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みんな奈留島に先生しに行きたくなる

私が住むのは五島列島の福江島という五島列島の中でもメインで大きくて人口も多い島です。

ここから船で1時間くらいのところに奈留島という小さな島があります。
小学生は全部で20人弱。
市が運営している奈留島のフリースクール事業があって、そこに私の母が月に1回絵を教えに行っています。

今回、ご縁があって小学生の子供たちにアイシングクッキーを教える機会をいただきました。



私は、長崎県五島市で「もしもし五島列島」というカフェを営んでおります。

子供向けにアイシングクッキー(クッキーの上に砂糖で文字や絵を描くお菓子のこと)のワークショップなどを行っており、今回は、市から依頼していただき、奈留島へ出張してきました。

奈留島は、長崎港の西約90km、五島列島のほぼ真ん中に位置する島です。美しい岬と海岸線に囲まれており、世界遺産登録を目指す「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の構成資産である江上天主堂があります。また、松任谷由美さんの「瞳を閉じて」の歌でも有名な島です。
https://kokkyo-info.go.jp/island/nagasaki/area10/narushima/


小学校は一つしかなく、全校生徒が20人くらいの学校です。
その中の9人の子供たちが
今回のワークショップに参加してくれました。

ワークショップが終わって1週間経った今も心がポカポカしています。

子供たちはみんな素直で、可愛くて、
私は、笑顔で筋肉痛になるくらい暖かくて幸せなワークショップでした。



島の子供たちが「可愛い」を何度言っても足りないくらい可愛くて、驚くほどピュアで心が浄化されました。

先生として教えに行ったはずなのに、心がずっとぽかぽかして、セラピーを受けて帰ってきた感覚になりました。

まず、ついて入り口に
「たこちゃん先生だいすき」と床にチョークでたくさん書かれてありました。
(たこちゃん先生とは母のこと。母はすでに3回講師として授業しているので子供たちから認識されています。)

扉を開けて、たこちゃん先生を見た子供たちは即座に目を輝かせ、
「たこちゃん先生〜!」と笑顔で駆け寄ってきます。
そして、ここでもまた「たこちゃん先生だいすき」と口に出して言ってくれます。

さらに、今日のスケジュールが載ってあるホワイトボードにも、「たこちゃん先生だいすき」と生徒たちが書き込んでいました。

たこちゃん先生がミッキーマウスのような存在になっていて、とにかく羨ましかったです。
(たこちゃん先生=私の母は、特別子供が好きなわけではないし、接することに慣れているわけでもなく、ただの普通のおばさん)

たこちゃん先生が特別でないことは、入ってすぐ、自己紹介をした瞬間にわかります。

「もしもしちゃんって呼んでね」と言った瞬間、みんなすぐ素直に「もしもしちゃん」と言ってくれて、すぐ「もしもしちゃんだいすき」とも言ってくれて「もしもしちゃんだいすき」とホワイトボードに書いてもくれました。

どんな人かわからなくても、すぐ好きになってくれる。
泣きそうになりました。

みんな明るく活発でおしゃべりな子も多いのですが、いざ授業が始まるとじっくり話も聞いてくれます。

勝手に物事を進めたり、あれこれ言う子は一切いなくて、きちんと言われたことは守り、落ち着いて授業に向き合ってくれていました。

それぞれが自分のペースで進めて、質問や手助けも、求めてくれて、真剣にやりつつ、ときどき雑談したり、脱線したり、「歌を聴いてみたい」とぽろっといった要望に即興で答えてくれたり。

「歌を聴いてみたい」については、奈留島で行われる市民向けの合唱イベントでみんなで合唱した。という話を聞いて、「いいなー聞きたかったー」くらいに何気なく話したら、

1人の子が歌い出してそれにつられてみんな歌いはじめて、1人の子は立って指揮をし始めて、また別の子は「ズレてるからちゃんとしよう!」と指導までしてくれて。


即興だったにも関わらず、最高の合唱を聴くことができました。

私のなにげない言葉のためだけにみんなが歌ってくれた。

奈留島の子供たちはどんな小さな会話、行動にも全力で向き合ってくれて、全力で応えようとしてくれました。

話も一生懸命聞くし、私がやってるお店のショップカードを渡すと、みんなポケモンのレアカードをもらったかのように喜んでくれる。

経費削減のためモノクロ印刷かつ紙も薄めなさみしいショップカードなのに!!みんな飛び跳ねて喜んでた。

お店のロゴを書いたステッカーをあげるとみんなわーっと福袋を買うように私の周りに集まってくれて、もらったらキラキラの目でステッカーを眺めて、どこに貼ろう〜と悩みながら、大切にしまってくれた。


いままで、ステッカーをいろんなひとに配ってきて、もちろんこうやって大切にしてくれる人がほとんどなのだが、子供だとおふざけで体に張ったり、雑に張ったり、すぐ無くしたりする時も多々ありました。

奈留島の子供たちはみんながみんなステッカーを新生児を触るように丁寧にみて扱ってくれた。タダでもらったもの、しかも、今知ったばかりのお店のものに対して、それができるのがすごいと思った。

クッキーが早くできたこは、「おいしそう〜食べるの楽しみだなぁ」といいつつちゃんと他の子を待ってました。

早く食べたい。ではなく、食べる時間を想像して楽しんで待ってくれていました。

みんなが終わって写真を撮っていると、それぞれクッキーに書いた想いを説明してくれました。

パッとみただけじゃわからないことがたくさん詰め込まれている素敵なクッキーをみんな作ってくれました。

隣の子とかに少し影響されたりしてるのもかわいい。

一旦片付けをして、お昼の時間になると、
「隣で食べたい!」のラブ合戦。はああなんて幸せなの!?高校時代、教室にお昼食べる場所がなくて一生懸命探しても座れるところも勇気もなくていつも外の端っこか、トイレで食べていた私が、こんな言葉を人生で聞けるとは。


お弁当食べタイムの会話集↓

「お弁当みてもいい?」
「わーお弁当すごいね!」(まさかみられるとは思ってなかったので本当に雑な弁当なのに。)

「やった〜みかんがはいってる〜」
「きゅうり嫌いだけど頑張って食べる」
「デザート食べるために全部食べよう!」

みんなかわいい。たくさん食べて大きくなってね。キラキラした顔でお弁当を食べている姿を親御さんにみせたい。けどそれがちゃんとわかってるからみんな素敵なお弁当を作ってもらえてるんだよね。お弁当ってやっぱりいい。

お弁当の時間が終わると、自由時間。

私は大学の課題が終わってなかったので、そのことを話していたら、施設の方も気を遣ってその空き時間は空いてるスペースを使って静かなところで勉強してくださいといってくれた。


しかし、子供たちからおでかけや遊びに誘われた。

施設の先生は、「もしもし先生はお仕事があるから、、」と言ってくれたが、もう、私は今日の大学の課題が遅れてでもこの子供たちとあそびたい、、!と思い存分に遊んだ。

まず外に出て、チョークで床に絵を描いた。
またまた「もしもしちゃんだいすき」や「たこちゃんだいすき」を本人の目の前で大きな字で書いてくれた。かわいすぎる。

そのあとはアイロンビーズを作った。
「かわいいね〜」と話しかけると、

👶「こういうの作りすぎて家にたくさんあまりすぎて困ってるんだ」

「えーそうなの」

👶「だから誰かにたくさんあげたい」

「もらっていいのー?」

👶「うん。もちろん。だってたくさんあるもん」


という、会話ののちにかわいいアイロンビーズをもらった。

わたしがアイロンビーズをもらって喜んでいるとみんながたくさん作ってくれた。

その間、刺繍糸でミサンガを作ってあげたらみんな大喜び。


最後、私が船で帰る時間とアイロンビーズの完成が間に合わなくてしょんぼりしていた男の子もすごく愛おしかった。

船で見送られるときは、
赴任してきて3年たった教師のごとく壮大な見送りをしてもらった。最高だった。

たった1日しかきてない、初対面の、しかもまたすぐ来る講師に対して全力のお見送り。

また会えると何回言っても、それはお構いなしに、子供たちは「その瞬間」の別れを全力で悲しんでいた。

つねに全力で、丁寧に相手と向き合ってくれる子供たちにとても癒されたし、勉強になった。

損得勘定とか将来のこととか立場とか、、何にも気にせずもっと自由に人と付き合っていこう!そのかわり、丁寧に丁寧に、自分からの好意をたっぷり示して!

また、奈留島にいきたい。いますぐ。

船の中から


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ぼんのう
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