
【準備編②】 Homebrewをインストールしよう
1. Homebrewとは?
HomebrewはmacOSまたはLinux用のパッケージ管理システムです。
NGSのデータ解析を行う際には,複数のパッケージをインストールする必要があります。
パッケージを一つ一つ開発者サイトからダウンロードしたり,アップグレードしたりするのは手間がかかります。
パッケージ管理システムであるHomebrewを使用すると,これらの手間がなくなりとても管理しやすくなります。
様々なパッケージのインストール,アンインストール,アップグレード,ダウングレードをHomebrewから実行できるようになります。
(注意:Windowsのプロンプトでは使用できないようです。Windowsで使用するためにはVirtualBoxなどを利用してUbuntuなどのLinux環境を構築する必要があります。)
2. Homebrewのインストール手順
1. Googleなどの検索エンジンで『Homebrew』と検索して公式サイト(https://brew.sh/ja/)に移動します。
2. インストール用コマンドをコピーしてTerminal画面上に貼り付けて実行(Enterキー)します。

/bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)"
3 . 管理者パスワード(PCログイン時に使用しているパスワード)を求められるので,入力して実行(Enterキー)します。
4. インストールが完了すると,Terminal画面に以下のような表示が見られると思います。
==> Next steps:
- Run these two commands in your terminal to add Homebrew to your PATH:
(echo; echo 'eval "$(/usr/local/bin/brew shellenv)"') >> /Users/○○○/.zprofile
eval "$(/usr/local/bin/brew shellenv)"
- Run brew help to get started
- Further documentation:
https://docs.brew.sh
5. 指示に従ってNext stepsに記載されているコマンドを順番に実行します。
echo; echo 'eval "$(/usr/local/bin/brew shellenv)"' >> /Users/〇〇〇/.zprofile<br><br>eval "$(/usr/local/bin/brew shellenv)"
eval "$(/usr/local/bin/brew shellenv)"
(注意:〇〇〇はご自身のユーザーネームになっているはず。書かれている内容をそのままコピペで実行しましょう。)
これでHomebrewのインストールが完了しました。
3. Homebrewを使ってパッケージをインストールしてみる
wgetのインストール
1 . wgetは指定したファイルをダウンロードできるパッケージで,ダウンロードが何かのエラーで止まった時も,途中からダウンロードを再開できる機能が備わっています。wgetパッケージはmacOSにはデフォルトで入っていないので下記コマンドでインストールしてみましょう。
brew install wget
2 . 以下のような表示が出てインストールできない場合があります。
Cannot install under Rosetta 2 in ARM default prefix (/opt/homebrew)!
Apple sillicon搭載のPCでよく出る表示です。こんな時は先頭に「arch -arm64」をつけて実行します。
arch -arm64 brew install wget
3 . 下記コマンドでwgetがどのフォルダにインストールされたか確認します。
which wget
/Users/user/bin/wgetのようにディレクトリが表示されればインストール完了です。
4. Homebrewのアップグレード
解析がひと段落したら下記コマンドでHomebrewパッケージを全て最新版にしましょう。
解析の途中でアップグレードすると解析条件が変わってしまう可能性があるので,一通り解析が終了するまではアップデートやアップグレードしないようにしましょう。
brew upgrade
または
arch -arm64 brew upgrade
5. 最後に
Homebrewのインストール方法と使い方を解説しました。
バイオインフォではよく使用しますので,ぜひインストールしておいてください。
次回はBiocindaを解説します。