井口奈己「左手に気をつけろ」「だれかが歌ってる」

この2作の短編(特に「だれかが歌ってる」は)ゴダールの「ワン・プラス・ワン」だと直感的に思った。根拠はない。
無理に共通点を探せば、音楽が重要な要素になっていること、「左手に気をつけろ」の子供達が左利きの人物を捕まえるのが、「ワン・プラス・ワン」の中で出てくる革命を象徴している人物や要素とダブって見える点だ。
子供達は「御用だ」と叫びながら、左利きの人々を捕まえるのは、何を表しているのかは分からないが、何故か革命という言葉を想起させた。
「だれかが歌ってる」の最初のショットで画面中央に立つ木に吹きつける風の素晴らしさは革命的だ。

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