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最悪だ… でもあきらめられない

昨日は「もしかしたら回復の兆し?!」なーんて
密かに喜んだのに

やはりというか、今日は
なんというか、やっぱりぬか喜びだったのかー
という一日であった

今日は午後から外来のリハビリの日だった
こちらのリハビリは費用は安くないけれど、
家人の身体をしっかり見てくれるので
私はとても信頼している

今日は半年に1度のブリーフィングの日だった
先生は、現状と半年前の動画を見せながら
これからの目標について話してくれた

でも、
正直その目標設定は私には低すぎるものだった

なので、
「こちらにこのまま通ったとしたら
 どんな未来が期待できるんでしょう?」
と聞いてしまった

私は、どうしても家人とまた旅行に行きたいので
以下の2つが目標なのだ

★普通のベッドから寝起きできるようになること
 ⇒ これができたらお泊りできる

★道具を使ってもなんでもいいから
 3歩歩けるようになること
 ⇒ 普通のタクシーに乗れる

誰かの手を借りなくても二人で出かけられる!

しかし、
いつも明るく前向きな先生は
「残念ですが、今の状態では厳しいと思います」
と渋い顔で言った

「もし、家人さんが骨折だけだったら
 今頃歩けていると思います
 でも、どうしても高次脳機能障害が
 回復の邪魔をしていて
 望む結果を出すことはとても難しいと思います」

すごいショックだった

ここのリハビリだけは未来を見せてくれると
思っていたのに

急に落とし穴に落ちたみたいな気持ちになった

家人はそれを一緒に聞いていた
話しの内容を理解できたのかできないのか
わからないけど、
私がいつもと違う様子なので不安になったのだろう

急に「あぁ~!」とうなり始めた
「大事な話をしているからやめて」と言っても
全然やめない

先生も次のお客様が来てしまったので、
話しは中途半端な感じで終わってしまった
家人は私が会計をしている間もずっと
うなりっぱなしだった

帰りのタクシーの中も
帰ってからも
いくら「やめて!」といっても
全然うなり声をとめなかった

やっと自宅について
タクシーの運転手さんが帰ったら
私はプチンと何かが切れてしまい
家人をメチャメチャ怒った

ここに書けないような言葉で罵ったり
怒ったり、頭をはたいたりした

そして
「もう施設でも精神病院でも行ってよ!」
と言って家人を玄関から外に出して
ギャン泣きしてしまった


まぁ、いくら出てって!と言っても
物理的に出て行けないことはわかっているので
勢いで追い出した家人をまた苦労して
家に入れた

風邪ひかれたらお世話するの私だし…
ご飯食べさせないといけないし

と、ブチ切れつつも
妙に冷静な自分もいたりする

家人は私が怒りだすといつも
悲しそうな顔で黙って聞いている
意味が分かっているのかいないのかわからないけど、
捨て犬みたいな顔でしょんぼりしている

でも、
ご飯を食べ終わってから
「今日私にすごく怒られたの覚えてる?」
と聞くと

「ぜーんぜん、覚えてない!」
とケロッとしている

空しいような、ホッとするような…
この現状を私はまだ受け入れられないんだろうな

*****

そして、夜になり一人で
冷静にこれからのことを考えてみる

今行っているリハビリは、
確かに身体能力を高めるのが目的のところなのだ

家人のように脳に障害がある人のためのリハビリではない
(身体能力が上がれば脳機能も上がるという
考えではあるようだが、家人の場合、身体機能が上がらない
ので、脳機能の回復も期待できないということなのだろう)

昼間はそれを聞いて絶望した
私はなによりも「回復」を最優先にしてきた
それが不可能なんてどうしたらいいの?

もう白旗をあげて施設に入れるしかないのか
ともちらりと頭をかすめたけれど

それよりも頭にドーンと浮かんだのは
「じゃあ、高次脳機能障害専門のリハビリを探せばいいんじゃない?」

スィッチがカチッと切り替わった

そして、早速見つけたリハビリの体験予約を入れてみた

やっぱり私はまだあきらめたくないんだ
また結果が出なくて、お金だけどぶに捨てて泣くかもしれない

いい加減見切りをつけた方がいいという人もいる
確かにそうかもしれない
このままでは自分が年を取った時、
自分をケアすることもできなくなるかもしれない

損得勘定で言ったら
見切りをつけて施設に入れるべきなのだろう

だって、家人はデカいだけでなく
身体も頭も重篤な障害があって悲しいくらい何もできない
しかもビビリーですぐ大騒ぎをするし、
記憶障害だから、いくらお世話をしても
感謝の気持ちさえない
(現実認識力がないから自分は何でもできると思っている)

そして私は妻でもない
お世話をしても何の得もない

利口な人ならもう身を引いてるよね

でも
やっぱり私はもうちょっと頑張りたい
あきらめが悪いバカだと自分でも思うけど
小さいキセキでいいから起きないかなーって
やっぱり思ってしまうのだ

やり切った!と思えるまではやるしかない

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