2DKの和洋室を、開放的な1Kに。“枠に収めず、自分の「やりたい」を、追求したほうがいい。” 〈38.88m²・千葉〉|「DIY」という選択肢。
omusubi不動産では、DIYが可能な物件を多く取り扱っています。日頃のお問い合わせでも、よく「DIYができるお部屋を探している」というご相談をいただくのですが、なかにはDIYに興味があってもやったことがない、という方もいらっしゃいます。
実際にDIY物件を契約してくださった方が、その後どのようにお部屋作りをたのしまれているのか。この連載では、お客さまのおうちにお邪魔し、DIYのこだわりやどんなものを参考にしていたかなどをうかがっていきます。
記念すべき第一回は、過去に募集していた物件をDIYされている、かとうさんのお部屋をご紹介します。
最近ほど「DIY」や「リノベーション」をする人が多くなかった時期に、ご自身なりに情報を収集し、お部屋づくりをされたかとうさん。2ヶ月間、住みながら天井や柱などの解体作業をしていたため、お部屋が完成するまでは毎日机の上で寝ていたそうで……! DIYに興味がある方も、すでに経験者の方も目から鱗のエピソードがいっぱいです。
DIYしたところ①|お部屋全体
少し古さを感じさせる2DKの和洋室を、どのようにして洗練された1KへとDIYしていったのか、かとうさんにその過程をお聞きしました。
床材を変えてみたり、壁紙を貼ってみたり……という範囲であれば初心者の方にも挑戦しやすいですが、いきなり天井や柱をとっぱらってみるのは勇気が要りそうです。何か基準を設けていたのかお聞きすると、こう話してくださいました。
DIYしたところ②|ブラインドと二重窓
こちらは最近取り付けたと言う二重窓。ブラインドも、ご自身で取り付けたのだそう。
DIYしたところ③|ポールハンガー
続いては、こちらのポールハンガー。メタリックな素材がグレーの床にとても合っています。使用している部材は、仮設足場の安定性を高めるために使われるもの。本来の使い方を自分なりに解釈して取り入れられるのが、DIYのおもしろさです。
DIYしたところ④|シューズラック
ハンガーラックの下には、シューズラックが。お部屋の色合いと馴染んでいるこちらも、かとうさんがご自身でDIYされたものでした。
小さい頃から、部屋の装飾をするのが好きだった
プロのような仕上がりで変身を遂げたこのお部屋ですが、なんとやり始めた当時のかとうさんはDIY初心者だったと言います。未経験から理想の部屋づくりを完成させるまでについても、教えていただきました。
――ご自身でお部屋をDIYしてみようと思ったきっかけはなんだったのでしょうか。
かとうさん:ここに引っ越すまでに、祖父が昔から持っていた家や、シェアハウスをしている一軒家に住んでいたんですが、自分の部屋を自由に作り込むことができない住環境に身を置くことがほとんどで。小さい頃から、とにかく部屋の中を装飾するのが好きだったんですね。学習机を飾ったり、クローゼットの中の棚をダンボールで自作してみたり……。だからずっと自分の理想の部屋をつくりたい、という気持ちが蓄積していました。
かとうさん:そんなあるとき、関西から千葉へ移り住むことが決まったんです。それで、引っ越し先では、自分で自由に変えられるDIY可の物件にしよう、と決めていました。また、美大出身なので、ものをつくることが身近だったことも、DIYのハードルの低さに影響しているかもしれません。
――これまでのお部屋には自由にできる範囲に制限があったのですね。omusubiのことはどのように知りましたか?
かとうさん:DIY可の物件を掲載している「DIYP」というサイトを見ていたんです。検索の際に千葉エリアでしぼったところ、この部屋の情報が出てきて。取り扱いをしているのがomusubi不動産だったので、その流れで「松戸のDIYができる物件をたくさん扱っている不動産屋さんがあるんだ」と知りました。
リアルタイムで調べながら実践。雑誌のお部屋を参考に、2ヶ月間部屋づくりに向き合う
――知識がない状態で、どうやってDIYを始めましたか?
かとうさん:リアルタイムで調べながら、天井を壊したり床材を貼ったりしていました。でも、引っ越したばかりのときはインターネットが繋がっていなくて。契約しても使えるようになるまで1ヶ月くらいかかってしまうじゃないですか。だから、お試し期間で使えるポケットWi-Fiを契約して、「次の工程にはこれがいるな」と都度材料を購入し、進めていきました。最近はYou TubeやInstagramでDIYを発信する人が増えているので、わたしがDIYをやったときよりも、欲しい情報が探しやすくなっているだろうなと思います。
――その間、生活空間はどのように確保していたのでしょうか。
かとうさん:養生シートとマスキングテープが一体になっている「マスカー」でキッチン側と部屋側を仕切って、キッチン側で生活していました。引っ越し当時は家財が少なかったから、なんとかやれたんだと思います。ただ、冷蔵庫もなかったので、その頃は毎日食パンばかり食べてました。寝るときはテーブルの上だし、洗濯も桶に水を溜めて手洗いして、っていう生活で……(笑)。思い返すと、かなりサバイバルだったかもしれません。
――テーブルの上で寝られるなんて、器用すぎます……! お部屋が完成するまで、どのくらいかかったのでしょうか。
かとうさん:だいたい2ヶ月くらいですね。そのときは仕事を探している時期で、DIYだけに集中できたので、9時から6時までずっと作業していました。もし同じくらいDIYをしたいという方は、可能ならマンスリーマンションなど、別の住環境を用意しておくことをおすすめします。先ほどもお話したように、仕切りをしていたとしても、解体している部屋に住むのはかなり大変なので。
かとうさんが参考にしたもの
――先ほど、DIYをはじめた頃は今のように情報があちこちになかったとお話されていましたが、当初はなにを参考にされていましたか?
かとうさん:そのときはブログですね。それも個人の方のDIYブログではなく、工務店さんが施工事例を紹介しているものでした。たとえば床材の長尺シートは、最初半分にめくり、めくった側の床に糊を塗って、空気を抜きながら貼っていくんですけど、そのやり方も工務店さんのブログで勉強して実践しました。
――お部屋の完成イメージは浮かんでいましたか?
かとうさん:そうですね。雑誌『POPEYE』でたびたび部屋の特集が組まれることがあり、そこで紹介されていたある方のお部屋が自分の理想通りだったんです。広さが違うのでまったく同じように、というわけにはいかなかったんですが、参考にしていました。また、物件を決める段階で、柱や壁をすべてとっぱらったときにL字型などではなく、四角い部屋になることも条件に入れていたので、最終的な間取りのイメージは自分の中で持っていましたね。
―― 一部は業者の方に頼まれたそうですが、どの部分は業者さんに頼みましたか?
かとうさん:玄関近くに洗面台があったのですが、すぐ横にキッチンのシンクがあるので不要だなと思い、取り外してもらいました。また、使っていないガス栓が部屋の中にあったので、それも取り除くのを業者さんにお願いしました。すでに使える状態ではなかったものの、自分でやって爆発させたら危ないので。
――なるほど……! これからDIYする方は、自分でもできることと、業者の方にお願いすべきことは事前に調べておくとよさそうですね。
かとうさん:そうですね。そのほかにも、グリーンハイツは基本的に洗濯機置き場が屋外なのですが、冬場の洗濯や洗濯機の故障を避けたかったので、屋内に洗濯栓の取り付けをお願いしています。あとは電気配線の取り付けですね。壁を壊したことで、壁に埋まっていたスイッチが露出し、配線ごとぶら下がった状態になりました。電気系統を扱うには国家資格が必要なので、こちらは電気屋さんにお願いして配線とスイッチを壁に沿わせて取り付けてもらいました。
かとうさん:あとこれはわたしも想定外だったのが、ごみの引き取りですね。なんでも家庭ごみで出せるものだと思っていたんですが、石膏ボードは産業廃棄物に当たるため、専門の業者さんに引き取りにきてもらわなければならないとわかり……。同様に畳も専門の業者の方に引き取りにきていただく必要があったので、DIYする方は事前に知っておくと安心です。
枠に収めるよりも、“自分の理想” の追求を
――DIYをしたいと思ったとき、まずはじめにやるとしたらなにがおすすめですか?
かとうさん:「お部屋の雰囲気を変えたい」ということであれば、部屋の面積を大きく占める壁や床を変えるのがおすすめです。ただ床の場合、畳を剥がしたりするとなると大掛かりになってしまうので、最初の一歩としては壁のほうが手軽かもしれないですね。
――かとうさんのように自分の理想に近いお部屋をつくるためには、どんな心構えを持っているとよいでしょうか。
かとうさん:この部屋も、欲を言えば「もっとこうできたらいいのにな」と思うところがあるんですけどね(笑)。DIYは「節約できる」ってイメージが強いと思うんですが、わたしはすごくお金がかかっちゃうタイプなんです。
かとうさん:部材もこだわると、個人向けのサイトでは購入できず、メーカー取り寄せになったり。でも、そこで妥協してしまうと、「なんか違ったな」と納得できない仕上がりになってしまいます。もし自分の理想があるとしたら、世間のイメージの「DIY」という枠に収めようとせず、自分が「どうしたいか」を追求してみてほしいなと思いますね。
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取材・撮影=ひらいめぐみ