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#2 バナナのタルト

バナナのタルトの話。

タルトって聞くとなんかお洒落なスイーツを思い浮かべる。

小さい頃に誕生日で食べた、果物がたくさん乗っていて、キラキラしているタルト。そういうのは、何気ない日に食べるよりも誕生日とかお祝いの日にみんなで食べるのが美味しい。自分で作るよりケーキ屋さんで買うのが美味しい。

高校3年生の冬に、ナッツと砂糖とバターとはちみつとかを一緒に煮詰めてタルトの型に入れてキャラメルナッツタルトを作った。


キャラメルナッツタルト

ケーキ屋さんのショーケースに並んでいるような、特別な日に食べるキラキラしたのではなくて、大雪で休校になってラッキーな日にこたつで食べたくなるようなほっこりする味がした。

タルトって夏よりも冬って感じがするのはなんでだろうか。冬になるとなぜかタルトが食べたくなる。

そんなことをふと思い出して、最近またタルトを作ってみた。いちごとか、マスカットとかは高級品だから、家にあったバナナを使ってバナナタルトを作った。


1回目のバナナタルト

バナナを切った丸っこい断面が水玉模様みたいでなんか可愛くて、アーモンドクリームとバナナのやさしい味がした。どっかの国のおばあちゃんが絵本の中で作ってそう。

第2弾で、今度はアーモンドクリームの中にバターを入れて作ったクレームダマンド?にバナナを乗せて一緒に焼いてみた。


2回目

とろとろのダマンド生地にバナナが沈んで消えてった。マドレーヌとかフィナンシェみたいなお洒落な味だった。これはこれで美味しかったけど、なんか違うな~って感じだった。部活の後輩にあげたら幸せそうな顔で食べてくれたので良かった。

第3弾、タルトの中のアーモンドクリームに入れるバターをやめてこめ油にして、クリームの量を1.5倍ぐらいにして、バナナもまっすぐじゃなくてごろごろに切ってみた。


3回目

タルトの生地は米粉で作っているから重くなくて、でもクリームとバナナはいっぱい入っているから満足感があって、1台ホールで食べたいくらいに美味しかった。

これこれ~この味って感じ。高校生の時に作ったキャラメルナッツタルトみたいに、ほっこりする味。

先日間借り営業をしたときに、「やさしい味で何個でも食べれちゃうわ~」とバナナのタルトをおかわりしてくれて、お持ち帰りまでしてくれたお客さんがいて本当に嬉しかった。

拳をぶち挙げて浴びるように聴いたり、遠くからゆっくり〜まったり〜聴いたり、いろんな音楽の楽しみかたがあるように、大切な人とわいわい食べたり、1日頑張った自分へのご褒美にゆっくり食べたり、好きな形で楽しんでもらいたい。

かっこよくてキラキラしているあのタルトは作れないけど、やさしくてほっとするタルトを作り続けられたらいいなと思った。

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