羊毛フェルトと楽曲製作の類似性
あらゆる種類のクリエイティブな作業というものはその根本において同一な行為をしている気がしている。実際に出来上がる作品は単に実際に行った「作業」の差であり、その思考過程は何をやっても同じ様な気がするのである。
妻のYouTubeを手伝っていくにあたって、そのメインテーマである「羊毛フェルト」を自分自身も体験することになるのは必然の流れであったと思う。それまではどうしても「妻の趣味」という気がして手をつけていなかったのだが、YouTubeはマーケットインのユーザー視点にたった作品作りが必須の世界だ。特に僕らの様に「影響力」を獲得するには、その視点の獲得が必須である。
案外簡単じゃん!
それが、初めて「羊毛フェルト」にチャレンジした瞬間のぼくの感想である。妻から基礎を教わりながらフワフワの羊毛にチクチク針を刺していくと、思いの外簡単に成形できた。なんか初めてで妻と同等のクオリティのものを作ってしまって申し訳ないな。。と、そんなことを考えていると、同時に同じテーマ(カニつめくん)で作っていた妻の作業が完了した。
上手い・・・
完成したものを見比べると、雲泥の差があった。形こそ似たものにはなっているが、妻の作品に比べると、ぼくの制作したものはレンズのピントがズレている様な。。。なんともボヤっとした作品なのである。これはどうしたことか。実は音楽制作でも同じ様な経験をしたことがある。それの時は自分が妻の立場だったのだが、やはり「プロ」とアマチュアには、近いものを作れてもそこには大きな差がある。それは何か?
「イメージ力」
そういう言葉が一番しっくりくると思う。例えばぼくが若手に「ミキシング(音楽を作る上での最終工程。「音のバランスや音質を調整する事」で、楽曲のクオリティを大きく左右する)」を教える時には、「自分がしたいミックスの「イメージ」を明確に持つ事をオススメしている。そこがボヤっとしているとどうしても完成した作品もボヤッとしたものになってしまうのである。
「作品を作り出したら諦めないこと」
これは妻に教えてもらった「羊毛フェルト」上達のコツだ。つまりここでも自分の「イメージ」に近いものが出来るまで「諦めない」ことの重要性を説いている。かのエジソンの様に、自分の目標とする所(イメージ)へ向かってトライ&エラーをくりかえす事が(エジソンはエラーとは思っていないと思うが笑)「電球の開発」でも、「楽曲制作」でも「羊毛フェルト」でも、同様に大切なのだ。
改めて、妻は「真のクリエーター」だと畏敬の念を感じ、そしてぼくも負けない様に「イメージ力」を鍛えていこうと誓った出来事だった。