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図解で読み解く「本と世界」

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本を読みながら、考えながら、ついつい物事や概念の関係性を頭のなかで立体的に構造化してしまいます。それらを図解して、文章として紡ぎだしたものたちです。
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#人類

【図解】『関係性の構造』で考える人類史 ~EP2「人間の自然状態」~

「立って歩く」⇒「共同保育」?各自いろいろと答えはあるだろうが、実は道具が出現したのは600万年の長い人類史のなかで比較的最近のことのようだ(といっても250万年前だが)。 では、直立二足歩行で何がもたらされたのか? ひとつは「共同保育」である。 人類は食物が豊富にあった森林からサバンナに出たことで、大型獣による捕食リスクや採食が困難なことによる飢餓とつねに背中合わせだった。そこで集団規模を拡大し、同じ血縁関係にない他者とも積極的な協力関係を築かなければ、厳しい生存環境を

【図解】私的『人新世の資本論』~長い黎明期編~

マルクスが晩年に関心をもったという原始的な協同体における「生活様式」から「資本制生産様式」はどのように発展してきたのだろうか?現在では人類学や考古学の成果により、彼が生きていた頃よりもその変遷を素描することができるようになってきている。今回、自分なりに図解したことを整理してみた。今回は全5回のうちの1回目だ。 私の『人新世の資本論』についての書評はこちら まず押さえておきたいのは、人類がどのようなタイムスパンで「集団生活のあり様」を変化させてきたかだ。霊長類である人類の祖