馳せ台湾。
まだ、ホントは全然、具体的ではないのだけれど。
台湾に行きたい。
と思っている。
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ただ今の世界情勢を、一旦脇に置いておいてのお話だ。
台湾に行ってみたいのだ。
ただ今、私は有給消化中である。
最近までは都内にある大型の飲食店(和)で、レセプション(時々ウェイター)としてフルで働いていた。インバウンド向けのお店で、ディナータイムは8割以上海外からのゲストが占めているような、飲食店ではなく、もはや観光地。な飲食店。
たくさんの国のゲストを、それはたくさんお迎えしてきた。
ここ2年、コロナ禍の影響で、海外からのゲスト受入はゼロに近かったが、
それ以前にお迎えした台湾からのゲストたちが、とてもキュートであった。
フランクでフレンドリー。
それでもマナーはしっかりされていて、いつも笑顔で穏やか。
そして好奇心を持って人に、食事に接してくれている。
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そういった台湾の人々の人柄に惹かれて、自然、台湾自体に興味が湧く。
親日家な方が多い、というのはよく耳にしていたけれど、どんな文化なんだろう。
とても…とても、美味しそうである。
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もちろん、観光目当て、食事目当てでも台湾旅行へ夢を馳せるのだが、
一番の動機は、毎年お店に送られてくる国際郵便にある。
3年前、台湾から150名のゲストを完全貸切予約としてお迎えした。その旅行代理店のエージェントのコウさん(Ms.)が、毎年、旧正月の折に可愛い葉書を、いわゆる年賀状として送ってくれるのだ。 毎回、特殊な型の葉書なので、封筒に修めらて、特殊なんたら〜の印が押されている。料金も別途で多くかかっていそうだ。
そうまでしても、この葉書で送りたい、というコウさんの気持ちが伝わってくる。
なんて可愛いのだろう。
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この150名での貸切予約は、来日が台風接近に当たってしまい、半数ずつ搭乗、前後便として渡航予定であったが、後発便が2時間以上遅れる、という事態となってしまった。致し方ないとはいえ、事前契約や、貸切予約以後も一般予約を受け付けていた為に、後発の到着を待っての開宴、とはどうしてもいかなかった。
前乗りで店舗へ来ていたコウさんは、ずっと泣きそうであった。
私も私で余裕が全くなかった。用意した食材を一先ず半数、調理する手筈を取り、貸切以後の一般予約の配席を入れ替え、上長へ確認、コウさんを通して先方の代理店と調整し、先発・後発の2部制を提案する。こめかみがガンガンしてくる。
調整中は、ずっと運動会の「天国と地獄」だったが、結果。結果、なんとか2部制にて実施、合計6時間の闘いはwin-winでお開きとなった。(ハズだ。)
後発のゲストをお見送りした後、コウさんは泣きながら何度も何度もお礼を言ってくれた。正直、「仕事ですから。」と思っていたが、宴席中は泣かずに気張ってくれたコウさんがいじらしく、さようならでは熱いハグをした。
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そのことを、今でもずっと、恩としてくれているらしい。
「そんな、いいのに。」と思いつつ、指で鼻を擦るような心持ちだ。
この情勢が続いていても、必ず、葉書を送ってくれる。
そのコウさんに会いたいのだ。
そして、台湾を案内して欲しい。あの時はできなかったけれど、コウさんと一緒にご飯を食べたい。
今度は友だちになれたら、と焦がれている。
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台湾へ行きたい。
会いたい人がいる。
-20220411-