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新方式で行われている今季のチャンピオンズリーグに名を刻んだ日本代表選手。久保、三笘ではもちろんない
カズこと三浦知良がジェノバに渡ったのは1994-95シーズン。筆者はミランと対戦したその開幕戦をジュゼッペ・メアッツァで観戦している。前半なかば過ぎにフランコ・バレージと空中で競り合った際、カズは鼻を骨折。あえなくベンチに下がることになった一戦である。
欧州でプレーする日本人選手は当時カズ1人。それから30年が経過する中で、その数はおよそ100人を数えるまでに膨らんだ。世界はすっかり様変わりした。隔世の感とはこのことである。
とはいえビッグクラブに所属する選手、そこでスタメンを張る選手はまだ少ない。チャンピオンズリーグ(CL)の決勝トーナメントを戦う選手は、その可能性を秘めた選手を含めても、上田綺世(フェイエノールト)、冨安健洋(アーセナル)、遠藤航(リバプール)、伊藤洋輝(バイエルン)の4人しかいない。
上田は怪我。冨安も同様。今季わずか1度しかピッチに立っていない。遠藤もチーム内での順列を昨季より大幅に下げ、主力選手とは言えない状態にある。いい流れにあるのは怪我から回復し、先のCLプレーオフ対セルティック戦に交代出場をはたした伊藤のみだ。
30年前と比較すれば隔世の感かもしれないが、W杯でベスト8以上を狙う国の姿としては物足りない。日本はまだ途上国だと気を引き締めるか。昔と比較し感慨に浸るか。人それぞれ。趣味の問題と言っていいが、筆者はバランス的に前者に比重を置きたいと考える。
久保建英、三笘薫という日本を代表するアタッカーも今季のCLを戦えていない。久保は昨季、経験しているが、三笘はヨーロッパリーグが最高の舞台だ。プレミアは欧州ランク1位のリーグ。リバプール、アーセナル、マンチェスター・シティなど欧州サイズのビッグクラブも存在するが、レアル・マドリード、バルセロナ、バイエルンなどの他国のリーグの強豪とは、CLの舞台に立たない限り戦うことができない。久保は逆にレアル・マドリード、バルセロナとは戦うことができてもプレミアの優勝候補とは戦えない。
CLはご承知のように今季、レギュレーションを一新。リーグ戦はリーグフェーズと言う名前に代わり、試合数も6試合(4チームによるホーム&アウェー)からランダムに戦う8試合に増加した。試合数が増えただけでなく対戦相手もバラエティになった。
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