じんるいのみなさまへプレイ感想
分類としては間違いなくクソゲーだと思う。
noteくんの百合系記事を増やしたいので筆を取りました。(自由に書いても良さそうだし)
本記事はネタバレを控えた感想記事で、ネタバレ込みの感想は次の記事で書かせていただくことにする
感想を書いてゆく前に、念のためストーリーのあらすじを書いておくと、5人で旅行に来た秋葉原のホテルで目を覚ますと、秋葉原が人のいない廃墟になっていることに気づき、餓死をしないためにサバイバル生活を始めるというもの。
私のように本作品をプレイした人々の多くの人が感じたであろうことは、キャラデザインの秀逸さであり、多くの人が本作品に手を伸ばしては死んでいったことの一因はそれであると思う。
年齢は左から、16、17、16、12、13、14で結構バラバラで、隣り合ったペアがカップリングとなっており、主人公カプはまさかの4歳差! (ここら辺の繊細な年齢差の百合ができるのはこの作品が全年齢向けだからで、それも魅力ポイントだと思うんだよね。)
自分は本作の評価がすこぶる低いことを知った上でプレイしたし、本作をやるぐらいなら小説版を読んだ方が絶対良いと言われたのにも関わらず、キャラデザの良さに惹かれて本作品を買ってしまった。(中古で2000円ぐらいだった、定価なら絶対買ってない)
(今からこの作品に触れたいって奇特なひとは私からも小説版をオススメする。ストーリー自体は良いので。)
性的な雰囲気が抑えられた清楚な絵が個人的にツボで(屋上の百合霊さんとかが好きなタイプ)、この子達がどんな百合をするのかっていうのが凄く気になったし、この作品はその期待に十分に答えてくれたと思う。キスとかそういうのは無いけど精神的な百合要素はすごく高かった。ちゃんと初対面から関係が構築されてゆく感じはしっかりしてて、そこは評価できる。
が……ゲーム性の酷さがストーリーにまで引っ張られているため、ストーリーの内容もほとんどお使いなのがね……序盤中盤は生活に必要なものを集めただけなストーリーで尺を稼いだだけの感じが強い……
なんでこの女は鹿を捌けるんだよ(後に養蜂まで始める猛者)
とはいえストーリーがつまらないということはなく、特に終盤のSF的な真相解明パートはなかなかに面白かったと思う。素直に感心させられるオチだと思う。でも人にこのゲームをプレイさせるほどの価値はない。
ゲームのボリュームとしては2周しても15時間ぐらいで、この作品の半額ぐらいの一般的百合ノベルゲームより少し長いぐらいだが、そのうちの半分ぐらいはストーリーを読むためのゲーム部分での費やされており、実質的なストーリー量はそこまで多くはない。
そしてそのゲーム部分はほとんどがお使いで終わるのである。
町の指定された場所をひたすら回るだけのゲームといって差支えはない
そして足があまりにも遅い
このゲームはあくまでも探索ゲームなのだ。町中を走り回り、目的地を回らなくてはならない。地獄みたいな操作性でだ。目立つのは走るスピードの遅さだが、それ以上に尋常じゃないぐらい歩くのが遅い。
そのため、常に走るのが常識となるのだが、そのためには左ステック+Rボタンという操作を求められるので、常に両手が塞がってしまうのだ。
ネットサーフィンでもしながら単調な探索をやり過ごすと言ったことは難しく、攻略情報を調べることすら覚束ないという苦行である。その癖に、目標地点を回る準備番まで指定されてることも多々あり迷子になれば10分ぐらいは無駄に時間を浪費することは覚悟しなくてはならない。
しかも走るボタン(R)がスキップボタンと同様のため、2周目以降ではスキップの暴発が頻発し、ストーリーのために探索をこなしたのに、そのストーリーを丸々スキップしてしまうという事態が多々あるのである。あまりにも虚無。
そんなお使いを2週もさせられるのである
2周しなくてはならないのは、おまけ要素の為とかそんな諦めのつく要素ではなく、朱香を登場させるためである。DLCを買ってこの苦行探索を2周しなければ作品として終わらないのだ。語り合える相手も居ないようなマイナーゲームをするからには、自分の手で全てを知らなくてはならない。
というか2周しないと本当の意味で虚無になってしまう、オチのつかないSF作品とか最悪でしょ
2週目ではこの子が加わるためストーリーが大きく変わる……のだが、中盤までの彼女の影は少々薄く、終盤まで7割がた既読スキップで飛ばされてしまうような存在感であり、既存CGに朱香が追加されるといったような気の利いた演出はない。
しかし、キャラとしては相当魅力的で、彼女無しでは主人公ちゃんについて語ることはできない。
周回プレイというのはノベルゲームとかでは結構よくある仕様で、不満をつけるようなこともないのだが、このゲームではそうもいかず、ストーリーを飛ばしながらひたすらお使いを行うという目も当てられない苦行となってしまっている
勿論、ノベルゲームではないためセーブデータはたったの4つで、わざわざホテルに戻って面倒な手順を踏まないとセーブできない。そのため、見直したいストーリーがあれば最悪、最初からやり直すぐらいの覚悟が必要なのだ。そんな覚悟私にはない。
SFストーリーゲーなのにストーリーの考察とかをしてる人がほとんど見受けられないのはおそらくこの辺の事情が絡んでいそう。
鳥用の罠で豚を捕まえる主人公の図(作中では大型動物の危険性について話し合った上で専用の罠を作るのだが、ゲームシステム上では罠の種類によって捕まえられる動物が変わったりはしない)
もしこのゲームがノベルゲームだったら、このような事態はなくなっただろうけど、ゲーム的な個性も完全に消えてしまうんだよね…… そもそも、ストーリーを文章で追ったら2周しても7〜8時間で終わってしまいそうな文量でしかないし。(走るスピードを早くできなかったのは、内容の薄さとボリュームの無さを誤魔化すためだと疑いたくなってしまうレベル)
ボロクソには言わざるおえないが、女の子達が廃れた世界を探索している感じはなかなか良いし、サバイバルの雰囲気はなかなか良いと思うの。
質素だった生活が徐々に豊かになってゆくのも感慨深い
ゲームコンセプト事態はなかなか良いし、SF作品としての世界観作りとしても、なかなか秀逸で、プレイして損した!って思うことはなかったかな。
ただ百合作品として見ると、どうかな~?とは思う、キスもしなければ告白もしないし……関係性が構築されてゆく過程については丁寧に組まれてるとは思うけど……あくまでこの作品のメインはSF要素だと思うの、それとSFに付随した百合。「百合がメインじゃない作品で百合を見たい!!」という変な欲を持ってる私みたいな人間としては悪くなかったけどね。ただちょっとイベントCGが少なすぎる印象で、各カップリングで百合っぽいイベントCGは一つ、二つずつぐらいしかないんだよね……公式サイトのサンプルに出されるようなイベントCGぐらいしかないカプまでいるし……
めっちゃ百合を感じる作品ではあると思うけど百合的な面で言及したいことはあんまりないかな……再度このゲームをプレイしてまで感想を練るのは本当に嫌……ゲームとしては苦行すぎる。もっと楽しいゲームがしたい。
ゲームシステムの面で酷評せざる負えないんだけど、ネタバレ無しでは魅力の語れないゲームであると私は思うため、近いうちにはネタバレ込みの記事も書こうと思う。
走るスピードを倍にしてくれるだけでも評価は結構変わると思うんだけどね……個人的には次回作に期待したかった。