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人間の土地/サン=テグジュペリ

この雄大な土地を踏みしめて、人間が人間として生きる意味を知る本。

人間が持つことのできるもの、それは人との関係であり、人との関係の中に生まれた役割であり、それらが与える勇気を行動に変える意志の強さである。

その意志の強さは、他の動物は持つことができない。それこそが人間が人間たる意味だと思う。

自然は怖い。未知で、あまりにも圧倒的な存在だ。自然が私たちに寄り添うことはない。私たちはこの土地に生きるかぎり、自然に畏怖し続けるのだろう。

けれど私たちは人間である。
人間としてこの土地を踏んでいる。

人が空を飛び始めた頃の話。
今よりもまだまだ不確実な技術の時代に、それでも空を目指した人だけが見ることのできた景色。

空の孤独、砂漠の孤独、孤独の中で知る人とのつながり。

私の本然はどこにあるのだろう。
生きる意味そして死ぬ意味を、いまだに見つけられない。

どのエピソードも素晴らしかった。
本を読むことで誰かの体験を追えて、それはいつか私の体験として私の中に残るのだから、本はすごい。これだから読書はやめられない。

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