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今が「旬」なルートが登れた

小川山や瑞牆の季節は過ぎて最近は奥多摩方面で登るようになってきた。小川山で登ることが多かった今季、宿題だなって思うルートがないってくらい思い残すことなく小川山を去れた。一緒に登ってくれた方、僕の懇願に屈してビレイしに来てくれた方々にはほんとに感謝しかない。

さて、この秋にはグレード更新も出来た。甲府幕の「スモーキーマウンテン」5.12Cだ。このルートが表題の「旬」なルートの一つである。
内容はほんとに素晴らしい。下部と上部にそれぞれ核心があり、下部は甘いホールドと悪いスタンスを繫ぐレジスタンス系で上部はガツンとくる10手の2~3級のボルダーをこなす感じ。

下部の下部ではいかに疲れずスマートに抜けられるか

このルートはかつて発表時5.12Bとされ、取り付きには赤ペイントで12a+12a 12bとあったそうだが今は確認できない。確かに言われてみればそんな気もしなくはない。なぜかと言うと中間には座れるほどの大レストポイントがあるからだ。ここで幾らでも休めるので+で12bとあったのだろう。まぁ12Cに上がったのはなぜとかそんなことは言うつもりはなくて、ムーブと内容、そして僕のこのルートへの取り組み方が今の自分にとっては「旬」だったのだ。

疲れてはいけない下部の下部。そして少しレストしてからの細かく甘いホールドが続く中盤は痺れる足運びもあり、ハングの乗越あり。
後半はアンダーホールドからの足上げと遠い甘カチを取るまでが高負荷で、そこからのラスト数手もパワフルでいつでも落ちれる。

いつまでも大レストポイントに居座れるけど、そこは自分に枷をかけて少しのレストで突撃した。このルートに必要なパワーと持久力、そしてルートへの取り組み方が今の自分には旬だった訳です。恐らく来年やったらそこまで考えず、達成感はなかった気がするのだ。2日5tryで出来たのも嬉しい。

そして御前岩。12月になって初めて訪れた。ずっとやってみたかった蒙古タンメン(7a+)を登った次の御前岩で、有名な7a3本をオンサイト出来た。
この3本を1日ですべて一撃出来たのはほんとに嬉しかった。それは今の僕にとってこの結果だったからこそ嬉しいのだ。
この3本とは「ハルドラ」「奥多摩は魔女」「わがままボディ」で7aとはデシマルだと5.11C/Dと言ったところだが、御前岩でのフレンチはデシマルよりは少し甘い。
ルートの内容を知った上でのデシマルはハルドラ11B、奥多摩は魔女11A/B、わがままボディも11Bと言ったところだろうか。

奥多摩は魔女は全体的に小悪く、当日はコルネが濡れていて少し怖かったがなんとかねじ伏せた。
わがままとハルドラは核心は1箇所たがそこだけだいぶ悪い。普通に落ちれるところだと思う。
でも、僕は戻ったり耐えたりして突破した。去年までの自分には無理だったろう。

核心の前にレストが出来たり、そこまでガバだったり足が良かったりとぶっちゃけ「簡単」ではある。でも少しづつ腕がやられていき、核心がどこだかわからないオンサイトトライでそれと対峙するとき、「出来るか出来ないか」。それに自分は勝てたのだ。
特に奥多摩は締まったルートで他の2本とはちょっと違う感じ。レスト中にしっかり組み立てられたのは大きな成長の証。

オンサイトしてこそ、1デイの価値はすべてオンサイトしてこそ。1デイでも2撃では意味のない今の自分にはそういう意味で「旬」な3本だった。

登った直後「核心は短い、甘めだ。」と思ったてけど、これを書いていたら俺はすごいことをやったんだ良くやったと思える。
よく休んで、よく見て、進んだもんだ。

ハルドラ

今冬は被ってる石灰を頑張ろうと思う。苦手な被りは今まで見て見ぬ振りをしてきたから。二子の弓状、シーサイドのドッカぶり…。頑張ってこ!


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