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図解で読み解く「本と世界」

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本を読みながら、考えながら、ついつい物事や概念の関係性を頭のなかで立体的に構造化してしまいます。それらを図解して、文章として紡ぎだしたものたちです。
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#資本主義

【図解】私的『人新世の資本論』~来るべき〇〇社会編~

マルクスが晩年に関心をもったという原始的な協同体における「生活様式」から「資本制生産様式」はどのように発展してきたのだろうか?現在では人類学や考古学の成果により、彼が生きていた頃よりもその変遷を素描することができるようになってきている。今回、自分なりに図解したことを整理してみた。今回は最終回だ。 私の『人新世の資本論』についての書評はこちら 1回目はこちら 2回目はこちら 3回目はこちら 4回目はこちら 資本制システムの黄金時代集権化された国家権力によって大規模な財政基盤

【図解】私的『人新世の資本論』~資本制生産様式の誕生編~

マルクスが晩年に関心をもったという原始的な協同体における「生活様式」から「資本制生産様式」はどのように発展してきたのだろうか?現在では人類学や考古学の成果により、彼が生きていた頃よりもその変遷を素描することができるようになってきている。今回、自分なりに図解したことを整理してみた。今回は全5回のうちの4回目だ。 私の『人新世の資本論』についての書評はこちら 1回目はこちら 2回目はこちら 3回目はこちら 効率的なエネルギー(石炭)の発見にともなう技術革新により、西欧の国内で

【図解】私的『人新世の資本論』~臣民から国民へ編~

マルクスが晩年に関心をもったという原始的な協同体における「生活様式」から「資本制生産様式」はどのように発展してきたのだろうか?現在では人類学や考古学の成果により、彼が生きていた頃よりもその変遷を素描することができるようになってきている。今回、自分なりに図解したことを整理してみた。今回は全5回のうちの3回目だ。 私の『人新世の資本論』についての書評はこちら 1回目はこちら 2回目はこちら メソポタミア、インダス、ナイル、黄河のような上流から運ばれる地味多い肥沃な土地は、穀物

【図解】私的『人新世の資本論』~定住型農耕国家編~

マルクスが晩年に関心をもったという原始的な協同体における「生活様式」から「資本制生産様式」はどのように発展してきたのだろうか?現在では人類学や考古学の成果により、彼が生きていた頃よりもその変遷を素描することができるようになってきている。今回、自分なりに図解したことを整理してみた。今回は全5回のうちの2回目だ。 私の『人新世の資本論』についての書評はこちら 1回目はこちら 人類にとって大きな転機となるのは、食料が豊富にとれる湿地帯などの肥沃な土地で定住化をはじめ、増えた人口

【図解】私的『人新世の資本論』~長い黎明期編~

マルクスが晩年に関心をもったという原始的な協同体における「生活様式」から「資本制生産様式」はどのように発展してきたのだろうか?現在では人類学や考古学の成果により、彼が生きていた頃よりもその変遷を素描することができるようになってきている。今回、自分なりに図解したことを整理してみた。今回は全5回のうちの1回目だ。 私の『人新世の資本論』についての書評はこちら まず押さえておきたいのは、人類がどのようなタイムスパンで「集団生活のあり様」を変化させてきたかだ。霊長類である人類の祖