ロシアW杯回想。ベルギー戦のスタメンを見てがっかりした理由
ロシアW杯が閉幕して2週間が経過した。日本では代表の新監督に森保一氏が就任。さっさと次に向かおうとしているが、個人的にはその流れに乗る気がしない。レビューし尽くしてからにしたい。というわけで、いま一度、しぶとくロシアW杯を振り返って見たい。
今回は日本代表編。タラレバ話になるが、今大会はチャンスだった。グループリーグでドイツが消え、決勝トーナメント1回戦でスペインが消え、そして準々決勝でブラジルが敗れた。大会前に4強と言われたチームの中で、フランスを除く4チームが早期に敗退。群雄割拠の状態でトーナメントは進行した。
けっして強そうではないイングランドが、3位決定戦でベルギーと対戦する姿を見ながら思ったものだ。日本も事が最高にうまく進んでいれば、この舞台に立てたかもしれない、と。グループリーグを首位通過していれば、決勝トーナメント1回戦の相手はイングランド。50対50とは言わないが、日本とイングランドの関係はせいぜい48対52で、逆転の目は大いにあった。
現実の話をすれば、決勝トーナメント1回戦の相手はベルギーだった。2-0まで行きながら最後の最後でひっくり返されたあの一戦だ。試合直後に書いた原稿には、「考え得る最高の負け方」と記したが、冷静に振り返れば、悔いが残る試合であったことも事実だ。
あの試合で西野監督は、メンバーを2人しか代えていない。延長に進めば4人目の交代が認められる。90分の試合の中で、3人目の交代選手を送り出さない手はなかった。時計はその分だけ進む。それに応じてロスタイムも伸びるが、相手の焦りは誘うことができる。最後のワンプレーで奪われた逆転弾は、なかった可能性がある。
2人しか行わなかったメンバー交代にしても、本田圭佑と山口蛍の投入は2人同時だった。つまり90分の試合の中で、西野監督は意図的に「間」を一度しか空けることができなかった。しかも、後半36分という押し詰まった時刻に、だ。後半24分、2-0から2-1に詰め寄られたフェルトンゲンのヘディングシュートは、単なる不運なのか、川島のミスなのか、定かではないが、いずれにせよ、変なゴールを浴びた直後は、間を入れるタイミングだった。ベルギーに同点ゴールを浴びたのは、その5分後(後半29分)。
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