oekaki 「読む時間」 #シロクマ文芸部
読む時間をどこで過ごすか。
主婦となった今、自宅は仕事場でもあるので、安心して過ごす場所というだけではありません。
やらないといけないことが次から次へと湧き出て山積み。よくも悪くもみんなが自分をさらけ出す場所でもあり、時にそれはぶつかり合う。夫婦喧嘩、兄弟喧嘩、親子喧嘩……。
楽しく過ごせる場所でもあるのですよ。
でも。
私の「読む時間」は自宅では心地よく流れません。
聞こえる音が全てノイズになります。
すいた公園に行って読んでもみました。本を読むのもいいですが、空を眺めたりそよぐ風を堪能したくなります。
私にとって「読む時間」は、ちょっとしたご褒美の時間。
ちょっとしたトリップ。
仕事をしていたころは毎日の通勤電車がその場所でした。
朝の電車。
座りたくて、その時間のその電車を狙って乗ります。
片道約15分。
電車に揺られながら、栞を辿ってページをめくる時間が、日々疲弊する心を救ってくれました。
電車の音も、案内の放送も、どれもノイズにはならないのです。
今は電車に乗る日々ではなくなり、なかなか心地よい「読む時間」の場所がありませんでした。
でも先日、とあるカフェでのんびり文庫本を読み、体からストレスがシュ〜ッと抜けていくような感覚を覚えました。
隣の席のママさんたちのおしゃべりも、注文を取る声も会計のやり取りも、なにもノイズになりません。
知らんぷりして私は私の世界に入って、カフェオレを飲みながら本を読みます。
深呼吸するように。
私は私のために、またここで「読む時間」を持とう。
そんなふうに思えたひと時でした。
・・・*・・・・・*・・・・・*・・・
「シロクマ文芸部」に参加させていただきました。ありがとうございます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?