CA、ホテルマン、販売員、似てるようで非なるサービス
以前、私がCAであったころに、自社のマーケティング部の人に「お客様はCAのサービスを選んでいるのではない。マーケティングが上手い航空会社にお客様は集まるのだ」と言われて悔しい思いをしたことがあります。
でも、確かに飛行機を選ぶときには、価格やマイレージの特典やどこの旅行会社から買うかが決め手となることは事実です。そして、お客様はチケットを購入してから搭乗しますから、サービスはアフターサービスになります。そして飛行機に乗るお客様の一番の目的は、安全に移動すること。そこに心地よさが加わればベストですが、心地よさは人的サービスだけではなく機材の設備やエンターテイメントや食事も加わります。
でもCAが無力なわけではありません。CAはむしろ選んで乗っていただいたお客様にやっぱり選んで良かった、と思っていただけるサービスをすることで未来のリピーターを増やすことに貢献しているからです。また、お客様は既にチケットを購入して搭乗されるのですから、アフターサービスとなります。嫌なCAにあったったからと言って、お客様は逃げられません。そう考えると気の毒です(笑)
一方、似ているようで異なるのがホテルのサービスです。ホテルに宿泊する、あるいは食事をする目的は、ビジネスホテルであれば「ちゃんと食事ができて寝られればいい」となります。
しかし、一流ホテルであれば、宿泊や食事に付加価値を付けたい、「安心して最上のサービスを受けたい」というお客様の目的が加わります。加えて、ホテルはその場で商品(宿泊やサービス)を受け取り、対価を払います。つまり、現在進行形のサービスですから、お客様の期待も、見る目も、飛行機よりはさらに高くになります。期待にそぐわなければ、お客様は逃げます。
さらに販売接客となると、お客様を接客していても商品を買っていただかなければ対価は得られません。いくら笑顔で感じよく接客しても、お気に召す商品を提示できなかったりお客様の購買意欲を刺激することが出来なければ対価は受け取れません。そして、購入されないお客様の接客の数のほうが多いのが販売員の毎日です。
コロナ禍で航空会社が危なくなるのは想定内でしたが、毎日、各航空会社のリストラのニュースを聴くと胸が痛みます。2024年には、乗客は戻るだろうとの予測ですが、それまで持ち堪えるためにカットされる人員の多くは、航空会社の顔でもあるCAが多くを占めます。
そして航空会社のみならずアパレル企業もオンラインの接客にシフトしていくと現場のサービスをする人が必要となくなります。
一番、お客様との接点が多い人が必要とされなくなる。悲しい矛盾です。
でも、本当に今、接客の現場で人の心を掴める人材は、どこに行っても必要とされるはずです。
もし、これからキャリアを変えることを考えているのであれば、大切なのは、自分に求められている役割について、客観的に企業側の目線で見る習慣ではないでしょうか。そしてそれ以上に、毎日、お客様へ真摯に接客をする姿勢が未来を作ります。
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