初めての撮影 - クリエイティブの壁
何度も言っているがぼくは音のプロである。良い音を録る方法や録った音をより良くする方法はいくらでも(と言っても良いと思う)知っている。しかし、こと動画となると全くの素人だ。初めての撮影。もちろん壁にぶつかった。
思った様な画にならない・・・
自分の中での理想はあった。しかし、YouTubeの中に数多居る諸先輩方(あいにゃんがその筆頭だ)の様に綺麗に撮れない・・・普段何気なく見ている数多くの映像作品の裏には多くの知識や技術が潜んでいるのだな。と感傷に浸っている暇はない。せっかくの妻とスケジュールを合わせての撮影だ。妻はぼくの本業で言うところの「アーティスト」なのだ。
妻の最高の姿を動画に収めたい
ど素人ながら、こうなるともう「動画クリエーター」である。「経験がないのでできません」は許されない。ぼくは割とストイックなタイプなのだ。問題はなんだ?目でみる妻は生き生きと見えるのに、iPhoneの画面上に映し出されるとなんだか沈んで見える。LEDの電気スタンドでライティングはしていたが、何だか不自然な光になってしまう。
まずは光の当て方を変えてみることにした
被写体(妻)とカメラ(iPhone)の位置を固定して、LED電気スタンドをいろいろな場所に移動させてみた。それだけで印象が変わる。あるところでは、妻の顔が白く飛んでしまい、またあるところでは不自然な影ができてしまう。近すぎてもいけないし、遠すぎでもダメだ。適切な距離感と光の強さが本当に大事だった。試しにLEDに巻いてみたTシャツも効果的だった。
与えられた環境の中で最高の結果を出したい
これは、ぼくがいつも音楽の仕事をしていく中で気をつけていることだ。もちろん潤沢な予算と時間があれば確実に良いものが出来るであろう。しかしそれだけでは真のクリエーターとは言えない気がする。制限された状況下で、可能な限り「妥協」を排除して、今そこにある「魅力」をいつかその作品をみてくれる人に伝える努力をする。
それこそがぼくの理想とするクリエーター像だ
妻はぼくをよく理解してくれている。本当はお腹が空いていた様だが、とても協力的に撮影に臨んでくれた。妻をもっと良く見せる為の「表情」「動き」「話し方」そういった部分のディレクションも細かく与えた。後で大好きなチョコレートケーキを買ってあげよう。そう思わせる素晴らしい態度だった。そんなこんなで今の状況下では満足のいく映像が撮れた。
クリエイティブの壁を超えるのはキツイが最高だ。チョコレートケーキを食べながらそうしみじみ思った。