからです。もしここで《ハイパーボール》を使っていなかったら、手札に加えたポケモンを引いていたかもしれませんからね。
また、手札から不要なカードを使ってトラッシュしておくことも、実はデッキ圧縮に繋がります。
というのもポケカは中盤以降に手札干渉を用いて逆転を狙うことが多いですから、元々あった手札がデッキに戻る上、手札を減らされる状況になりがちです。なので手札の不要札を捨てるのも終盤戦に向けた大切な一手です。
手札干渉を受けた時、如何に有効札を引けるかが勝敗の分かれ目となります。なのでデッキ圧縮がしっかりできるようになると、プレイヤーとして一つ上達したと言えるでしょう。
■サーチ、サルベージ
サーチは“デッキから特定のカードを手札に加える効果”、サルベージは“トラッシュから特定のカードを手札に加える効果”を指します。
例えば《ペパー》はグッズとポケモンのどうぐをサーチするサポートですし、《エネルギー回収》は基本エネルギーをサルベージするグッズですね。
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なお僕は“直接デッキからカードを場に出す効果”をリクルートと表現するのですが、ポケカだとこの用語は殆ど見かけないですね。僕も元々プレイしていた別のカードゲームの名残で使っているだけです。
ちなみにサーチは“パックの中身を判別する違法な手段”として使われることもあります。これはやっちゃ駄目ですよ。
■ハンデス、手札干渉
ハンデスは「ハンド・デストラクション」の略です。相手の手札を何らかの手段で減らす効果を指します。
この中で“相手の手札をデッキに戻して減らす”効果のカードは「手札干渉」と呼ばれることが多いです。例えば《ナンジャモ》や《アンフェアスタンプ》が現環境だと見かける機会が多いでしょう。
手札干渉はポケカにおいて代表的な逆転手段の一つですから、使う・使われる前提でデッキを組んだり、プレイをしていくことになります。
逆にハンデスという用語は、“相手の手札をトラッシュに送る効果”で使うことが多いかもしれません。《クセロシキのたくらみ》はハンデスですね。
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■捲る
「逆転する」という意味で使われますが、より詳しく書くと“不利な状況を何らかのアクションを伴って逆転した”際に「捲る」と表現する機会が多い気がします。
例えば、サイドを1枚取られた後にサイドを2枚取り返した時は、見た目こそ逆転しているものの「捲った」とはあまり呼ばない気がしますね。
しかし元々サイドが負けている状態でサイド1ポケモンを繰り出し、サイド2ポケモンを倒したとしましょう。そこで相手がサイド1ポケモンを倒してくれた場合はこちらの取得サイドが多くなった状況なので「捲った」と呼ぶ事が多いです。伝わるかなこれ(不安)
他にも、手札干渉を交えて相手の動きを止めているうちに逆転する時も「捲る」と言ったりしますね。それを勝利プランとしてあらかじめ組み込んでいるデッキを「捲るデッキ」と表現します。前環境の【リザードン】や【サーナイト】は典型的な捲るデッキと言えるでしょう。
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■打点・火力
ポケモンが相手に与えるダメージのことを指します。特に環境で使われやすいポケモンのHPを基準として話す時、〜打点と表現して伝えることが多いですね。「170打点あれば、2回の攻撃で2進化exポケモンが軒並み倒せる」とか。
ちなみに僕は特に高いダメージのワザを持つポケモンを「高火力」として表現することが多いのですが、他のカードゲームだと用途が異なります。
他のカードゲームでは相手プレイヤーにダメージを与える手段として、モンスターで攻撃するか、カードの効果で直接ダメージを与えるかで分かれているものがあるんですよね。その場合の「火力」は後者のカードを指すことが多いので、話が噛み合わなくなります。次から高打点て書こうかな…
■軽い・重い
カードのコストや条件を見た時の使いやすさを表す用語です。ポケカだとワザを使う時に要求エネルギーが少ないワザは軽く、多いワザは重いと表現できます。
またたねポケモンは2進化ポケモンに比べてすぐに場に出せますから、軽いと表現することもできるでしょう。そこから連なって、たねポケモン主体のデッキは軽く、2進化ポケモン主体のデッキは重いと言えます。
■勝ち筋・負け筋
勝ち筋は“この状況下で何をすれば勝利に繋がるか”、負け筋はその逆で“この状況下で何をされたら負けうるか”を表す用語です。大体ゲームが進行して状況が動き、選択肢が限られてきたタイミングで使われることが多いと思います。
例えば相手のバトル場のポケモンがサイド1ポケモンで、自分の残りサイド数が2枚だとしましょう。この状況で《ボスの指令》を引ければ相手のベンチのサイド2ポケモンを呼び出して倒せば勝ちですから、この行動及び《ボスの指令》は「勝ち筋」と言えますね。
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逆に相手からすれば「負け筋」は《ボスの指令》ですから、ベンチのサイド2ポケモンを《フトゥー博士のシナリオ》で手札に戻したり、相手の手札を《ナンジャモ》で少なくして抗うでしょう。この行為を「負け筋を塞ぐ」と表現します。
■システム、置物
デッキにおける戦術の重要な役割を担っていて、かつ場に維持するカードを「システム」や「置物」と表現することがあります。僕は前者を使う事が多いです。
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例えば《セグレイブ》の「きょくていおん」は【パオジアン】デッキの根幹をなす特性ですから、このデッキにおけるシステムポケモンですね。
なのでシステムがハッキリしているデッキ相手の時は、そこを《ボスの指令》などで的確に潰せると、有利に試合を進められます。
■事故、腐る
“使えないカードばかりが手札に来て、あまり動けない状況”のことを「事故」と表現します。これはポケカに限らず、多くのカードゲームで使われている用語ですね。
事故は主にゲームの序盤で使われることが多く、中盤以降で手札干渉により動けなくなった場合は事故と表現しない気がします。「止まった」と言う方が多いですかね。
ちなみに、もう少し狭い表現として「腐る」があります。これは特定の状況下で使えないカードを指すことが多いですね。手札が腐りまくっていると事故に進化するのかもしれません(?)
デッキ・環境的な用語
■アグロ
戦術的なスピード・テンポが早いデッキのタイプを指す用語として使われます。例として挙げるなら、
後攻1ターン目など、早い段階で攻撃を仕掛ける
毎ターン攻撃を仕掛け、相手よりもサイドを早く取りきって逃げ切る
といった特徴を持つデッキを「アグロ」と呼ぶことが多いですね。前環境のデッキでいうなら【タケルライコ】や【ミライドン】が分類されます。
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ちなみに他にも「ミッドレンジ」や「ランプ」といった、テンポがアグロよりも遅いデッキ・重いデッキを指す用語もあるのですが、ポケカにおいてはほとんど使われません。
これは僕なりの解釈ですが、ポケカは基本的に取れるサイド数も攻撃するターン数も大きな変化がない為、ものすごい早いデッキを除いて分類が難しいからではないかなと思っています。
■ビートダウン
“攻撃することで勝利条件の達成を目指すデッキ”全般をビートダウンデッキと呼びます。
ポケカは基本的にポケモンがワザを使って倒し合うゲームですから、ほぼ全てのデッキがビートダウンと呼べるでしょう。故にあまり使われません。
その代わりに、ビートダウンではないデッキを特殊な呼び方で表現することが多いです。
■コントロール
ポケカでは“攻撃以外の要素で勝利条件の達成を目指すデッキ”としての使われ方が多いかもしれません。
例えば、
相手ポケモンのエネルギーを徹底的にトラッシュして、最終的にワザを使えなくさせる
一部ポケモンからの攻撃では倒されないポケモンを壁にし、絶対に倒されない状況を作る
というようなデッキはコントロールと呼んで差し支えないでしょう。
■LO(ライブラリ・アウト)
“山札がなくなったプレイヤーは敗北する”ルールでの勝利を狙うデッキを「〜LO」と呼びます。前環境だと【カビゴンLO】がそれにあたりますね。
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といっても直接山札をトラッシュして無くすのではなく、相手のデッキの勝ち手段を奪って結果的にLOで勝利するデッキも少なくありません。故にポケカでは前述のコントロールデッキの一部としてLOが存在していると考えて良いと思います。
■Tier
環境におけるデッキの強さを表現する用語です。「ティアー」と読みます。
元々は環境における流行度を表現する用語で、必ずしも強さとイコールではなかったと思うのですが、現在のポケカでは強さを表した使われ方が多いと思いますね。
例えばTier1は環境の中でトップクラスに強いデッキを表します。Tier2はそれには及ばないものの可能性がある強さ、Tier3以降はそれ以外といった感じでしょうか。大会でよく見る中心的な存在がTier1〜2と考えておけば問題ないと思います。
■メタ、環境
大会で流行しているデッキや状況、戦術を指している用語です。「環境」も近い意味があると思いますが、メタという言葉自体が一言で説明するのは難しい概念なので、ここではよく使われる用語に絞って意味を書いておきます。
・トップメタ
最も影響力を持っており、大会に出る上で無視できないような存在のデッキを「トップメタ」と呼びます。基本的に現存するデッキの中で一番強いデッキがそこに居座ることが多いですね。
・メタカード
特定のデッキや戦術に対して有効なカードを「メタカード」と呼びます。例えば前環境であった【ロストバレット】に対する《キュレム》は明確なメタカードでしょう。
■〜バレット
“相手や状況に応じて戦うポケモンを切り替える戦術”を「〜バレット」と言います。前環境の【ロストバレット】は分かりやすいですね。
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ではほぼ《トドロクツキ》でしか戦わない【古代バレット】は何故バレットと呼ばれているのか…? これは僕が復帰した時から既にそういう名前がついていたので、経緯が分からないんですよね… なんでなんだろう…
それで浸透しているので今更覆すつもりはないのですが、自分でつけるなら【古代】とか【小ツキ】とかになりそうです。分かりづらっ。
※2/1追記
有識者なにものかさんから【古代バレット】という呼び名の是非について諸々書かれた記事を教えてもらいました。こういうのはこの人に聞いときゃなんでも教えてくれるんだから。
おわりに
というわけでポケカやカードゲームで使われる用語についてまとめました。
始める前は
「初心者の方には絶対役に立つだろう!」
「記事を読んでもらいやすくなるかもしれない!」「新弾発売直後でネタのキリが悪いからちょうどいいや」
と思っていたのですが、いざ始めてみると凄まじいボリュームになった上、自分でも詳しく説明するのが難しい用語がいくつかあって大変でしたねー。
如何に普段ふわっとした認識で用語を使っているのか突きつけられた反面、フィーリングでカードゲームは遊べるものなんだぜと実感できました。
今回思いついたものから書いたものの、おそらく見落としている用語はあると思います。僕も色々カードゲームをプレイしてきたため、本当の初心者の方の視点には立てていないと思います。
なので初心者の方で分からない用語があれば、ぜひコメントで聞いてください。回答の上、記事に反映していきます。
ではまた!次の記事でお会いしましょう!
読んでくれてありがとうございます!
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