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寄席へ行こう

私の生涯の趣味と言えるものが落語なのですが、私よりも若い世代の人たちと話すと意外と興味を持ってくれる方も多く、「今度是非♪」などといいながらも最初は口を揃えて「敷居が高くてー」なんて言っていたりする。私自身も寄席へ訪れる前は同じだったからよーくわかります。
ですが、行ってみないとわからないことではありながら、実際いってみたらまったく「敷居は高く」ありません!
まあ、行く人の自由ではありますが、かしこまっていく必要も、マナーを心得ていく必要もないんじゃないかと自分自身ではおもっています。

寄席ってなに?

寄席とかいて「よせ」です。現在東京にある落語の定席の寄席は4つ(5つ)です。

  • 上野鈴本演芸場

  • 新宿末広亭

  • 池袋演芸場

  • 浅草演芸ホール

  • (国立演芸場)

です。因みに大阪には天満天神繁盛亭、名古屋には大須演芸場という寄席があるみたいです。(私は残念ながらまだ行ったことはありません)
歴史を遡ると始まりは江戸の終わりころ、元々は講談、義太夫、浄瑠璃などが寄席の主だったようです。テレビがお茶の間を台頭する昭和の後期より以前は東京に100件ほどの寄席があったとされています。

主に東京の定席寄席と言われているところの話になりますが、現代の寄席には主に落語と色物という芸人さんが出演します。色物は落語以外の漫才や紙切り、大神楽や奇術などです。講談師も出演します。主に昼席と夜席に分かれていて、上席(1~10日)、中席(11~20日)、下席(21~30日)の10日間ずつの番組になっています。
主任の噺家がいわゆる「トリ」をつとめ、開口一番で前座さんからはじまります。その開口一番からトリまでの流れも圧巻です。

新宿、浅草と、池袋の一部興行は基本的に昼夜の入れ替えなしです。ですので、昼入って好きな時間まで楽しむことができます。入る時間も出る時間も自分の好きにできます。ただ、どの寄席も再入場はできません。
特別興行以外はどの寄席も招待券などは除いて当日券を木戸で購入することになります。

よく聞かれることを書き出してみます。

寄席でのマナーについて


ほぼ映画館と同じと考えて良いと思います。食べ物、飲み物の販売もありますし、持ち込みも可です。(コロナ禍は飲食ダメでした。今後もそんなことも起きるかも知れませんね)アルコールの持ち込みや飲酒はお断りの寄席もあります。寄席でビールを販売しているところもあります。喫煙所を設けている寄席もありますし、コロナや条例改定後に喫煙場所を撤去した寄席もあります。
携帯電話は電源を切ることをお勧めします。これは演目の最中に携帯電話が鳴ってしまう(振動も)、これ結構最悪です。意外とよくあります。電源を切れないとしてもせめて音の出ないようにはしてもらいたいです。以前、寄席で隣のお客さんが音の出ない設定にしていて着信があり、慌てて自分の体にスマホを押し当てて、振動音が周りに響いていたことがありました。アドバイスをするなら何かに押し当てると振動音はしてしまいますので、もし、そんなときは極力なににも触れないように電話を持つことで振動音は回避できます。本当にやめていただきたい。聞いているお客の気が散るだけでなく、演者の方も絶句(言葉に詰まる)ということもあり得ます。営業妨害です。それと途中で飽きてしまったり、今調べものをしたいと思ってつい画面を弄ってしまうのもあれは結構周りには影響があります。せめて演目の最中ではやめていただきたい。
あとはもう最低限周りに迷惑をかけない、お喋りしないとか音を立てないようにする、とかですかね。
あ、席を立たないもそうかな。急なこと以外ではやっている最中は席をたったりしない、慣れている人は大概、演目と演目のあいだにささっと席をはなれたり席についたりしていますね。ささっとやるのが一番迷惑にならないとおもいます。

おすすめの楽しみ方について


食べたり飲んだりは自由なので好きな食べ物や飲み物を持っていき、演目を楽しみながらおいしいものを食べるのもとてもいい気分になれますよ。私なんかは雰囲気にのまれてつい和のお弁当を買って持って行ってしまいます。たまに寄席にもお弁当の販売もあります。有名店のカツサンド、天丼や助六寿司なんかもある事も。ただ、いくらおいしいものとは言えあまりにおいのするものは控えたほうがいいのかなって思いますが。席も近いですし。
飲み物やちょっとしたお菓子なんかも寄席での販売もあります。
先日20代の子たちを連れて行った時は好きなお菓子や飲み物を好きなだけ買って持っていくことを提案しました。ただ、こっちは見ているだけなのに、意外と頭を使うようで、チョコレートやグミなどがあると小腹がすいた時にも重宝します。冬場や乾燥が気になるときも喉に飲み物のほかにも飴などをもっていると咳も抑えることができるので持っていくようにしています。

本題の落語、全然知らないよ


これもすごくよく言われます。全く問題ないと思います。ですが、もしかしたら言葉に慣れなくて頭に入ってこない、ということもあるのかもしれません。そんな時は全部意味をわかろうとしなくてもなんとなく聞いているってだけでもいいと思います。たとえわからなくても不意に耳に飛び込んでくる言葉があったりします。

気になる、興味あると言ってくれる方は結構いるのですが、一回目はどこにいったらいいの?敷居が高くない?っていう思いはお持ちのようです。私もそうでした。
私が寄席へ行ってみたきっかけは寄席に興味はあったものの、やはりきっかけがなかなかつかめない。落語は聞いたことがあったけど生の落語は未体験。だけどよくよく考えてみたら好きで見てみたかった落語家さんが何人かお亡くなりになってしまっていよいよ観ることができなかった。観ておけばよかったと思っても、もうどうにも叶わない。だったら現存する聴いてみたい名人はきいておかないとまた後悔してしまう。って思い、行動に移すことにしました。

じゃあ、いざ行くとき何で選ぶ?

東京の落語家の所属する団体には
落語協会
落語芸術協会
円楽一門会
落語立川流
という4つがあります。
私は主に落語協会というところの番組を好んで寄席に足を運んでいます。どっちがどうって言うほど他のところのをみてはいないため、比較できたりはしないのでそういった類の言及は避けおきます。
取り敢えず際限なくなってしまいそうなので、自分の好きな芸人さんの多い落語協会のほうへ行っているということに尽きます。ここでは自分の知っている情報や自分の好みの話をさせていただきますのであしからず、といったところでしょうか。
基本的には定席の寄席では現段階で、上野は落語協会が出演します。残りの新宿、浅草、池袋と国立は月の上席、中席、下席を落語協会と落語芸術協会が交互に出演します。落語芸術協会の番組には円楽一門会や落語立川流の方々も出演していたりするようです。

落語協会の話にはなってしまいますが、はじめて寄席にいくとしたら、誰が出ている時がいい?はじめて聴くにはどの噺がオススメ?という質問も結構いただくことがあるのでそれを自分なりに少しまとめておきます。
まず、寄席では特別興行などを除いては、たいていの場合どの演目をやるかどうかは、その日寄席に行ってから、或いはお客さんの前で話し始めてから決めたりするそうです。
寄席は昼・夜の興行があります。番組といって出演者は決まっているのですが、その顔付けの前に開口一番前座さんからはじまり、トリまで何人もの噺家さんが出演します。その出演者がその日同じような噺をやらないようにネタ帳(演目調:今日出演した人がなにをやったかを書いてある)を見ながらなにをするのか決めるとのことです。
ですから寄席では演目から選ぶことはなかなかないですが、なにか落語に触れる機会があって何から聞いてみようかな?っておもったら導入としてわかりやすいものの一例として

金明竹
初天神
壺算
時そば
まんじゅうこわい
つる
ぞろぞろ

あたりはそんなに長くもなく単純明快なんじゃないかなとおもいます。

落語協会のなかで私が思うはじめてでもわかりやすくおすすめの噺家さんは

春風亭一之輔
桃月庵白酒
古今亭菊之丞
柳家三三
古今亭文菊
柳家わさび

柳家権太楼
五街道雲助
柳家さん喬
春風亭一朝

といった面々でしょうか。上の方々は比較的若手と言われている実力のある方々で、下は名人というようなベテランの師匠方です。どちらの方々も寄席だけでなく全国の落語会に呼ばれて年間7~800から落語をしゃべっているようなそれはもう凄まじい落語家さんばかりですので、一度生で聴いてみれは納得できるはずです。太鼓判ですw

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