オーバーエイジ問題。W杯に続く大会は五輪ではなく本日決勝を迎えるCLだとの認識に立てるか
五輪本大会に臨むU-23日本代表。メダルの可能性はオーバーエイジの顔ぶれ次第できまるといっても過言ではないが、顔ぶれは明らかになっていない。先日のメンバー発表(6月に行われるアメリカ遠征)の会見でも、所属クラブとの交渉役である山本昌邦ナショナルチームダイレクターの口から、前向きな言葉は出てこなかった。
オーバーエイジとして五輪出場を積極的に希望している選手が、そもそもどれほどいるか、だ。招集には所属クラブの承諾を得る前に本人の同意が必要となる。
合流は五輪本大会の直前で、開催国フランスとスパーリングマッチをするのみだ。わずか1試合お手合わせしただけで貴重な戦力となるためには、圧倒的な力量の持ち主か、チームの短所と自身の長所とが合致した場合に限られる。条件に合う選手の絶対数はけっして多くない。
まさに助っ人になり得る、圧倒的な力量の持ち主は、欧州組の中でも上位クラブに所属する選手なので当然、交渉は難航する。チャンピオンズリーグ級はもとよりヨーロッパリーグ級のチームも可能性は低い。現在はそれ以下のチームに所属していても来季、移籍で昇格する可能性もある。よい選手ほどその可能性は増す。
旧シーズンと新シーズンの間である。所属クラブの体制態勢が変わる可能性も高い確率である。新監督が就任すれば、その思惑に左右される。不確定要素が多いこの時期に、交渉しなければならないハンディが輪を掛ける。オーバーエイジの招集には高いハードルが課されている。
オーバーエイジどころか、U-23の条件を満たす久保建英、鈴木唯人でさえ、すでに招集不能であることが判明している。この2人に続く選手が現れる可能性も少なからずある。純然たるU-23代表さえ組めない事態。日本サッカー界にとって、これはおそらく初のケースだろう。
2021年東京五輪のオーバーエイジは、欧州組2人(吉田麻也/当時サンプドリア、遠藤航/当時シュツットガルト)で、国内組は1人(酒井宏樹/浦和レッズ)だった。
その前の2016年リオ五輪は3人とも国内組(塩谷司/当時サンフレッチェ広島、興梠慎三/当時浦和レッズ、藤春廣輝/当時ガンバ大阪)だった。本田圭佑、香川真司、長友佑都らが当時の欧州組の代表格になるが、この時からすでに欧州組は招集しにくくなっていた。
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